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日本とIPPFの協力について

日本とIPPF(国際家族計画連盟)は、設立当初から55年以上にもわたる強い協力関係にあります。IPPFは今から半世紀以上前の1952年、インドで誕生しました。今では赤十字に次いで2番目に大きい国際民間組織、またリプロダクティブ・ヘルス/ライツの分野では世界一の規模と経験を持つ組織にまで成長しました。そのIPPFの誕生に日本が深く関わっています。

 

IPPFの誕生

IPPF創設の中心人物となったのは、世界的にも有名なマーガレット・サンガー(米)、エリセ・オッテーセンヤンセン(スウェーデン)、ヘレナ・ライト(英)、マリー・ストープス(英)、加藤シヅエ(日本)などがあげられます。マーガレット・サンガーは1916年に米国初となるクリニックを設立、マリー・ストープスは1921年に英国初のクリニックを設立、また加藤シヅエも産児調節相談所を1933年に東京で開設するなど、まさに多産や非合法中絶に苦しむ女性を救おうと立ち上がった女性たちによってIPPFは設立されています。加藤シヅエは「産めよ増やせよ」と日本政府が出産を奨励していた時代に、家族計画を推進しなければ女性の幸福はないと、必死に啓蒙活動を進め、投獄までされました。IPPFのスローガンは、"Be Brave and Angry (怒りをこめて起ち上がれ)”。創設者の心意気を今なお受け継いでいます。

 

日本の加盟-戦後初の国際会議-

英国、米国、スウェーデン、オランダ、インド、香港、シンガポール、ドイツの家族計画協会がIPPFの創立当初(1952年11月24日)のメンバーです。その後、1954年に日本(日本家族計画協会)の加盟が決定しています。

翌年の1955年10月24日、東京で初の家族計画に関する国際会議が開催されました。日本では第2次世界大戦後、日本で開催された初めての国際会議として、マスメディアも大々的に報道するほど大規模な会議となりました。この会議に、日本政府も高い関心を示し、急激な人口増加の問題に直面していた日本の家族計画運動に発展の糸口を与えることになりました。

(第5回国際家族計画会議で講演するサンガ―。通訳は加藤シヅエ(左隣)。ストーン博士、ブラッシュ夫人も並ぶ(1955年))

日本の経験を途上国に-ジョイセフの設立-

その後、急激な経済成長を遂げ、わずか10年で出生率を半減させた日本には途上国の家族計画への援助要請が舞い込んでいました。ただ、家族計画というデリケートな分野に他国が介入すべきか、また戦後、労働確保のため人口増加を望む声まで起きている日本社会で、そのような援助が可能か、当時の日本の家族計画運動のリーダーで、後にジョイセフの創設者となる國井長次郎は懸念していました。


その頃、ちょうどIPPFの資料を見ていた國井は、その中でウィリアム・ドレーパー(当時IPPF顧問)の名前を見つけます。彼は日本の敗戦直後、米国の経済使節団長として来日し、日本の経済復興に貢献した人物です。國井はこの人に日本の政財界の要人を説得してもらえば、途上国の援助要請にこたえられるのではないか、と考え、IPPFへ連絡しました。



(ジョイセフの創設者・國井長次郎)

その後、1967年、ウィリアム・ドレーパーの訪日が実現しました。ドレーパーと國井は政財界の要人、外務・厚生官僚と会談したところ、岸信介元首相が最も関心を示し、1968年、岸元首相を会長、國井を常任理事として、ジョイセフが発足することとなったのです。さらに同年、ジョイセフの説得が功を奏し、日本政府は初めてIPPFへの拠出を決定し、その後今日までIPPFの主要ドナーのひとつとして、IPPFを支援し続けてきました。

ウィリアム・ドレーパー(左から2番目)と岸信介(1967年))

IPPF東京連絡事務所の設置

1974年にはIPPFと共に、ジョイセフは途上国で様々なプロジェクトを展開するようになりました。中でもインテグレーション・プロジェクト(IP)と呼ばれる家族計画と栄養、寄生虫予防を統合して進めるプロジェクトが始まり、住民主体をキーワードに東南アジア地域を皮切りに成功をおさめました。現在その活動は31カ国に広がっています。その後、1986年にはジョイセフがIPPF東京連絡事務所として、IPPFとの連携をさらに強化し、日本政府とIPPFとの橋渡しの役目を担うようになりました。

その結果、日本政府によって、2000年から日本HIV/エイズ信託基金(JTF)が設けられ、ケニア、タンザニア、中国、インドなどアフリカとアジアの38の加盟協会が日本政府から支援を受け、プロジェクトを実施してきています。

ジョイセフは東京連絡事務所として、日本政府が今後もIPPFの活動を支援していくことの重要性を訴え、働きかけていきます。

このように、IPPFは、半世紀以上にわたって世界の家族計画をリードしてきました。その設立から今日の発展に至るまで、日本は常に重要なパートナーとしてIPPFを支えてきました。今後もこの協力関係をさらに強化していきたいと考えています。

 




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