女性と男性が対等なパートナーとなり変化を引き起こす

Zambezi Village, Zambia

ザンビアを訪問した際、シェイエンヌという女性に出会いました。

シェイエンヌは35歳。一家の生計を引き受けている主婦です。1日12時間、露店で塩を売るかたわら、親族と自分の子どもたちの世話をしています。

シェイエンヌの住む地域には鉱山があったのですが、閉山しました。そのため夫は職を失い、意気消沈してしまいました。少しの貯えも酒を買うために使い果たし、妻のシェイエンヌや子どもたちに暴力を振るうようになりました。

シェイエンヌの夫は、彼女に対して怒りっぽくなり、暴力は寝室でも振るわれるようになりました。夫にセックスを強制され、無理やり行為に同意させられるか、同意しないとなじられるようになりました。この苦しい状態をなくすためにどうしたらよいか、シェイエンヌは悩みました。

寝室は、親密な関係にある二人の本質が分かる場所です。シェイエンヌは、夫婦関係が実は、力による支配であることを明るみに出そうとしました。「それが私や村の女性たちにとって変わらぬ現実だから」と。

二人の関係を「力による支配」と呼ぶのは奇異に思えるかもしれません。しかし、世界中で起こるセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖の健康)の問題の根本には、ジェンダーの不平等(男女のどちらかが相手を力で支配している)があります。

これまで出会ってきた女性たちは皆、驚くほどのレジリエンス(しなやかな回復力)を持っています。私は、ジェンダー平等に関する専門家として、農村地区の女性たちを対象としたワークショップを数多く実施してきました。シェイエンヌとも、そのようなワークショップで出会いました。

そこで、シェイエンヌは尋ねました。「慈善団体がよく来て、ワークショップをたくさんやっていく。そこで、窓を開けて風通しをよくして、言いにくいことも口に出すように、と言われるけど、『寝室の窓』について誰も話さないのはどうして?」と。

シェイエンヌの住む町では、失業率が急激に悪化しています。HIV感染率も上がっています。暴力は日常的に見られます。IPPFは、2014年にザンビアで8万5,000人にサービスを提供しました。そのうち、男性はたったの9%です。サービスを受けた7万7,000人の女性のうち、98%は貧困か脆弱な状態にありました。

セクシュアル・ヘルスに関するサービスは男性も必要としているはずなのに、実際にサービスを受ける男性の数が非常に少ないのはなぜでしょうか。なぜ、セクシュアル・ヘルスは女性だけの問題だと男性は思い込むのでしょうか。

さらに、男性は女性のリプロダクティブ・ヘルスをコントロールしようとします。ジェンダー平等を実現するためには、このような不平等をことごとく是正していかなければなりません。それには、自分自身や大切な人たちに関わる選択をできるように、女性をエンパワーしていくことが必要です。

女性に沈黙を強いている目に見えないしばりを解き、女性が自由に自分の考えを述べられるようにしなければなりません。

IPPFはザンビアを含む、アフリカ7カ国の加盟協会(MA)やアフリカ連合(AU)とともに、早婚や強制婚の廃絶を目指して活動しています。

シェイエンヌは、犠牲者として扱われるのはたくさんだと言います。自分の希望をかなえ、自分で決断し、コミュニティの議論にも参加したいと考えています。

女性は変化を求めるだけでなく、変化を起こす担い手になりたいのです。女性たち、家族、コミュニティにとって、平等な未来を作りたいと願っています。

シェイエンヌのような女性たちのレジリエンスや勇気から、元気やインスピレーションを得る女性も多いでしょう。女性たちが自ら作り出す、女性に優しいコミュニティがあれば、女性たちの精神面、情緒面にもよい影響があるでしょう。

IPPFは、誇りを持って女性のエンパワーエンパワーメントを支えています。政府へのロビー活動を行いながら、各国の関連団体と協力し、草の根から声を上げています。しかし最も重要なのは、男性と活動していることです。鍵となるのは、変化を起こすための対等なパートナーとして男性を見ることです。男性が女性と一緒に決断していくことから始めなくてはなりません。

*この記事は、IPPFウェブサイトの記事を翻訳したものです。元の記事(英語)はこちらです。

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