国際家族計画連盟(IPPF)と英国の国際NGO、マリー・ストープス・インターナショナル(MSI)は、6月の第2週に開かれた年次ドナー会議において新たに組織間の連携について合意したことを発表しました。IPPFとMSIは、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)に関するサービスの提供が困難な状況になることに対処するため、連携を新たにしたものです。
IPPFとMSIは、それぞれがもつ組織の能力を投入し、ドナーから提供された資金のすべてを、女性と少女たちのために使うことを約束しました。
テウォドロス・メレッセIPPF事務局長と、サイモン・クックMSI最高執行責任者(CEO)によって署名された合意書には、競争と協力がもたらす価値が確認されています。競争と協力があってこそ、両者はサービス、啓発活動、データ収集の品質や効率性を、グローバル、地域、国内それぞれのレベルで向上させることができます。
また、合意書に基づき、IPPFとMSIは12カ国において国内計画を合同で開発していく予定です。
テウォドロス・メレッセIPPF事務局長は、合意に際し、次のように述べました。「SRHRサービスをめぐるグローバルな環境は大きく変わりました。私たちはサービス提供数を増やすため、国ごとに新しい方法を探し出さなければなりません。この合意が持続的な変化のきっかけとなり、世界中のどこであれ、SRHRサービスを手にする人たちの一人ひとりが最良の対応とサービスを受けられるようになるでしょう」
サイモン・クックMSI最高執行責任者は次のように話しました。「IPPFとの連携拡大に意欲をもって取り組みます。具体的なプロジェクトを通じて、途上国の女性と少女たちが避妊法や安全な中絶サービスが受けられるようになり、自分たちの将来を自分で決められるようにする手助けをしていきます。私たちのサービスを必要とする何百万という女性たちにとって最良の結果を出していくことが、 MSIとIPPFの双方にとって最優先の課題です」
IPPFとMSIは、次の3つの分野で協力することに合意しました。
サービス提供
- サービスの重複を減らすため、国ごとの調整を強化する
- 国家レベルの保健システムのサービス格差を減らすため、共同歩調をとる
- SRHRサービスの提供地域を拡大する
- サービスデリバリの経路やその組み合わせを増やす
- 相互のレファラル(照会)システムを必要に応じて強化する
- サプライチェーンの強化
- 学びや知見の共有を増やす
- サービスを受ける個人の権利に基づくサービスを提供する
- 提供者のニーズを満たす
アドボカシー(啓発)
- 共同のアドボカシー活動に沿った派遣計画を実施する
- サービスを最も受けづらい人々にサービスを拡大するアドボカシー活動を行う
- それぞれの地域の事情や政治情勢に合わせて政策とアドボカシー活動をマッピングし、分担を決める
- FP2020の進捗と実施に関し、国とグローバルなレベルにおける主要な成果物を定め、アドボカシーの課題、共同計画案、アカウンタビリティを進める
データ
- 各種データ分析ツールやプロセスを共同で使用し、互いに支援することで効率性を向上させる
- アドボカシー活動のためにデータ共有を進める
- 指標や報告の質の向上のため、共同で改善行動を実施する
- サービス受益者に基づいたデータを使用できるようにして、保健状況の改善を目指す
- 共同リサーチのアジェンダを開発する
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女性の健康