緊急声明:IPPFがグローバル・ギャグ・ルールに署名しない理由

Why we will not sign the Global Gag Rule

2017年1月23日、トランプ米大統領は、「グローバル・ギャグ・ルール(口封じの世界ルール)」として知られる「メキシコシティ政策」を再導入する大統領令に署名した。

国際家族計画連盟(IPPF)は、誰もが自分の健康と安寧(ウェルビーイング)について自分で決める権利があると信じる。世界の女性、男性、子どもたちを守るために活動する組織として、IPPFとその世界170カ国に広がるパートナーたちは、人権を侵害し、女性の命を危険に追いやる政策には署名しない。

「グローバル・ギャグ・ルール」は、IPPFのように、米国政府以外からの資金援助で行っていても、またその国で人工妊娠中絶が合法であっても、中絶関連サービス、カウンセリング、リファラルを行う組織に対する米国政府からの資金援助を否定するものである。

いかなる組織でも、この政策に署名しないと、その家族計画、妊産婦の健康、HIVとエイズの予防と治療保健医療サービスを実施するために欠かせない資金へのアクセスが閉ざされる。

過去に先代の共和党大統領たちによって「グローバル・ギャグ・ルール」が導入されたとき、実際に起きたのは、中絶件数の減少ではなく、むしろ家族計画へのアクセスの激減による意図しない妊娠と安全でない中絶の件数増大であった。

IPPFは、世界最大の家族計画を提供するNGOである。米国政府と何十年にもわたって協力してきた。IPPFの世界に広がる現地パートナーのネットワークは、毎分300件以上のサービスを提供している。これには、毎年7千万件の家族計画の提供も含まれる。

「グローバル・ギャグ・ルール」の再導入は、さらなる意図しない妊娠、予防できる傷病とそれを原因とする死を多数、招くことになるだろう。

一方、IPPFにとっては、人道危機下や不健康であえぐ女性たちを含む世界の何百万人もの女性と若者たちに、かけがえのない、またその効果が証明されている包括的セクシュアル・リプロダクティブヘルスサービスを提供するのに必要となる資金、1億米ドルを失うことを意味する。

長年にわたり、USAID(米国国際開発庁)は年間6億米ドル以上の予算を有する巨大な家族計画の支援者であった。この政策の再導入によって、世界でこれまでに何年もかけて実現してきた必須サービスへのアクセス拡大の成果が失われることとなるだろう。

私たちは、世界の最も貧しい女性たちの命を救うサービスを否定できないし、否定することもない。世界の政府やドナー(経済的支援者)たちと協力して、「世界口封じルール」が生み出すサービスと資金の穴を埋めつないでいく。そして、女性たちが自分の権利を行使して、家族計画と安全な中絶にアクセスできるように活動を続けていく。

国際家族計画連盟(IPPF)

このページをシェアする