フィリピン台風ハイエン後の復興現場を訪れて

visit in medical camp

国際家族計画連盟(IPPF)事務局長のブログ

台風ハイヤンからほぼ3ヵ月後、ヨランダと現地で呼ばれるこの台風の残した被害は、今なお鮮明でなまなましい。

マニラで、第7回アジア大洋州リプロダクティブ・セクシャル・ヘルス・ライツ会議の若者会議に出席した後、空路タクロバンに向かった。

被害地域を旋回中には、空から被害の度合いを見きわめることは難しかった。既に復興工事が始まっているのが見えたからだ。しかし、着陸後、思わず言葉を失った。何千本という木がなぎ倒され、家屋や建物の残骸がいたるところに転がっている。何百万人もの人々がこの台風で家を失ったことが、一目でわかった。

現地の人々から広く尊敬を集めているIPPFのフィリピンの加盟協会、FPOPから5人のスタッフが迎えてくれた。後で、イーストサマール、サマールとレイテ のスタッフとも合流した。スタッフの中には、タクロバンの自宅を失った者もいる。IPPFフィリピン(FPOP)はその事業活動拠点をカトバロガンCatbalogan, Samarに置いている。

国際家族計画連盟(IPPF)にとって、加盟協会は家族の一員だ。加盟協会の被った被害は、私たちの被害だ。だから、IPPFは加盟協会とそのサービス利用者の支援にはできる限り取り組んできた。

ハイヤン台風の直後から、IPPFは被災者を対象としたFPOPの支援活動を支えてきた。FPOPは、被災者にMISPと呼ばれるリプロ・ヘルス関連キットセット (最小限の国際サービスパッケージで緊急支援時に配布されるもの)の配布等を行っている。 このMISPは、災害直後の混乱、絶望 、混沌、無法状態の中に放り込まれた人々を支援するものである。

台風直後にIPPFでは緊急理事会を開き、 現地の被災者支援のために、SPRINT人道支援ハブと共に、様々な資金をかき集め、US$200,000を36時間以内に届けた。さらに、緊急予算の中から追加支援も行った。 Tacloban滞在中に、この支援金がしっかりと人々に届いていることを目の当たりにして、心あたたまる思いがした。

台風から数週間後、希望の兆しがほころび始めた。FPOPは、テントをはって、妊産婦や授乳中の女性を対象としたサービスを提供している。毎日約100名の女性がやってくる。すでに、Aklan, Antique, Iloilo, Capiz, Samar, Eastern SamarとLeyteで、4000人以上の被災者にサービスを届けてきた。

避難センターで女性たちと話をした。彼女たちは、予防接種、食物、医療サービス、産後検診、家族計画を必要としていると言った。集まってきた男性たちは、自分の妻が必要とするサービスや支援を受けられるように力を尽くしたいと言っていた。

多くの人々にとって、FPOPのサービスは、ライフラインとして、命を支えている。 私たちは、必要な薬を人々に届けたり、検診を行っているだけではない。トラウマを抱えた子どもたちと遊びながら相談にのる若者カウンセラーや、若い男女に、彼らのリプロダクティブ・ヘルス関連ニーズを満たし、性暴力から身を守る方法について話をする若者RHカウンセラーも派遣している。若者を対象として避妊具や関連情報の提供も行っている。

まだまだ大きな課題が残っているのに、外部支援や関心が薄らぎ始めている。タクロバンのココナツ産業は崩壊し、その復興には今後5-7年はかかると見られている。またタクロバンやその他の被災地では、ものづくりができない状況に陥っている。そのため、より高価な物品を別の場所から調達し運びこむ必要がある。小さなバナナの値段でさえ、台風後、劇的に高騰した。

強力なパートナーシップがこの地で変化を生み出すことを信じている。これからも 地方自治体、ドナー、非営利団体と連携していかなくてはならない。そのために、レイテのガバナーやタクロバンの州政府関係者とも意見交換を行った。その結果、他の国際保健医療機関と調整しながら、現地住民のための包括的保健医療計画を2週間以内に提出することを求められた。

被災地を後にしながら、現地コミュニティの一員を成すIPPF加盟協会が災害直後から被災者支援活動にとりかかれることの素晴らしさをあらためて噛み締めた。世界のどこかで災害が起きたら、その国のIPPFファミリーは早急に支援活動にとりかかるのだ。これは、他の国際支援機関の事情とは全く異なっている。

IPPFは、最大限の被災者支援を今後も続け、彼らが直面する課題や効果的な解決策を広く普及させるために活動すること約束する。