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モザンビーク

Articles by モザンビーク

Cyclone Idai
02 4月 2019

サイクロン・イダイの被害状況(マラウイとモザンビークから)

4月12日更新   サイクロン・イダイがマラウイ、モザンビーク、ジンバブエに甚大な被害をもたらしたのは3月14日でした。何百人もの犠牲者、何千もの家屋倒壊を引き起こし、被災者は合計で200万人近いと言われています。サイクロンの被災者の中には7万5,000人弱の妊婦がおり、4万3,000人が6カ月以内に出産予定です。 国際家族計画連盟(IPPF)のスタッフは加盟協会、パートナー団体とともにマラウイとモザンビークで現地支援に入り、被災者のニーズを聞き取ると同時に緊急度の高いヘルスケア・サービスを提供しました。   最新の被害状況   マラウイ マラウイ政府によると、死者の数は59名で、86万7,000人近い数の被災者がいます。8万7,000人以上が避難生活を送っています。   被災状況:マラウイ(人口1,862万人) 死者 59名 被災者 約86万7,000人 避難中 8万7,000人(洪水のため) 1万6,000軒の家屋が全壊、半壊、もしくは浸水 モザンビーク サイクロン・イダイの被害がもっとも大きかったモザンビークの都市はベイラ(人口50万人)で、3月27日には政府がコレラの流行を宣言しました。サイクロンによって10万近い住宅が全壊もしくは半壊しました。500人以上の死者が確認されており、犠牲者の数は増えています。 グローバル・ギャグ・ルール グローバル・ギャグ・ルールは人道的な支援活動への資金拠出を直接、拒否したわけではありません。しかし、 IPPFモザンビーク(AMODEFA)にとっては、グローバル・ギャグ・ルールによる資金カットの影響が波及していました。今回のような人道的危機が発生すると、それまでの限定的な影響が破壊的なものになりました。現地で活動したIPPF人道支援チームのジェーンは、次のように報告しています。   「ここモザンビークで、グローバル・ギャグ・ルールの影響を肌で感じました。AMODEFAには約8つの提携クリニックと、ベイラで展開していたセックスワーカーを対象としたアウトリーチプログラムを含む複数のプログラムがありましたが、グローバル・ギャグ・ルールによる資金難ですべての活動が停止していました。通常であれば、ベイラを拠点とするプログラム関係者とスタッフ、ボランティアをすぐに動員できたはずです。しかし現状ではベイラで活動できる運営スタッフが1人しかいません」         「AMODEFAは新しくボランティアを募集し、トレーニングをしなければなりません。活動拠点がないため、現地調査の出費が余計にかかります。それだけでなく、トラックが多く通るメインの街道ではセックスワーカーの活動が増えているという報告まであります。ちなみにこの地域のHIV感染率はおよそ15%です」      「ベイラにおける人道的なセクシュアル/リプロダクティブヘルスの状況に対して、グローバル・ギャグ・ルールが直接、影響を及ぼしたわけではありません。ですが、支援活動のスケールが小さくなり、被災者はセクシュアル/リプロダクティブヘルス・サービスを受けにくくなりました」   被災状況:モザンビーク(人口2,967万人) 死者 501名 10万軒近い家屋が全壊、半壊もしくは浸水 ベイラ(人口53万人以上)が最大の被害を受ける 1,000件のコレラ感染が報告される     IPPFの対応   マラウイ マラウイとモザンビークのIPPF加盟協会は現地に入り、パートナー団体とともに命に関わるヘルスケアを提供しています。災害や人道危機でヘルスケア・サービスが中断し、保健システムが停止すると、脆弱な人々(HIVとともに生きる人々、子ども、妊婦など)がより大きなリスクを抱えることになります。 マラウイにおけるIPPFの支援活動を主導するのは、IPPFマラウイ(FPAM)です。国連人口基金(UNFPA)などのパートナーと協働し、被災地で支援物資(生理用品などが入っている衛生キット)を配布しています。マラウイ助産師協会とも協力し、被災地で必要な母子保健サービスの調査と提供を支援しています。 FPAMのカルロス・シトエさんは言います。 「サイクロン・イダイはマラウイに壊滅的な打撃を与えました。いくつかの保健センターが浸水しました。避難センターで、医療従事者もいない中で出産しなければならない女性もいると聞いています。被災者に必要なセクシュアル/リプロダクティブヘルスケアを一刻も早く届けなければなりません。FPAMのチームでアウトリーチ活動を始めましたが、支援活動を今後、何カ月も続けるほどの予算がありません」    モザンビーク  IPPFモザンビーク(AMODEFA)が現地に入って地域のパートナーと調査を行い、UNFPAと協力して衛生キットを配布しています。 AMODEFA事務局長、サントス・シミオーネのコメントです。 「過去数週間、モザンビークはサイクロン・イダイによって甚大な被害を受けました。AMODEFAは現地に入って調査を行い、スタッフとボランティアにトレーニングを実施し、セクシュアル/リプロダクティブヘルスケアを強く必要とする何千人という人々に対応しようとしています。今後の数週間、数カ月という期間で避妊法、産前ケアを提供し、安全な出産ができるようにしていきます。これらはすべて人の命に関わるケアとサービスです。AMODEFAの使命は命を守ること、苦しみをできるだけ小さくし、人々が一日も早く尊厳を取り戻せるようにすることです」

クリニックで順番を待つ患者たち
05 December 2017

グローバル・ギャグ・ルールの影響が及ぶ中、強い決意のもと活動を続けるIPPF加盟協会のスタッフとボランティアたち

IPPF加盟協会、IPPFモザンビーク(AMODEFA)が国内で提供するヘルスサービスは、多くの人々の命に関わっています。しかし米国政府によるグローバル・ギャグ・ルールの実施で、多くのヘルスサービスの存続が危ぶまれています。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策とも)は、中絶のカウンセリングと手術に関連した活動を行う団体が実施するすべての保健プログラムに対し、米国政府の援助金をすべて停止するという政策です。 AMODEFAは200万ドル、つまり年間予算の60%の活動資金を失います。総人口3,000万人のうち、約12%がエイズと共に生きる人々だと考えられるモザンビークでは、HIVとの闘いにおいてこの資金がなくなれば深刻な影響を与えると予想されます。 IPPF加盟協会、IPPFモザンビーク(AMODEFA)が国内で提供するヘルスサービスは、多くの人々の命に関わっています。しかし米国政府によるグローバル・ギャグ・ルールの実施で、多くのヘルスサービスの存続が危ぶまれています。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策とも)は、中絶のカウンセリングと手術に関連した活動を行う団体が実施するすべての保健プログラムに対し、米国政府の援助金をすべて停止するという政策です。 AMODEFAは200万ドル、つまり年間予算の60%の活動資金を失います。総人口3,000万人のうち、約12%がエイズと共に生きる人々だと考えられるモザンビークでは、HIVとの闘いにおいてこの資金がなくなれば深刻な影響を与えると予想されます。

農村で行われるHIV検査
06 12月 2017

モザンビークのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスケアにグローバル・ギャグ・ルールが落とす大きな影

「私たちは『ムハニィッス』と呼ばれます」と話すのはアルベルティナ・マチャイエイエさんです。マチャイエイエさんはIPPFモザンビーク(AMODEFA)の看護師で、ムハニィッスとは、現地で使われるシャンガーン語の「救世主」を意味します。 マチャイエイエさんは19年間、アクティビストのチームを率いています。アクティビストたちはHIV陽性と診断されたボランティアで、チームは首都マプト郊外にある、最も貧しい人々の住むコミュニティに行きます。HIVと共に生きる人たちに必要な医療ケアを届け、AIDSに関する啓発をするためです。2017年には、検診、治療、食料配布、カウンセリングなどの活動を、1千世帯を超えるHIVと共に生きる人々に提供しました。 しかし、訪問活動など、人々にとって欠くことのできないAMODEFAのヘルスサービスが、グローバル・ギャグ・ルールの導入によって続けられなくなる恐れがあります。メキシコシティ政策として知られるグローバル・ギャグ・ルールによって、保健プログラムに拠出されていた米国政府の援助が、中絶に関連した活動を行う団体には一切、提供されなくなるからです。 実施されれば、AMODEFAの予算の60%にあたる200万ドルの拠出がなくなり、モザンビークにおけるHIVとの闘いに対して計り知れないほどの影響を及ぼすことでしょう。人口3,000万人ほどのモザンビークでは、推定で12%近くがHIV陽性だと言われています。「HIV、結核(TB)、マラリア、家族計画関連のプロジェクトに参加していた50万人ほどの利用者に影響があると推定されます」とAMODEFAのサントス・シミオーネ事務局長は、マプトの本部で話します。     マチャイエイエさんのチームではボランティアの数を、60人から半減させなければなりませんでした。何人かのボランティアは訪問活動を続けるそうですが、交通費が出ない状況では、必要な治療やカウンセリングを受けられない利用者が増えるだろうとマチャイエイエさんは言います。 パルミラ・エノーク・テンベさんのような女性にとっては、訪問活動がまさにライフラインとなっています。テンベさんと同居する2人の息子はHIV陽性で、さらに4人の孫がいます。テンベさんは自身がHIV陽性だとわかった時、恐怖のあまり何も考えられなくなったと言います。「何もしたいとも思えず、部屋で座って泣くことしかできませんでした」。しかし、AMODEFAから抗レトロウイルス薬を使った治療とカウンセリングを受けたことで、元気を取り戻せた と言います。自給自足のための農業を再開し「将来の計画を立てています。病気だとわかってもすぐに死ぬわけではないから」と前向きになりました。 モザンビーク南部の3省に点在する20カ所のAMODEFA運営のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・クリニックのうち、14カ所は2017年10月末までに閉鎖を余儀なくされます。各クリニックで看護師たちが1日に対応する患者は300人前後です。ほとんどが少女からの家族計画についての相談ですが、HIVなど性感染症の検査とカウンセリングを求める人々も多くいます。 「このようなサービスセンターを除けば、若者たちが情報を得る場所はありません」と話すのは、クリニックのトゥア・セナ・プログラムの責任者、ナリア・チャンバルさんです。クリニックの閉鎖により「望まない妊娠、早婚と児童婚、HIVその他の性感染症の感染の増加が起こる」と予想します。若いうちから学校に通えなくなる少女たちが増え、安全でない中絶も増える恐れがあります。 AMODEFAはモザンビーク保健省と緊密に連携し、AMODEFAが提供する家族計画、HIV、結核、マラリアの各プログラムが、政府の保健サービスをそれぞれ補完し、支援するよう調整しています。「AMODEFAの活動がストップしたら、政府の医療機関に大きな負担となります」とシミオーネ事務局長。「全国的に困難な状況になるでしょう」。 影響が甚大なのは最も貧しく、脆弱なコミュニティに住む人々です。モザンビークで最も大きく、貧困率も高いナンプラ省の農村地帯の住民を対象にしたAMODEFAの「チャレンジTB」プログラムが存続の危機にあります。1年ほど続いた同プログラムでは、一番近いクリニックが自宅の80キロ先にあるような結核患者の所までスタッフが足を延ばし、診断と治療をしてきました。 ボランティアとスタッフが自転車とバイクで駆け回り、遠隔地のコミュニティで結核の啓発と検査を続けることで感染の実態が見えてきました。AMODEFAが活動する8つの地区で結核の検査を実施したところ、2017年1-3月で1,318人、4-6月で2,106人、7-9月で3,154人まで受診者が増えました。検査を受けた人の半数以上は結核と診断されています。 「これだけでも大きな成果ですが、まだやることが山積しています」と話すのはプロジェクトのモニタリングと評価の責任者、マリア・テレーサ・ド・ファティマさんです。新規の結核感染者は今後2年間は増え、そこから減少していくとファティマさんは考えます。 特にリスクが高いのは、現在、抗結核薬を服用している2,000人ほどの患者です。抗結核薬は、6カ月間、毎日薬を飲み続けなければなりません。身近に薬を出してくれるクリニックがなくなってしまい、服用を中断すると体内で薬の効かない耐性菌ができる可能性があります。耐性菌の根治はさらに難しくなります。新規の患者が5人、治療を始めたばかりのナハとモルプラ地区で働くボランティアのマリオ・ヴィランクさんが言います。「(利用者たちは)AMODEFAに強い信頼があります。10人が治るのを見たので、今は深く信用されています」。 このような信頼関係が最初から築けていたわけではありません。マチャイエイエさんがマプトで HIV家庭訪問プログラムを始めた当初は、車を目立たないように停め、AMODEFAの人間だとわからないように利用者のコミュニティに行かなければなりませんでした。「人々はHIVを恐れていましたから、私の訪問も恐れられたのです」。 モザンビークの人々の態度が変わり、タブーが破られるまでには19年もかかりました。人々がやっと恐れの代わりに希望を抱き始めた矢先に、AMODEFAの活動と人々の命がグローバル・ギャグ・ルールの影に脅かされようとしています。 AMODEFAのたゆみない活動について知りたい方はこちら

Associação Moçambicana para Desenvolvimento da Família

The Associação Moçambicana para Desenvolvimento da Família (AMODEFA) was formed in 1989. Like most IPPF Member Associations, the organization’s initial focus was family planning, but over the years it has diversified to cover a wider range of sexual and reproductive health (SHR) requirements including emergency obstetrics care, antenatal and post-natal care, and services dedicated to the prevention, treatment and management of HIV and AIDS.

As high HIV prevalence rates show, there is a desperate need for sustained efforts on this front. AMODEFA has responded to the HIV and AIDS challenges with a community clinic-based approach, linked with home-based care. With private sector sites, mobile and community-based service points the Member Association raises awareness of and tackles HIV and AIDS stigma and discrimination, and provides referrals. 

The AMODEFA staff, who are backed by hundreds of volunteers, a youth action movement, peer educators and community-based distributors (CBDs).

In its advocacy role, AMODEFA has been providing advice and pressuring the Ministry of Health Youth and Sport, the Ministry of Education, and the Ministry of Women and Social Action to adopt supportive national legislation and practice, particularly with regard to adolescents and youth.

The Member Association works with non-governmental organizations, such as the National HIV and AIDS Council, and with private sector operations such as Enterprises Against HIV and AIDS.

AMODEFA’s donors include UNFPA, WHO and the Africa Sweden Group, and the organization is a member of networks including the Network for Organizations Working on HIV and AIDS (MONASO), the National HIV and AIDS Council, and the International Baby Food Action Network (IPFAN).

Cyclone Idai
02 4月 2019

サイクロン・イダイの被害状況(マラウイとモザンビークから)

4月12日更新   サイクロン・イダイがマラウイ、モザンビーク、ジンバブエに甚大な被害をもたらしたのは3月14日でした。何百人もの犠牲者、何千もの家屋倒壊を引き起こし、被災者は合計で200万人近いと言われています。サイクロンの被災者の中には7万5,000人弱の妊婦がおり、4万3,000人が6カ月以内に出産予定です。 国際家族計画連盟(IPPF)のスタッフは加盟協会、パートナー団体とともにマラウイとモザンビークで現地支援に入り、被災者のニーズを聞き取ると同時に緊急度の高いヘルスケア・サービスを提供しました。   最新の被害状況   マラウイ マラウイ政府によると、死者の数は59名で、86万7,000人近い数の被災者がいます。8万7,000人以上が避難生活を送っています。   被災状況:マラウイ(人口1,862万人) 死者 59名 被災者 約86万7,000人 避難中 8万7,000人(洪水のため) 1万6,000軒の家屋が全壊、半壊、もしくは浸水 モザンビーク サイクロン・イダイの被害がもっとも大きかったモザンビークの都市はベイラ(人口50万人)で、3月27日には政府がコレラの流行を宣言しました。サイクロンによって10万近い住宅が全壊もしくは半壊しました。500人以上の死者が確認されており、犠牲者の数は増えています。 グローバル・ギャグ・ルール グローバル・ギャグ・ルールは人道的な支援活動への資金拠出を直接、拒否したわけではありません。しかし、 IPPFモザンビーク(AMODEFA)にとっては、グローバル・ギャグ・ルールによる資金カットの影響が波及していました。今回のような人道的危機が発生すると、それまでの限定的な影響が破壊的なものになりました。現地で活動したIPPF人道支援チームのジェーンは、次のように報告しています。   「ここモザンビークで、グローバル・ギャグ・ルールの影響を肌で感じました。AMODEFAには約8つの提携クリニックと、ベイラで展開していたセックスワーカーを対象としたアウトリーチプログラムを含む複数のプログラムがありましたが、グローバル・ギャグ・ルールによる資金難ですべての活動が停止していました。通常であれば、ベイラを拠点とするプログラム関係者とスタッフ、ボランティアをすぐに動員できたはずです。しかし現状ではベイラで活動できる運営スタッフが1人しかいません」         「AMODEFAは新しくボランティアを募集し、トレーニングをしなければなりません。活動拠点がないため、現地調査の出費が余計にかかります。それだけでなく、トラックが多く通るメインの街道ではセックスワーカーの活動が増えているという報告まであります。ちなみにこの地域のHIV感染率はおよそ15%です」      「ベイラにおける人道的なセクシュアル/リプロダクティブヘルスの状況に対して、グローバル・ギャグ・ルールが直接、影響を及ぼしたわけではありません。ですが、支援活動のスケールが小さくなり、被災者はセクシュアル/リプロダクティブヘルス・サービスを受けにくくなりました」   被災状況:モザンビーク(人口2,967万人) 死者 501名 10万軒近い家屋が全壊、半壊もしくは浸水 ベイラ(人口53万人以上)が最大の被害を受ける 1,000件のコレラ感染が報告される     IPPFの対応   マラウイ マラウイとモザンビークのIPPF加盟協会は現地に入り、パートナー団体とともに命に関わるヘルスケアを提供しています。災害や人道危機でヘルスケア・サービスが中断し、保健システムが停止すると、脆弱な人々(HIVとともに生きる人々、子ども、妊婦など)がより大きなリスクを抱えることになります。 マラウイにおけるIPPFの支援活動を主導するのは、IPPFマラウイ(FPAM)です。国連人口基金(UNFPA)などのパートナーと協働し、被災地で支援物資(生理用品などが入っている衛生キット)を配布しています。マラウイ助産師協会とも協力し、被災地で必要な母子保健サービスの調査と提供を支援しています。 FPAMのカルロス・シトエさんは言います。 「サイクロン・イダイはマラウイに壊滅的な打撃を与えました。いくつかの保健センターが浸水しました。避難センターで、医療従事者もいない中で出産しなければならない女性もいると聞いています。被災者に必要なセクシュアル/リプロダクティブヘルスケアを一刻も早く届けなければなりません。FPAMのチームでアウトリーチ活動を始めましたが、支援活動を今後、何カ月も続けるほどの予算がありません」    モザンビーク  IPPFモザンビーク(AMODEFA)が現地に入って地域のパートナーと調査を行い、UNFPAと協力して衛生キットを配布しています。 AMODEFA事務局長、サントス・シミオーネのコメントです。 「過去数週間、モザンビークはサイクロン・イダイによって甚大な被害を受けました。AMODEFAは現地に入って調査を行い、スタッフとボランティアにトレーニングを実施し、セクシュアル/リプロダクティブヘルスケアを強く必要とする何千人という人々に対応しようとしています。今後の数週間、数カ月という期間で避妊法、産前ケアを提供し、安全な出産ができるようにしていきます。これらはすべて人の命に関わるケアとサービスです。AMODEFAの使命は命を守ること、苦しみをできるだけ小さくし、人々が一日も早く尊厳を取り戻せるようにすることです」

クリニックで順番を待つ患者たち
05 December 2017

グローバル・ギャグ・ルールの影響が及ぶ中、強い決意のもと活動を続けるIPPF加盟協会のスタッフとボランティアたち

IPPF加盟協会、IPPFモザンビーク(AMODEFA)が国内で提供するヘルスサービスは、多くの人々の命に関わっています。しかし米国政府によるグローバル・ギャグ・ルールの実施で、多くのヘルスサービスの存続が危ぶまれています。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策とも)は、中絶のカウンセリングと手術に関連した活動を行う団体が実施するすべての保健プログラムに対し、米国政府の援助金をすべて停止するという政策です。 AMODEFAは200万ドル、つまり年間予算の60%の活動資金を失います。総人口3,000万人のうち、約12%がエイズと共に生きる人々だと考えられるモザンビークでは、HIVとの闘いにおいてこの資金がなくなれば深刻な影響を与えると予想されます。 IPPF加盟協会、IPPFモザンビーク(AMODEFA)が国内で提供するヘルスサービスは、多くの人々の命に関わっています。しかし米国政府によるグローバル・ギャグ・ルールの実施で、多くのヘルスサービスの存続が危ぶまれています。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策とも)は、中絶のカウンセリングと手術に関連した活動を行う団体が実施するすべての保健プログラムに対し、米国政府の援助金をすべて停止するという政策です。 AMODEFAは200万ドル、つまり年間予算の60%の活動資金を失います。総人口3,000万人のうち、約12%がエイズと共に生きる人々だと考えられるモザンビークでは、HIVとの闘いにおいてこの資金がなくなれば深刻な影響を与えると予想されます。

農村で行われるHIV検査
06 12月 2017

モザンビークのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスケアにグローバル・ギャグ・ルールが落とす大きな影

「私たちは『ムハニィッス』と呼ばれます」と話すのはアルベルティナ・マチャイエイエさんです。マチャイエイエさんはIPPFモザンビーク(AMODEFA)の看護師で、ムハニィッスとは、現地で使われるシャンガーン語の「救世主」を意味します。 マチャイエイエさんは19年間、アクティビストのチームを率いています。アクティビストたちはHIV陽性と診断されたボランティアで、チームは首都マプト郊外にある、最も貧しい人々の住むコミュニティに行きます。HIVと共に生きる人たちに必要な医療ケアを届け、AIDSに関する啓発をするためです。2017年には、検診、治療、食料配布、カウンセリングなどの活動を、1千世帯を超えるHIVと共に生きる人々に提供しました。 しかし、訪問活動など、人々にとって欠くことのできないAMODEFAのヘルスサービスが、グローバル・ギャグ・ルールの導入によって続けられなくなる恐れがあります。メキシコシティ政策として知られるグローバル・ギャグ・ルールによって、保健プログラムに拠出されていた米国政府の援助が、中絶に関連した活動を行う団体には一切、提供されなくなるからです。 実施されれば、AMODEFAの予算の60%にあたる200万ドルの拠出がなくなり、モザンビークにおけるHIVとの闘いに対して計り知れないほどの影響を及ぼすことでしょう。人口3,000万人ほどのモザンビークでは、推定で12%近くがHIV陽性だと言われています。「HIV、結核(TB)、マラリア、家族計画関連のプロジェクトに参加していた50万人ほどの利用者に影響があると推定されます」とAMODEFAのサントス・シミオーネ事務局長は、マプトの本部で話します。     マチャイエイエさんのチームではボランティアの数を、60人から半減させなければなりませんでした。何人かのボランティアは訪問活動を続けるそうですが、交通費が出ない状況では、必要な治療やカウンセリングを受けられない利用者が増えるだろうとマチャイエイエさんは言います。 パルミラ・エノーク・テンベさんのような女性にとっては、訪問活動がまさにライフラインとなっています。テンベさんと同居する2人の息子はHIV陽性で、さらに4人の孫がいます。テンベさんは自身がHIV陽性だとわかった時、恐怖のあまり何も考えられなくなったと言います。「何もしたいとも思えず、部屋で座って泣くことしかできませんでした」。しかし、AMODEFAから抗レトロウイルス薬を使った治療とカウンセリングを受けたことで、元気を取り戻せた と言います。自給自足のための農業を再開し「将来の計画を立てています。病気だとわかってもすぐに死ぬわけではないから」と前向きになりました。 モザンビーク南部の3省に点在する20カ所のAMODEFA運営のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・クリニックのうち、14カ所は2017年10月末までに閉鎖を余儀なくされます。各クリニックで看護師たちが1日に対応する患者は300人前後です。ほとんどが少女からの家族計画についての相談ですが、HIVなど性感染症の検査とカウンセリングを求める人々も多くいます。 「このようなサービスセンターを除けば、若者たちが情報を得る場所はありません」と話すのは、クリニックのトゥア・セナ・プログラムの責任者、ナリア・チャンバルさんです。クリニックの閉鎖により「望まない妊娠、早婚と児童婚、HIVその他の性感染症の感染の増加が起こる」と予想します。若いうちから学校に通えなくなる少女たちが増え、安全でない中絶も増える恐れがあります。 AMODEFAはモザンビーク保健省と緊密に連携し、AMODEFAが提供する家族計画、HIV、結核、マラリアの各プログラムが、政府の保健サービスをそれぞれ補完し、支援するよう調整しています。「AMODEFAの活動がストップしたら、政府の医療機関に大きな負担となります」とシミオーネ事務局長。「全国的に困難な状況になるでしょう」。 影響が甚大なのは最も貧しく、脆弱なコミュニティに住む人々です。モザンビークで最も大きく、貧困率も高いナンプラ省の農村地帯の住民を対象にしたAMODEFAの「チャレンジTB」プログラムが存続の危機にあります。1年ほど続いた同プログラムでは、一番近いクリニックが自宅の80キロ先にあるような結核患者の所までスタッフが足を延ばし、診断と治療をしてきました。 ボランティアとスタッフが自転車とバイクで駆け回り、遠隔地のコミュニティで結核の啓発と検査を続けることで感染の実態が見えてきました。AMODEFAが活動する8つの地区で結核の検査を実施したところ、2017年1-3月で1,318人、4-6月で2,106人、7-9月で3,154人まで受診者が増えました。検査を受けた人の半数以上は結核と診断されています。 「これだけでも大きな成果ですが、まだやることが山積しています」と話すのはプロジェクトのモニタリングと評価の責任者、マリア・テレーサ・ド・ファティマさんです。新規の結核感染者は今後2年間は増え、そこから減少していくとファティマさんは考えます。 特にリスクが高いのは、現在、抗結核薬を服用している2,000人ほどの患者です。抗結核薬は、6カ月間、毎日薬を飲み続けなければなりません。身近に薬を出してくれるクリニックがなくなってしまい、服用を中断すると体内で薬の効かない耐性菌ができる可能性があります。耐性菌の根治はさらに難しくなります。新規の患者が5人、治療を始めたばかりのナハとモルプラ地区で働くボランティアのマリオ・ヴィランクさんが言います。「(利用者たちは)AMODEFAに強い信頼があります。10人が治るのを見たので、今は深く信用されています」。 このような信頼関係が最初から築けていたわけではありません。マチャイエイエさんがマプトで HIV家庭訪問プログラムを始めた当初は、車を目立たないように停め、AMODEFAの人間だとわからないように利用者のコミュニティに行かなければなりませんでした。「人々はHIVを恐れていましたから、私の訪問も恐れられたのです」。 モザンビークの人々の態度が変わり、タブーが破られるまでには19年もかかりました。人々がやっと恐れの代わりに希望を抱き始めた矢先に、AMODEFAの活動と人々の命がグローバル・ギャグ・ルールの影に脅かされようとしています。 AMODEFAのたゆみない活動について知りたい方はこちら

Associação Moçambicana para Desenvolvimento da Família

The Associação Moçambicana para Desenvolvimento da Família (AMODEFA) was formed in 1989. Like most IPPF Member Associations, the organization’s initial focus was family planning, but over the years it has diversified to cover a wider range of sexual and reproductive health (SHR) requirements including emergency obstetrics care, antenatal and post-natal care, and services dedicated to the prevention, treatment and management of HIV and AIDS.

As high HIV prevalence rates show, there is a desperate need for sustained efforts on this front. AMODEFA has responded to the HIV and AIDS challenges with a community clinic-based approach, linked with home-based care. With private sector sites, mobile and community-based service points the Member Association raises awareness of and tackles HIV and AIDS stigma and discrimination, and provides referrals. 

The AMODEFA staff, who are backed by hundreds of volunteers, a youth action movement, peer educators and community-based distributors (CBDs).

In its advocacy role, AMODEFA has been providing advice and pressuring the Ministry of Health Youth and Sport, the Ministry of Education, and the Ministry of Women and Social Action to adopt supportive national legislation and practice, particularly with regard to adolescents and youth.

The Member Association works with non-governmental organizations, such as the National HIV and AIDS Council, and with private sector operations such as Enterprises Against HIV and AIDS.

AMODEFA’s donors include UNFPA, WHO and the Africa Sweden Group, and the organization is a member of networks including the Network for Organizations Working on HIV and AIDS (MONASO), the National HIV and AIDS Council, and the International Baby Food Action Network (IPFAN).