- - -

スーダン

Articles by スーダン

ippf_humanitarian_tigray_crisis_sudan_2022_89669_ippf_hannah_maule-ffinch_sudan_ippf

日本政府、IPPFによる世界の自然災害や紛争で被災した女性と女児の支援活動のため、190万ドルの資金提供

アフガニスタン、パレスチナ、スーダン、ウクライナ、イエメンの5カ国のIPPF加盟協会は、日本政府の支援により、自然災害や紛争の影響を受けた地域に、必須の性と生殖に関する健康(SRH)サービスを提供します。 5カ国のIPPF加盟協会は、以下の支援を行います。 アフガニスタンの過疎の6つの州や洪水の被害を受けた地域において、女性と女児、周縁化されたコミュニティに、SRHおよび母子保健サービスを提供 パレスチナで激化する暴力の影響を受けている地域に、緊急のSRHサービスを提供 スーダンの国内避難民の多い3つの州における女性と女児のSRHに関連した疾病率・死亡率を下げるため、サービスへのアクセスとコミュニティの持続可能性を改善 ウクライナのカホフカ水力発電所のダム破壊の影響を受けた人々のため、紛争地域の保健施設を復興し、妊産婦保健サービスへのアクセスを提供 イエメンの国内避難民と地域社会に、重要なSRH・妊産婦保健サービスを提供 日本政府によるこの重要な資金提供は、望まない妊娠、死産や自身の死亡、生殖系の疾患の問題を解決し、女性が尊厳をもって生きるために必要不可欠であるにもかかわらず、アクセスのないSRHRサービスをIPPFが提供することを実現するものです。この資金により、コミュニティにおいて必要かつ質の高いSRHと母子保健サービスを提供します。レイプに関する臨床管理を含むジェンダーに基づく暴力(SGBV)の被害者となることを予防・ケアします。質の高い産科新生児ケアを施すスキルを備えた地域の助産師を育成します。女性と女児の健康に関するニーズと優先事項の対応に必要な情報を収集するためのシステム環境を強化することができます。 IPPF事務局長のアルバロ・ベルメホは、「世界中の危機的状況に巻き込まれた女性と女児を支援するIPPFの活動にご協力いただいた日本政府の比類なき雅量に心より感謝申し上げます。このご厚意により、IPPFと加盟協会は、人道支援を切実に必要とする人々が増加する中、重要なライフラインを提供することができます」と述べました。 IPPFは2024年12月末までに、5カ国の加盟協会を通じて、少なくとも合計23万9,000人に保健サービスや情報を提供することを目指します。 詳細については、IPPF本部、谷口百合([email protected])までご連絡ください。 写真提供: IPPF/Hannah Maule-ffinch/スーダン  

SPRINT
26 April 2022

SPRINT:危機下・後のセクシュアル・リプロダクティブヘルス

IPPFのSPRINTは、危機下やその後に、救命必須セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスサービスを人々が確実に受けられるようにするためのイニシアティブです。 オーストラリア政府の外務通商省(DFAT)による資金援助により、SPRINTイニシアティブは、セクシュアル・リプロダクティブヘルスを人道支援に持ち込み、地域の緊急対応能力を育成しています。

Leaving no one behind
04 December 2018

誰一人取り残さない:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

すべての人のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)へのユニバーサル・アクセスがユニバーサル・ヘルス・カバレッジの、ひいては持続可能な開発目標(SDGs)の実現に必須です。すべての女性、男性、子ども、思春期の青少年の精神的、身体的な健康を守り、誰も差別を受けることなくSRHRが実現される世界こそ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジが目指すべきものです。SRHRサービスを求める人々が直面する障害を取り除き、支払い可能な金額で、通える範囲で、質の高い、適切なサービスが提供されなければなりません。 『誰一人取り残さない:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(Leaving no one behind - Universal health coverage and sexual and reproductive health and rights)』と題されたこの小冊子は、IPPFによる文献レビューによって明確になった事実をまとめています。結論では、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス(SRH)への公的支出が足りていないことが指摘されています。中でも、貧困家庭において医療費の自己負担が多く、経済的困窮を招いている例、ジェンダーに基づく暴力への対応といった、命にかかわるSRHサービスが必須ヘルスケアパッケージに含まれていない例、保健施設の運営状態が悪く、脆弱で周縁化されたコミュニティを支援できていない例など、具体的な例が挙げられています。 IPPFの最新の報告を、ぜひご一読ください。

スーダンのキャンプで活動するIPPFスタッフ
23 11月 2016

私たちのフレンズの小さな援助で:南ダルフール、ニアラキャンプでのレジリエンスとサバイバル

南ダルフールのニアラは、無法地帯で危険の警告を知らせる赤旗が立っている不安定な地域です。 しかし、ニアラキャンプには、あまり表立って語られていない話があります。それは立ち直る力(レジリエンス)と希望の話です。住むところを失くし、キャンプに囲まれ生活する人たちの中には、平和への希望を失わず、法と秩序が戻ってくると信じる人々がいます。あるコミュニティーのリーダーは「私たちの生活はまるで死んだも同然だ。こんな生活なら死んだほうがましだ。ここには何もない。何も手に入らない」と絶望的になり、母親がHIVに感染しているある若い男性は「キャンプの中でも僕たちは極貧で、母は病気で、父は一年前に死んだ。できるなら病気の母を助けたいけれど、マーケットに行っても仕事はほとんどない」と言います。こんな時、「フレンズ」は支援の手を差し伸べ、一時的な絶望感を少しでも軽減する手助けをしています。 他の人々が去った後に残留する「フレンズ」:IPPFスーダン(SFPA)とIPPF日本信託基金 IPPFスーダン(SFPA)は、ニアラの最前線で活動し、国内避難民の女性や若者たちと協力して生活改善に努めています。IPPFアラブ地域に属すIPPFスーダン(SFPA)は、「IPPF・HIV/リプロダクティブ・ヘルス信託基金(日本信託基金、JTF)」の支援を得て、HIVと共に生きる女性のために、自発的抗体検査(VCT)を行なったり、健康や栄養についての情報や抗レトロウイルス薬(ARV)を提供し、その子供たちやパートナーと協力しながら、統合的なセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供しています。 日本政府は過去47年間IPPFへの支援を行っており、今なお主要ドナーです。IPPFが人道支援の最前線で活動できるのは、JTFを通じ、このパートナーシップが益々強化されているお陰です。また、IPPFスーダン(SFPA)がスーダン政府の人道支援委員会において主要団体として活動できるのも、この支援によるものです。2016年にIPPFスーダン(SFPA)は、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/HIVに関する啓発のため、ゲダレフ、メダニ、ニアラ在住の13,746人の人々に171のメッセージを提供しました。 パートナーシップ:満たされないニーズのための基礎 IPPFスーダン(SFPA)は数々の鍵となるパートナーと積極的に活動しています。例えば、子どもの保護や研修に関してはユニセフ(UNICEF)と、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)に関する啓発活動やアドボカシー(政策提言)では国連人口基金(UNFPA)と、サービスへのアクセスや、社会的汚名(スティグマ)や差別を軽減するための自信育成については「スーダン・エイズ・ネットワーク(SAN)」と協力して活動を行なっています。IPPFスーダン(SFPA)は州保健省とも協力して、サービスの提供やSRHR推進のためのアドボカシーを先導して行なっています。私たちの訪問時に行なわれた州保健省との会議でも、IPPFスーダン(SFPA)は「HIVの母子感染根絶(EMTCT)の支援を保証し、妊産婦の健康の向上を阻む障壁を取り除く」との当事者間のコミットメントを確認できました。 週2回の移動診療を通じて、768人の女性が2,688回のHIV/SRH関連の統合サービスを受けました。私たちは常設クリニックに、息子(ハッサン:仮名、21歳)と娘(アミーナ:仮名、16歳)に連れられてやって来た55歳の未亡人ハワ(仮名)さんと会いました。ハワさんは長い間具合が悪く、最近HIVの診断を受けました。彼女は、話を聞いてほしくて私たちに会いに来たのですが、衰弱のあまり話すことも質問に答えることもできず、遠くを見つめていました。彼女の子どもたちは、拒絶され孤立した経験を話しました。彼らの言葉を借りれば、「他の誰よりも貧困に苦しむ人々」の話です。娘は「私たちの父は去年亡くなり、母は病気です。母の面倒を見たいのですが、母の具合が悪いときには仕事ができません。私は誰とも話をすることなく生活し、家から一歩も出ていません。私に話しかける人は誰もいません」と家族の話をしながら母親を見て涙を流していました。 今日クリニックに来ている3人家族は、IPPFスーダン(SFPA)のスタッフが移動診療で出会い、ニアラセンターに行くようにつないだのです。その家族は、IPPFスーダン(SFPA)がなければ、「ムスリム・ザカート・チャリティー」について知ることはなかったと言います。「ムスリム・ザカート」は、これからこの家族に食糧支援や自信の回復、孤立感の軽減などの支援を行なうことになります。IPPFスーダン(SFPA)のフレンズは、キャンプにいる人々に寄り添い、明日に立ち向かうことを助けています。IPPFスーダン(SFPA)は人々と必要とする保健医療サービスとをつなぐ架け橋なのです。IPPFスーダン(SFPA)を通じ、ハワさんとその家族のような貧困な人々が健康保険証を受け取ることもできます。  逆境の中での愛と希望 私たちが行なった全ての話合いや会議から、この地域でIPPFスーダン(SFPA)とその他の団体との協力はとてもうまくいっていることがわかりました。キャンプで自分と同様な境遇に置かれた人々に教育を行い、IPPFスーダン(SFPA)と密接なパートナーシップを築いている「スーダン・エイズ・ネットワーク(SAN)」のメンバーたちは、「出会いの場があり、経験を共有する場があることを嬉しく思います。ここにはまだ社会的汚名(スティグマ)や差別が存在していますが、団結して強く立ち向かっています。中にはここで結婚した人もいます。私たちと結婚するような人は他にはいませんが、別に構いません。他の人が私たちのことを何と言おうと私たちは気にしません。IPPFスーダン(SFPA)がムスリム・ザカートを紹介してくれ、健康保険証を提供してくれたことに私たちは感謝しています。SFPAがなければ本当に大変だったと思います」と言っていました。 前進するために:サカリとオターシュからの声 オターシュで私たちは男女のキャンプリーダーたちと会いました。彼らは私たちを友人と思っています。IPPFスーダン(SFPA) がSRH サービスを提供したり、UNICEFが子どもの保護の訓練を行なったり、妊婦や子どもたちに栄養パッケージを供給している間、アフリカ連合・国連合同ミッション(UNAMID)もここサカリにいます。リーダーたちは、しばしば生死の境を分かつことになるサービスに対し感謝の意を表しています。彼らの多くが過去12年間ここに住んでいて、私たちの後をついて回る子どもたちにとっては、キャンプ以外に住んだことのある家はないのです。リーダーたちは、「週2回の移動診療を有難く思います。でも妊娠合併症が起こると、生きるか死ぬかの問題で、移動診療車が次にやって来るまで待つことはできません。ワディス(雨季にある洪水)の時期になると、移動診療車は私たちの元にたどり着けないので、事態は悪化します。常設クリニックがこのキャンプにあれば、妊娠合併症の妊婦を助けるのにとても役に立ちます。それにここ(サカリ)には助産師がいません。ここにいる私たちの多くは、助産師になる訓練を受ければ、分娩を助けることができ、医療機関がないために起きる問題を少しでも防ぐことができます」と妊婦が直面している重要な課題について話しにやって来ました。 私たちがキャンプを離れるとき、真っ先に私たちの心をよぎったのは、私たちが出会った二人の若者です。ハッサンの願いは、母親と妹をサポートする手立てがほしいということです。毎日、町の近くのマーケットに行っても仕事はありません。「ロバがいれば、仕事をすることができ、母やキャンプにいる人たちを助けることができるんだけど」と言います。彼の妹の涙や、献身的に母の世話をする彼女のことを思い起こすと、拡大する若者コミュニティーのエンパワメントに向けてIPPFスーダン(SFPA)と協力するために、学校に通い勉学を継続できるようになるために、生計を立てる機会を得るために、家族の面倒を見ることを強いられている子どもたちに安堵をもたらすために、私たちは、彼らの話を何としてでもあらゆる場所のフレンズに伝えていかなければなりません。少年少女が、暴力のない幸せで健康な関係を築くことができるように、ジェンダー/セクシュアリティ教育を提供できるパートナーたちは、彼らが平和への道を前進するための手助けをしています。 更にフレンズは、IPPFスーダン(SFPA)と協力し、性やジェンダーに基づく暴力に関する証拠を積み重ねる手助けをしています。キャンプの若者の多くは孤児で、多くの家庭は女性が家長です。子どもたちが若年で結婚を強いられているというケースを多く耳にしています。私たちが出会った妊婦の多くは思春期の少女です。暴力が起こる前の防止や、いったん暴力が確認された後の対応には、まだ多くがなされる必要があります。あるキャンプリーダーは、「この問題は信頼関係が築かれており、調査員が私たちの知っている人たちであれば、取り組めます」と言います。 医薬品や避妊具の不足や在庫切れを防ぎ、即座にタイミングよく支給するために、IPPFスーダン(SFPA)やSANのアドボカシー活動を支援する必要があります。 IPPF日本信託基金により、IPPFスーダン(SFPA)はニアラの国内避難民たちに大きな変化をもたらしました。IPPFスーダン(SFPA)は他の人々が去った後もそこに残留し、他の人が行こうとしないところに行くことで、今後もIPPFと友人でいることを行動で示し続けます。女性、子ども、そして彼らのパートナーが、いつか訪れる平和な未来への希望を再び持てるようになることを支援します。 文章:サミア・アダダ、ウサマ・アズリ、ナガト・アル・ハディ、セリ・ウェンドウ    

Sudan Family Planning Association

The Sudan Family Planning Association (SFPA) was established in 1965 by pioneers in obstetrics and gynaecology in response to increases in maternal, neonatal and infant mortality and morbidity. As the statistics show, Sudan is a country in great need of frontline sexual and reproductive health (SRH) services. Advocacy, and undertaking information, education and communication (IEC) programmes are critical.

The organization has a strong team of health personnel and professional staff that operate 389 service points. These diverse outlets and outreach services are designed to secure the greatest possible access, particularly for vulnerable groups. Outlets include 11 permanent clinics and 4 mobile units, and the organization works in conjunction with 62 associated operations, 60 private physicians, and over 90 other agencies. 158 community-based distributors/community-based services (CBDs/CBSs) provide the essential platform of on-the-ground support which enables SFPA to meet an estimated 64% of the country’s current demand for contraceptive pills.

A major priority for SFPA is improving the status of women and enhancing their understanding of their rights. The organization allies SRH closely with development initiatives for women. Economic independence, or the capacity to make a significant contribution to a family’s income, empowers women, and with economic empowerment comes the potential for greater control over reproductive health and family planning.

In Sudan (particularly in rural areas) harmful practices such as female genital mutilation are widespread. SFPA is vigorous in combating FGM.

SFPA has played a key role in the design, testing and implementation of the HIV and AIDS Stigma Index, and has undertaken critical work in HIV prevention initiatives amongst at-risk groups. It’s a founder member of the Sudan AIDS Network (SAN). It’s highly active as a technical adviser to the government on population policy, and it advocates strenuously for financial and political support for sexual and reproductive health and rights (SRHR).

 

 

ippf_humanitarian_tigray_crisis_sudan_2022_89669_ippf_hannah_maule-ffinch_sudan_ippf

日本政府、IPPFによる世界の自然災害や紛争で被災した女性と女児の支援活動のため、190万ドルの資金提供

アフガニスタン、パレスチナ、スーダン、ウクライナ、イエメンの5カ国のIPPF加盟協会は、日本政府の支援により、自然災害や紛争の影響を受けた地域に、必須の性と生殖に関する健康(SRH)サービスを提供します。 5カ国のIPPF加盟協会は、以下の支援を行います。 アフガニスタンの過疎の6つの州や洪水の被害を受けた地域において、女性と女児、周縁化されたコミュニティに、SRHおよび母子保健サービスを提供 パレスチナで激化する暴力の影響を受けている地域に、緊急のSRHサービスを提供 スーダンの国内避難民の多い3つの州における女性と女児のSRHに関連した疾病率・死亡率を下げるため、サービスへのアクセスとコミュニティの持続可能性を改善 ウクライナのカホフカ水力発電所のダム破壊の影響を受けた人々のため、紛争地域の保健施設を復興し、妊産婦保健サービスへのアクセスを提供 イエメンの国内避難民と地域社会に、重要なSRH・妊産婦保健サービスを提供 日本政府によるこの重要な資金提供は、望まない妊娠、死産や自身の死亡、生殖系の疾患の問題を解決し、女性が尊厳をもって生きるために必要不可欠であるにもかかわらず、アクセスのないSRHRサービスをIPPFが提供することを実現するものです。この資金により、コミュニティにおいて必要かつ質の高いSRHと母子保健サービスを提供します。レイプに関する臨床管理を含むジェンダーに基づく暴力(SGBV)の被害者となることを予防・ケアします。質の高い産科新生児ケアを施すスキルを備えた地域の助産師を育成します。女性と女児の健康に関するニーズと優先事項の対応に必要な情報を収集するためのシステム環境を強化することができます。 IPPF事務局長のアルバロ・ベルメホは、「世界中の危機的状況に巻き込まれた女性と女児を支援するIPPFの活動にご協力いただいた日本政府の比類なき雅量に心より感謝申し上げます。このご厚意により、IPPFと加盟協会は、人道支援を切実に必要とする人々が増加する中、重要なライフラインを提供することができます」と述べました。 IPPFは2024年12月末までに、5カ国の加盟協会を通じて、少なくとも合計23万9,000人に保健サービスや情報を提供することを目指します。 詳細については、IPPF本部、谷口百合([email protected])までご連絡ください。 写真提供: IPPF/Hannah Maule-ffinch/スーダン  

SPRINT
26 April 2022

SPRINT:危機下・後のセクシュアル・リプロダクティブヘルス

IPPFのSPRINTは、危機下やその後に、救命必須セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスサービスを人々が確実に受けられるようにするためのイニシアティブです。 オーストラリア政府の外務通商省(DFAT)による資金援助により、SPRINTイニシアティブは、セクシュアル・リプロダクティブヘルスを人道支援に持ち込み、地域の緊急対応能力を育成しています。

Leaving no one behind
04 December 2018

誰一人取り残さない:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

すべての人のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)へのユニバーサル・アクセスがユニバーサル・ヘルス・カバレッジの、ひいては持続可能な開発目標(SDGs)の実現に必須です。すべての女性、男性、子ども、思春期の青少年の精神的、身体的な健康を守り、誰も差別を受けることなくSRHRが実現される世界こそ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジが目指すべきものです。SRHRサービスを求める人々が直面する障害を取り除き、支払い可能な金額で、通える範囲で、質の高い、適切なサービスが提供されなければなりません。 『誰一人取り残さない:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(Leaving no one behind - Universal health coverage and sexual and reproductive health and rights)』と題されたこの小冊子は、IPPFによる文献レビューによって明確になった事実をまとめています。結論では、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス(SRH)への公的支出が足りていないことが指摘されています。中でも、貧困家庭において医療費の自己負担が多く、経済的困窮を招いている例、ジェンダーに基づく暴力への対応といった、命にかかわるSRHサービスが必須ヘルスケアパッケージに含まれていない例、保健施設の運営状態が悪く、脆弱で周縁化されたコミュニティを支援できていない例など、具体的な例が挙げられています。 IPPFの最新の報告を、ぜひご一読ください。

スーダンのキャンプで活動するIPPFスタッフ
23 11月 2016

私たちのフレンズの小さな援助で:南ダルフール、ニアラキャンプでのレジリエンスとサバイバル

南ダルフールのニアラは、無法地帯で危険の警告を知らせる赤旗が立っている不安定な地域です。 しかし、ニアラキャンプには、あまり表立って語られていない話があります。それは立ち直る力(レジリエンス)と希望の話です。住むところを失くし、キャンプに囲まれ生活する人たちの中には、平和への希望を失わず、法と秩序が戻ってくると信じる人々がいます。あるコミュニティーのリーダーは「私たちの生活はまるで死んだも同然だ。こんな生活なら死んだほうがましだ。ここには何もない。何も手に入らない」と絶望的になり、母親がHIVに感染しているある若い男性は「キャンプの中でも僕たちは極貧で、母は病気で、父は一年前に死んだ。できるなら病気の母を助けたいけれど、マーケットに行っても仕事はほとんどない」と言います。こんな時、「フレンズ」は支援の手を差し伸べ、一時的な絶望感を少しでも軽減する手助けをしています。 他の人々が去った後に残留する「フレンズ」:IPPFスーダン(SFPA)とIPPF日本信託基金 IPPFスーダン(SFPA)は、ニアラの最前線で活動し、国内避難民の女性や若者たちと協力して生活改善に努めています。IPPFアラブ地域に属すIPPFスーダン(SFPA)は、「IPPF・HIV/リプロダクティブ・ヘルス信託基金(日本信託基金、JTF)」の支援を得て、HIVと共に生きる女性のために、自発的抗体検査(VCT)を行なったり、健康や栄養についての情報や抗レトロウイルス薬(ARV)を提供し、その子供たちやパートナーと協力しながら、統合的なセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供しています。 日本政府は過去47年間IPPFへの支援を行っており、今なお主要ドナーです。IPPFが人道支援の最前線で活動できるのは、JTFを通じ、このパートナーシップが益々強化されているお陰です。また、IPPFスーダン(SFPA)がスーダン政府の人道支援委員会において主要団体として活動できるのも、この支援によるものです。2016年にIPPFスーダン(SFPA)は、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/HIVに関する啓発のため、ゲダレフ、メダニ、ニアラ在住の13,746人の人々に171のメッセージを提供しました。 パートナーシップ:満たされないニーズのための基礎 IPPFスーダン(SFPA)は数々の鍵となるパートナーと積極的に活動しています。例えば、子どもの保護や研修に関してはユニセフ(UNICEF)と、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)に関する啓発活動やアドボカシー(政策提言)では国連人口基金(UNFPA)と、サービスへのアクセスや、社会的汚名(スティグマ)や差別を軽減するための自信育成については「スーダン・エイズ・ネットワーク(SAN)」と協力して活動を行なっています。IPPFスーダン(SFPA)は州保健省とも協力して、サービスの提供やSRHR推進のためのアドボカシーを先導して行なっています。私たちの訪問時に行なわれた州保健省との会議でも、IPPFスーダン(SFPA)は「HIVの母子感染根絶(EMTCT)の支援を保証し、妊産婦の健康の向上を阻む障壁を取り除く」との当事者間のコミットメントを確認できました。 週2回の移動診療を通じて、768人の女性が2,688回のHIV/SRH関連の統合サービスを受けました。私たちは常設クリニックに、息子(ハッサン:仮名、21歳)と娘(アミーナ:仮名、16歳)に連れられてやって来た55歳の未亡人ハワ(仮名)さんと会いました。ハワさんは長い間具合が悪く、最近HIVの診断を受けました。彼女は、話を聞いてほしくて私たちに会いに来たのですが、衰弱のあまり話すことも質問に答えることもできず、遠くを見つめていました。彼女の子どもたちは、拒絶され孤立した経験を話しました。彼らの言葉を借りれば、「他の誰よりも貧困に苦しむ人々」の話です。娘は「私たちの父は去年亡くなり、母は病気です。母の面倒を見たいのですが、母の具合が悪いときには仕事ができません。私は誰とも話をすることなく生活し、家から一歩も出ていません。私に話しかける人は誰もいません」と家族の話をしながら母親を見て涙を流していました。 今日クリニックに来ている3人家族は、IPPFスーダン(SFPA)のスタッフが移動診療で出会い、ニアラセンターに行くようにつないだのです。その家族は、IPPFスーダン(SFPA)がなければ、「ムスリム・ザカート・チャリティー」について知ることはなかったと言います。「ムスリム・ザカート」は、これからこの家族に食糧支援や自信の回復、孤立感の軽減などの支援を行なうことになります。IPPFスーダン(SFPA)のフレンズは、キャンプにいる人々に寄り添い、明日に立ち向かうことを助けています。IPPFスーダン(SFPA)は人々と必要とする保健医療サービスとをつなぐ架け橋なのです。IPPFスーダン(SFPA)を通じ、ハワさんとその家族のような貧困な人々が健康保険証を受け取ることもできます。  逆境の中での愛と希望 私たちが行なった全ての話合いや会議から、この地域でIPPFスーダン(SFPA)とその他の団体との協力はとてもうまくいっていることがわかりました。キャンプで自分と同様な境遇に置かれた人々に教育を行い、IPPFスーダン(SFPA)と密接なパートナーシップを築いている「スーダン・エイズ・ネットワーク(SAN)」のメンバーたちは、「出会いの場があり、経験を共有する場があることを嬉しく思います。ここにはまだ社会的汚名(スティグマ)や差別が存在していますが、団結して強く立ち向かっています。中にはここで結婚した人もいます。私たちと結婚するような人は他にはいませんが、別に構いません。他の人が私たちのことを何と言おうと私たちは気にしません。IPPFスーダン(SFPA)がムスリム・ザカートを紹介してくれ、健康保険証を提供してくれたことに私たちは感謝しています。SFPAがなければ本当に大変だったと思います」と言っていました。 前進するために:サカリとオターシュからの声 オターシュで私たちは男女のキャンプリーダーたちと会いました。彼らは私たちを友人と思っています。IPPFスーダン(SFPA) がSRH サービスを提供したり、UNICEFが子どもの保護の訓練を行なったり、妊婦や子どもたちに栄養パッケージを供給している間、アフリカ連合・国連合同ミッション(UNAMID)もここサカリにいます。リーダーたちは、しばしば生死の境を分かつことになるサービスに対し感謝の意を表しています。彼らの多くが過去12年間ここに住んでいて、私たちの後をついて回る子どもたちにとっては、キャンプ以外に住んだことのある家はないのです。リーダーたちは、「週2回の移動診療を有難く思います。でも妊娠合併症が起こると、生きるか死ぬかの問題で、移動診療車が次にやって来るまで待つことはできません。ワディス(雨季にある洪水)の時期になると、移動診療車は私たちの元にたどり着けないので、事態は悪化します。常設クリニックがこのキャンプにあれば、妊娠合併症の妊婦を助けるのにとても役に立ちます。それにここ(サカリ)には助産師がいません。ここにいる私たちの多くは、助産師になる訓練を受ければ、分娩を助けることができ、医療機関がないために起きる問題を少しでも防ぐことができます」と妊婦が直面している重要な課題について話しにやって来ました。 私たちがキャンプを離れるとき、真っ先に私たちの心をよぎったのは、私たちが出会った二人の若者です。ハッサンの願いは、母親と妹をサポートする手立てがほしいということです。毎日、町の近くのマーケットに行っても仕事はありません。「ロバがいれば、仕事をすることができ、母やキャンプにいる人たちを助けることができるんだけど」と言います。彼の妹の涙や、献身的に母の世話をする彼女のことを思い起こすと、拡大する若者コミュニティーのエンパワメントに向けてIPPFスーダン(SFPA)と協力するために、学校に通い勉学を継続できるようになるために、生計を立てる機会を得るために、家族の面倒を見ることを強いられている子どもたちに安堵をもたらすために、私たちは、彼らの話を何としてでもあらゆる場所のフレンズに伝えていかなければなりません。少年少女が、暴力のない幸せで健康な関係を築くことができるように、ジェンダー/セクシュアリティ教育を提供できるパートナーたちは、彼らが平和への道を前進するための手助けをしています。 更にフレンズは、IPPFスーダン(SFPA)と協力し、性やジェンダーに基づく暴力に関する証拠を積み重ねる手助けをしています。キャンプの若者の多くは孤児で、多くの家庭は女性が家長です。子どもたちが若年で結婚を強いられているというケースを多く耳にしています。私たちが出会った妊婦の多くは思春期の少女です。暴力が起こる前の防止や、いったん暴力が確認された後の対応には、まだ多くがなされる必要があります。あるキャンプリーダーは、「この問題は信頼関係が築かれており、調査員が私たちの知っている人たちであれば、取り組めます」と言います。 医薬品や避妊具の不足や在庫切れを防ぎ、即座にタイミングよく支給するために、IPPFスーダン(SFPA)やSANのアドボカシー活動を支援する必要があります。 IPPF日本信託基金により、IPPFスーダン(SFPA)はニアラの国内避難民たちに大きな変化をもたらしました。IPPFスーダン(SFPA)は他の人々が去った後もそこに残留し、他の人が行こうとしないところに行くことで、今後もIPPFと友人でいることを行動で示し続けます。女性、子ども、そして彼らのパートナーが、いつか訪れる平和な未来への希望を再び持てるようになることを支援します。 文章:サミア・アダダ、ウサマ・アズリ、ナガト・アル・ハディ、セリ・ウェンドウ    

Sudan Family Planning Association

The Sudan Family Planning Association (SFPA) was established in 1965 by pioneers in obstetrics and gynaecology in response to increases in maternal, neonatal and infant mortality and morbidity. As the statistics show, Sudan is a country in great need of frontline sexual and reproductive health (SRH) services. Advocacy, and undertaking information, education and communication (IEC) programmes are critical.

The organization has a strong team of health personnel and professional staff that operate 389 service points. These diverse outlets and outreach services are designed to secure the greatest possible access, particularly for vulnerable groups. Outlets include 11 permanent clinics and 4 mobile units, and the organization works in conjunction with 62 associated operations, 60 private physicians, and over 90 other agencies. 158 community-based distributors/community-based services (CBDs/CBSs) provide the essential platform of on-the-ground support which enables SFPA to meet an estimated 64% of the country’s current demand for contraceptive pills.

A major priority for SFPA is improving the status of women and enhancing their understanding of their rights. The organization allies SRH closely with development initiatives for women. Economic independence, or the capacity to make a significant contribution to a family’s income, empowers women, and with economic empowerment comes the potential for greater control over reproductive health and family planning.

In Sudan (particularly in rural areas) harmful practices such as female genital mutilation are widespread. SFPA is vigorous in combating FGM.

SFPA has played a key role in the design, testing and implementation of the HIV and AIDS Stigma Index, and has undertaken critical work in HIV prevention initiatives amongst at-risk groups. It’s a founder member of the Sudan AIDS Network (SAN). It’s highly active as a technical adviser to the government on population policy, and it advocates strenuously for financial and political support for sexual and reproductive health and rights (SRHR).