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A selection of stories from across the foundation and our partners

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ウクライナ

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ウクライナ侵攻から1年「私たちは戦時下の民ではなく、力強い、レジリエンスと独自の価値観を持つ人々です」

2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、IPPFはウクライナと周辺国のパートナー団体を支援し、戦地で暮らす人々へに必要なSRH情報とサービスを提供してきました。
Bans off our bodies (からだへの禁止をなくせ)と書かれたプラカードを持つ人たち
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| 01 July 2022

米最高裁がロー対ウェイド判決を覆す~女性の健康と権利に大打撃~

※この記事は翻訳です。英語はこちら   米国の最高裁は、1973年のロー対ウェイド判決を覆し、50年間、全米で連邦法の下に認められていた人工妊娠中絶の権利が保障されなくなりました。 これは、近年の米国史上で女性の健康と権利に対する最大の打撃です。全米で50年も憲法上、保障されていた中絶の権利がなくなったため、今後は各州で中絶が合法かどうか、その範囲を決めていきます。 ミシシッピ、オクラホマ、テキサス、ジョージアなど26州では「トリガー法」を発動しようとしています。最高裁の決定を受けてトリガー法が成立すれば、これらの州では中絶が禁止されるか、厳格に制限され、全米で4,000万人いる生殖可能年齢の女性と少女たちがクリニックで中絶できなくなると言われます。影響は、特に低所得層と有色人種に大きくのしかかります。 今後は中絶を提供する州と禁止する州がパッチワークのように並ぶことになります。安全で合法な中絶を受けるため州外に出る費用がない人と中絶薬を入手できない人たちは、安全でない、法規制の管理も受けない非合法な中絶を受けるしかなくなります。ケアの質は担保されず、アフターケアもなく、中絶を受けて問題が起きても、何の保証もありません。 今回、リプロダクティブ・ライツが破壊的に後退したきっかけは、ドッブズ対ジャクソン・ウィメンズ・ヘルス・オーガナイゼーションの判決 です。2018年、ミシシッピ州が15週を超える妊娠の中絶を禁止したことに対して、最高裁判事9名のうち6名がミシシッピ州法を支持しました。その中で、ロー対ウェイド判決は覆されましたが、4名の最高裁判事は反対でした。   国際家族計画連盟(IPPF)のDr アルバロ・ベルメホ事務局長のコメント   「米最高裁がロー対ウェイド判決を覆したことは、近年の米国史上で女性の健康と権利に対する最大の打撃です。そもそも中絶は、憲法上保障されるべき命を守る保健医療ケアです。今回の決定は許されざる暴挙です」 「このように女性のからだを攻撃し続け、出産までの妊娠継続を強制するのであれば、米国の最高裁は落ちる所まで落ちたと言わざるを得ません。米国の誇りの礎とも言える、何百万人もの人々の自律、自由、からだの自己決定権を奪うのですから」 「中絶を禁止しても中絶数は減らないことはデータから分かっています。中絶が禁止されると女性と妊娠している人たちの死亡が増えます。これは世界中で、もっとも最近はポーランドで起きました。合法で安全な中絶(中絶薬を含む)を受けられないなら、人々は非合法で安全でない中絶に頼るしかありません。そうなれば、心身に深刻な害が及ぶか、ひどければ死に至ることさえあります。この状態が今後、何十年も続くことになるのです」 「今回の動きは世界中に波及し、反中絶派、反女性派、反ジェンダー平等運動が活発化し、生殖に関する様々な自由が制限されるでしょう。米国の理想、過去の判例、そして法よりも個人の信条を優先した最高裁判事たちは、すぐに自分たちの手が血まみれになります。この残酷な裁定によって苦難を強いられる何百万もの人々を思い、私たちは絶望しています」 ロー対ウェイド判決が覆されたことは民主主義と、市民を代表し守るべきという最高裁の存在意義に真っ向から反します。アメリカ人の大多数(60%)はロー対ウェイド判決を支持していました。またアメリカ人の70%が、妊娠を終わらせることは、女性・妊娠している人と医師の決断によると考えていたからです。   エリザベス・シュラクターIPPFアドボカシー部長兼IPPF米国事務所長のコメント 「最高裁の決定は後退であるだけでなく、中絶ケアが提供されるべきだと考える多くのアメリカ人の意向とかけ離れています。中絶ケアを医療として必要な人に届ける流れが世界中で広がっているため、世界の流れにも反しています」 「全米で保障されていた憲法上の中絶の権利を否定し、それぞれの州に判断を任せたことで、多くの州では、エルサルバドル、ニカラグア、ポーランドと同等の、非常に制限された、極端で命を危険にさらすような中絶ケアしか提供できなくなります」 「これは米国内の反中絶運動だけの問題ではありません。反女性、反ジェンダー平等、反LGBTQI+を掲げる保守派、宗教グループ、白人至上主義者などが共謀して闇の資金と非民主的な手段を使い、人権としてのヘルスケア、平等、からだの自己決定権、そして究極には自由を人々から奪おうとするグローバルな動きです」 「長年、保障されてきた権利への攻撃が止まないため、IPPFは、民主主義と人々の自由がこれらの過激派に攻撃されたり、影響されたりしないよう、世界中の政府に呼びかけています」 加盟協会であるIPPF米国(PPFA)は今後も合法的に提供できる地域で、中絶薬のオンライン処方を含むSRHRサービスを必要とするすべての人々に提供し続けていきます。 IPPFとPPFAは米国と世界中の人々の権利を守るために協力し、24時間活動しています。女性と妊娠している人々が妊娠継続や出産を強制されないよう、過激派と正面から闘い続けます。 合法で安全でどこでも受けられる中絶を守りたいと思われた方は、ぜひIPPFかPPFAに寄付をしてください。 メディアからのお問合せ:カルメン・アイヴィー宛までお願いします。メールアドレス:[email protected] または [email protected]    国際家族計画連盟(IPPF)について 国際家族計画連盟(IPPF)は世界のすべての人のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進するために活動する世界最大級の国際NGOで、サービス提供と啓発を行っています。 過去70年にわたり、IPPFは123の加盟協会(MA)と23の連携パートナー団体を通じて質の高いセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)ケアを提供し、セクシュアル・ライツの推進を、特にインターセクショナルで多様なニーズを持ちながらケアを得られない人々に提供しています。MAとパートナー団体はそれぞれの地域に根ざした独立した組織で、ローカルなニーズに合う専門知識と状況に沿った支援とケアを提供しています。 IPPFは人々が自分の性の健康とからだについて必要な情報を得た上で選択ができるよう、SRHに関する情報を広く提供する世界を目指して啓発活動をしています。セクシュアル・リプロダクティブ・ライツの実現のために立ち上がり、闘うNGOであり、からだの自己決定権と自由という基本的人権を否定する動きに立ち向かいます。IPPFはいかなる状況においても、人権、尊重、尊厳に基づいたケアを提供します。

Bans off our bodies (からだへの禁止をなくせ)と書かれたプラカードを持つ人たち
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| 24 June 2022

米最高裁がロー対ウェイド判決を覆す~女性の健康と権利に大打撃~

※この記事は翻訳です。英語はこちら   米国の最高裁は、1973年のロー対ウェイド判決を覆し、50年間、全米で連邦法の下に認められていた人工妊娠中絶の権利が保障されなくなりました。 これは、近年の米国史上で女性の健康と権利に対する最大の打撃です。全米で50年も憲法上、保障されていた中絶の権利がなくなったため、今後は各州で中絶が合法かどうか、その範囲を決めていきます。 ミシシッピ、オクラホマ、テキサス、ジョージアなど26州では「トリガー法」を発動しようとしています。最高裁の決定を受けてトリガー法が成立すれば、これらの州では中絶が禁止されるか、厳格に制限され、全米で4,000万人いる生殖可能年齢の女性と少女たちがクリニックで中絶できなくなると言われます。影響は、特に低所得層と有色人種に大きくのしかかります。 今後は中絶を提供する州と禁止する州がパッチワークのように並ぶことになります。安全で合法な中絶を受けるため州外に出る費用がない人と中絶薬を入手できない人たちは、安全でない、法規制の管理も受けない非合法な中絶を受けるしかなくなります。ケアの質は担保されず、アフターケアもなく、中絶を受けて問題が起きても、何の保証もありません。 今回、リプロダクティブ・ライツが破壊的に後退したきっかけは、ドッブズ対ジャクソン・ウィメンズ・ヘルス・オーガナイゼーションの判決 です。2018年、ミシシッピ州が15週を超える妊娠の中絶を禁止したことに対して、最高裁判事9名のうち6名がミシシッピ州法を支持しました。その中で、ロー対ウェイド判決は覆されましたが、4名の最高裁判事は反対でした。   国際家族計画連盟(IPPF)のDr アルバロ・ベルメホ事務局長のコメント   「米最高裁がロー対ウェイド判決を覆したことは、近年の米国史上で女性の健康と権利に対する最大の打撃です。そもそも中絶は、憲法上保障されるべき命を守る保健医療ケアです。今回の決定は許されざる暴挙です」 「このように女性のからだを攻撃し続け、出産までの妊娠継続を強制するのであれば、米国の最高裁は落ちる所まで落ちたと言わざるを得ません。米国の誇りの礎とも言える、何百万人もの人々の自律、自由、からだの自己決定権を奪うのですから」 「中絶を禁止しても中絶数は減らないことはデータから分かっています。中絶が禁止されると女性と妊娠している人たちの死亡が増えます。これは世界中で、もっとも最近はポーランドで起きました。合法で安全な中絶(中絶薬を含む)を受けられないなら、人々は非合法で安全でない中絶に頼るしかありません。そうなれば、心身に深刻な害が及ぶか、ひどければ死に至ることさえあります。この状態が今後、何十年も続くことになるのです」 「今回の動きは世界中に波及し、反中絶派、反女性派、反ジェンダー平等運動が活発化し、生殖に関する様々な自由が制限されるでしょう。米国の理想、過去の判例、そして法よりも個人の信条を優先した最高裁判事たちは、すぐに自分たちの手が血まみれになります。この残酷な裁定によって苦難を強いられる何百万もの人々を思い、私たちは絶望しています」 ロー対ウェイド判決が覆されたことは民主主義と、市民を代表し守るべきという最高裁の存在意義に真っ向から反します。アメリカ人の大多数(60%)はロー対ウェイド判決を支持していました。またアメリカ人の70%が、妊娠を終わらせることは、女性・妊娠している人と医師の決断によると考えていたからです。   エリザベス・シュラクターIPPFアドボカシー部長兼IPPF米国事務所長のコメント 「最高裁の決定は後退であるだけでなく、中絶ケアが提供されるべきだと考える多くのアメリカ人の意向とかけ離れています。中絶ケアを医療として必要な人に届ける流れが世界中で広がっているため、世界の流れにも反しています」 「全米で保障されていた憲法上の中絶の権利を否定し、それぞれの州に判断を任せたことで、多くの州では、エルサルバドル、ニカラグア、ポーランドと同等の、非常に制限された、極端で命を危険にさらすような中絶ケアしか提供できなくなります」 「これは米国内の反中絶運動だけの問題ではありません。反女性、反ジェンダー平等、反LGBTQI+を掲げる保守派、宗教グループ、白人至上主義者などが共謀して闇の資金と非民主的な手段を使い、人権としてのヘルスケア、平等、からだの自己決定権、そして究極には自由を人々から奪おうとするグローバルな動きです」 「長年、保障されてきた権利への攻撃が止まないため、IPPFは、民主主義と人々の自由がこれらの過激派に攻撃されたり、影響されたりしないよう、世界中の政府に呼びかけています」 加盟協会であるIPPF米国(PPFA)は今後も合法的に提供できる地域で、中絶薬のオンライン処方を含むSRHRサービスを必要とするすべての人々に提供し続けていきます。 IPPFとPPFAは米国と世界中の人々の権利を守るために協力し、24時間活動しています。女性と妊娠している人々が妊娠継続や出産を強制されないよう、過激派と正面から闘い続けます。 合法で安全でどこでも受けられる中絶を守りたいと思われた方は、ぜひIPPFかPPFAに寄付をしてください。 メディアからのお問合せ:カルメン・アイヴィー宛までお願いします。メールアドレス:[email protected] または [email protected]    国際家族計画連盟(IPPF)について 国際家族計画連盟(IPPF)は世界のすべての人のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進するために活動する世界最大級の国際NGOで、サービス提供と啓発を行っています。 過去70年にわたり、IPPFは123の加盟協会(MA)と23の連携パートナー団体を通じて質の高いセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)ケアを提供し、セクシュアル・ライツの推進を、特にインターセクショナルで多様なニーズを持ちながらケアを得られない人々に提供しています。MAとパートナー団体はそれぞれの地域に根ざした独立した組織で、ローカルなニーズに合う専門知識と状況に沿った支援とケアを提供しています。 IPPFは人々が自分の性の健康とからだについて必要な情報を得た上で選択ができるよう、SRHに関する情報を広く提供する世界を目指して啓発活動をしています。セクシュアル・リプロダクティブ・ライツの実現のために立ち上がり、闘うNGOであり、からだの自己決定権と自由という基本的人権を否定する動きに立ち向かいます。IPPFはいかなる状況においても、人権、尊重、尊厳に基づいたケアを提供します。

Bans off our bodies (からだへの禁止をなくせ)と書かれたプラカードを持つ人たち
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| 01 July 2022

米最高裁がロー対ウェイド判決を覆す~女性の健康と権利に大打撃~

※この記事は翻訳です。英語はこちら   米国の最高裁は、1973年のロー対ウェイド判決を覆し、50年間、全米で連邦法の下に認められていた人工妊娠中絶の権利が保障されなくなりました。 これは、近年の米国史上で女性の健康と権利に対する最大の打撃です。全米で50年も憲法上、保障されていた中絶の権利がなくなったため、今後は各州で中絶が合法かどうか、その範囲を決めていきます。 ミシシッピ、オクラホマ、テキサス、ジョージアなど26州では「トリガー法」を発動しようとしています。最高裁の決定を受けてトリガー法が成立すれば、これらの州では中絶が禁止されるか、厳格に制限され、全米で4,000万人いる生殖可能年齢の女性と少女たちがクリニックで中絶できなくなると言われます。影響は、特に低所得層と有色人種に大きくのしかかります。 今後は中絶を提供する州と禁止する州がパッチワークのように並ぶことになります。安全で合法な中絶を受けるため州外に出る費用がない人と中絶薬を入手できない人たちは、安全でない、法規制の管理も受けない非合法な中絶を受けるしかなくなります。ケアの質は担保されず、アフターケアもなく、中絶を受けて問題が起きても、何の保証もありません。 今回、リプロダクティブ・ライツが破壊的に後退したきっかけは、ドッブズ対ジャクソン・ウィメンズ・ヘルス・オーガナイゼーションの判決 です。2018年、ミシシッピ州が15週を超える妊娠の中絶を禁止したことに対して、最高裁判事9名のうち6名がミシシッピ州法を支持しました。その中で、ロー対ウェイド判決は覆されましたが、4名の最高裁判事は反対でした。   国際家族計画連盟(IPPF)のDr アルバロ・ベルメホ事務局長のコメント   「米最高裁がロー対ウェイド判決を覆したことは、近年の米国史上で女性の健康と権利に対する最大の打撃です。そもそも中絶は、憲法上保障されるべき命を守る保健医療ケアです。今回の決定は許されざる暴挙です」 「このように女性のからだを攻撃し続け、出産までの妊娠継続を強制するのであれば、米国の最高裁は落ちる所まで落ちたと言わざるを得ません。米国の誇りの礎とも言える、何百万人もの人々の自律、自由、からだの自己決定権を奪うのですから」 「中絶を禁止しても中絶数は減らないことはデータから分かっています。中絶が禁止されると女性と妊娠している人たちの死亡が増えます。これは世界中で、もっとも最近はポーランドで起きました。合法で安全な中絶(中絶薬を含む)を受けられないなら、人々は非合法で安全でない中絶に頼るしかありません。そうなれば、心身に深刻な害が及ぶか、ひどければ死に至ることさえあります。この状態が今後、何十年も続くことになるのです」 「今回の動きは世界中に波及し、反中絶派、反女性派、反ジェンダー平等運動が活発化し、生殖に関する様々な自由が制限されるでしょう。米国の理想、過去の判例、そして法よりも個人の信条を優先した最高裁判事たちは、すぐに自分たちの手が血まみれになります。この残酷な裁定によって苦難を強いられる何百万もの人々を思い、私たちは絶望しています」 ロー対ウェイド判決が覆されたことは民主主義と、市民を代表し守るべきという最高裁の存在意義に真っ向から反します。アメリカ人の大多数(60%)はロー対ウェイド判決を支持していました。またアメリカ人の70%が、妊娠を終わらせることは、女性・妊娠している人と医師の決断によると考えていたからです。   エリザベス・シュラクターIPPFアドボカシー部長兼IPPF米国事務所長のコメント 「最高裁の決定は後退であるだけでなく、中絶ケアが提供されるべきだと考える多くのアメリカ人の意向とかけ離れています。中絶ケアを医療として必要な人に届ける流れが世界中で広がっているため、世界の流れにも反しています」 「全米で保障されていた憲法上の中絶の権利を否定し、それぞれの州に判断を任せたことで、多くの州では、エルサルバドル、ニカラグア、ポーランドと同等の、非常に制限された、極端で命を危険にさらすような中絶ケアしか提供できなくなります」 「これは米国内の反中絶運動だけの問題ではありません。反女性、反ジェンダー平等、反LGBTQI+を掲げる保守派、宗教グループ、白人至上主義者などが共謀して闇の資金と非民主的な手段を使い、人権としてのヘルスケア、平等、からだの自己決定権、そして究極には自由を人々から奪おうとするグローバルな動きです」 「長年、保障されてきた権利への攻撃が止まないため、IPPFは、民主主義と人々の自由がこれらの過激派に攻撃されたり、影響されたりしないよう、世界中の政府に呼びかけています」 加盟協会であるIPPF米国(PPFA)は今後も合法的に提供できる地域で、中絶薬のオンライン処方を含むSRHRサービスを必要とするすべての人々に提供し続けていきます。 IPPFとPPFAは米国と世界中の人々の権利を守るために協力し、24時間活動しています。女性と妊娠している人々が妊娠継続や出産を強制されないよう、過激派と正面から闘い続けます。 合法で安全でどこでも受けられる中絶を守りたいと思われた方は、ぜひIPPFかPPFAに寄付をしてください。 メディアからのお問合せ:カルメン・アイヴィー宛までお願いします。メールアドレス:[email protected] または [email protected]    国際家族計画連盟(IPPF)について 国際家族計画連盟(IPPF)は世界のすべての人のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進するために活動する世界最大級の国際NGOで、サービス提供と啓発を行っています。 過去70年にわたり、IPPFは123の加盟協会(MA)と23の連携パートナー団体を通じて質の高いセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)ケアを提供し、セクシュアル・ライツの推進を、特にインターセクショナルで多様なニーズを持ちながらケアを得られない人々に提供しています。MAとパートナー団体はそれぞれの地域に根ざした独立した組織で、ローカルなニーズに合う専門知識と状況に沿った支援とケアを提供しています。 IPPFは人々が自分の性の健康とからだについて必要な情報を得た上で選択ができるよう、SRHに関する情報を広く提供する世界を目指して啓発活動をしています。セクシュアル・リプロダクティブ・ライツの実現のために立ち上がり、闘うNGOであり、からだの自己決定権と自由という基本的人権を否定する動きに立ち向かいます。IPPFはいかなる状況においても、人権、尊重、尊厳に基づいたケアを提供します。

Bans off our bodies (からだへの禁止をなくせ)と書かれたプラカードを持つ人たち
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| 24 June 2022

米最高裁がロー対ウェイド判決を覆す~女性の健康と権利に大打撃~

※この記事は翻訳です。英語はこちら   米国の最高裁は、1973年のロー対ウェイド判決を覆し、50年間、全米で連邦法の下に認められていた人工妊娠中絶の権利が保障されなくなりました。 これは、近年の米国史上で女性の健康と権利に対する最大の打撃です。全米で50年も憲法上、保障されていた中絶の権利がなくなったため、今後は各州で中絶が合法かどうか、その範囲を決めていきます。 ミシシッピ、オクラホマ、テキサス、ジョージアなど26州では「トリガー法」を発動しようとしています。最高裁の決定を受けてトリガー法が成立すれば、これらの州では中絶が禁止されるか、厳格に制限され、全米で4,000万人いる生殖可能年齢の女性と少女たちがクリニックで中絶できなくなると言われます。影響は、特に低所得層と有色人種に大きくのしかかります。 今後は中絶を提供する州と禁止する州がパッチワークのように並ぶことになります。安全で合法な中絶を受けるため州外に出る費用がない人と中絶薬を入手できない人たちは、安全でない、法規制の管理も受けない非合法な中絶を受けるしかなくなります。ケアの質は担保されず、アフターケアもなく、中絶を受けて問題が起きても、何の保証もありません。 今回、リプロダクティブ・ライツが破壊的に後退したきっかけは、ドッブズ対ジャクソン・ウィメンズ・ヘルス・オーガナイゼーションの判決 です。2018年、ミシシッピ州が15週を超える妊娠の中絶を禁止したことに対して、最高裁判事9名のうち6名がミシシッピ州法を支持しました。その中で、ロー対ウェイド判決は覆されましたが、4名の最高裁判事は反対でした。   国際家族計画連盟(IPPF)のDr アルバロ・ベルメホ事務局長のコメント   「米最高裁がロー対ウェイド判決を覆したことは、近年の米国史上で女性の健康と権利に対する最大の打撃です。そもそも中絶は、憲法上保障されるべき命を守る保健医療ケアです。今回の決定は許されざる暴挙です」 「このように女性のからだを攻撃し続け、出産までの妊娠継続を強制するのであれば、米国の最高裁は落ちる所まで落ちたと言わざるを得ません。米国の誇りの礎とも言える、何百万人もの人々の自律、自由、からだの自己決定権を奪うのですから」 「中絶を禁止しても中絶数は減らないことはデータから分かっています。中絶が禁止されると女性と妊娠している人たちの死亡が増えます。これは世界中で、もっとも最近はポーランドで起きました。合法で安全な中絶(中絶薬を含む)を受けられないなら、人々は非合法で安全でない中絶に頼るしかありません。そうなれば、心身に深刻な害が及ぶか、ひどければ死に至ることさえあります。この状態が今後、何十年も続くことになるのです」 「今回の動きは世界中に波及し、反中絶派、反女性派、反ジェンダー平等運動が活発化し、生殖に関する様々な自由が制限されるでしょう。米国の理想、過去の判例、そして法よりも個人の信条を優先した最高裁判事たちは、すぐに自分たちの手が血まみれになります。この残酷な裁定によって苦難を強いられる何百万もの人々を思い、私たちは絶望しています」 ロー対ウェイド判決が覆されたことは民主主義と、市民を代表し守るべきという最高裁の存在意義に真っ向から反します。アメリカ人の大多数(60%)はロー対ウェイド判決を支持していました。またアメリカ人の70%が、妊娠を終わらせることは、女性・妊娠している人と医師の決断によると考えていたからです。   エリザベス・シュラクターIPPFアドボカシー部長兼IPPF米国事務所長のコメント 「最高裁の決定は後退であるだけでなく、中絶ケアが提供されるべきだと考える多くのアメリカ人の意向とかけ離れています。中絶ケアを医療として必要な人に届ける流れが世界中で広がっているため、世界の流れにも反しています」 「全米で保障されていた憲法上の中絶の権利を否定し、それぞれの州に判断を任せたことで、多くの州では、エルサルバドル、ニカラグア、ポーランドと同等の、非常に制限された、極端で命を危険にさらすような中絶ケアしか提供できなくなります」 「これは米国内の反中絶運動だけの問題ではありません。反女性、反ジェンダー平等、反LGBTQI+を掲げる保守派、宗教グループ、白人至上主義者などが共謀して闇の資金と非民主的な手段を使い、人権としてのヘルスケア、平等、からだの自己決定権、そして究極には自由を人々から奪おうとするグローバルな動きです」 「長年、保障されてきた権利への攻撃が止まないため、IPPFは、民主主義と人々の自由がこれらの過激派に攻撃されたり、影響されたりしないよう、世界中の政府に呼びかけています」 加盟協会であるIPPF米国(PPFA)は今後も合法的に提供できる地域で、中絶薬のオンライン処方を含むSRHRサービスを必要とするすべての人々に提供し続けていきます。 IPPFとPPFAは米国と世界中の人々の権利を守るために協力し、24時間活動しています。女性と妊娠している人々が妊娠継続や出産を強制されないよう、過激派と正面から闘い続けます。 合法で安全でどこでも受けられる中絶を守りたいと思われた方は、ぜひIPPFかPPFAに寄付をしてください。 メディアからのお問合せ:カルメン・アイヴィー宛までお願いします。メールアドレス:[email protected] または [email protected]    国際家族計画連盟(IPPF)について 国際家族計画連盟(IPPF)は世界のすべての人のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進するために活動する世界最大級の国際NGOで、サービス提供と啓発を行っています。 過去70年にわたり、IPPFは123の加盟協会(MA)と23の連携パートナー団体を通じて質の高いセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)ケアを提供し、セクシュアル・ライツの推進を、特にインターセクショナルで多様なニーズを持ちながらケアを得られない人々に提供しています。MAとパートナー団体はそれぞれの地域に根ざした独立した組織で、ローカルなニーズに合う専門知識と状況に沿った支援とケアを提供しています。 IPPFは人々が自分の性の健康とからだについて必要な情報を得た上で選択ができるよう、SRHに関する情報を広く提供する世界を目指して啓発活動をしています。セクシュアル・リプロダクティブ・ライツの実現のために立ち上がり、闘うNGOであり、からだの自己決定権と自由という基本的人権を否定する動きに立ち向かいます。IPPFはいかなる状況においても、人権、尊重、尊厳に基づいたケアを提供します。