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避妊

私たちの主な優先課題のひとつとして、すべての人が効果的な避妊具(薬)へアクセスできるようにすること、またその使用の推進があげられます。何百万人もの人々が、いつ子どもを持つか、また子どもを持つべきかどうかを決定するための知識や情報を持っておらず、また性感染症(STIs)から身を守ることもできません。

Articles by 避妊

H.E. Ambassador Takashi Shinozuka, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of Japan to Morocco and Dr Latifa Mokhtar JAMAI, President of AMPF, IPPF’s Member Association in Morocco, at the JTF project launch ceremony
30 March 2017

IPPF 日本HIV/リプロダクティブ・ヘルス信託基金(日本信託基金、JTF)

2000年に、日本政府との協力によりアフリカとアジアのIPPF加盟協会が、包括的なHIVおよびセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供する活動を支援する先験的な協働プログラム「IPPF日本信託基金」が始まりました。 以後、このプログラムは、社会的弱者の生活に違いを生み出しただけでなく、IPPFのHIV関連事業の拡大にも大きな貢献をしてきました。 日本信託基金(JTF)プログラムが開始された2000年には、世界のIPPF加盟協会が提供したHIV関連サービス数は15万5,562件でしたが、2010年には、1,200万件にまで増大しました。      

カットされる資金援助があれば、IPPFは、27.5万人のHIV陽性の妊婦のケアができたことでしょう。
08 March 2017

女性の健康は グローバル・ギャグ・ルールでどうなるのか?

米国が再導入を予定するグローバル・ギャグ・ルールによって、世界中で発生する健康への損失を試算しました。再導入により、特に貧困や周縁化されたコミュニティの女性が大きな影響を受けます。    あなたにできること メールアドレスを登録してIPPFの最新情報を入手しよう あなたの寄附でIPPFの活動を支えよう

超音波検査を受ける妊婦

グローバル・ギャグ・ルールでどれほどの人命が犠牲になるか

国際家族計画連盟(IPPF)は、米国のグローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)によって世界中でどれほどの人々の健康に影響があるのか、データをまとめました。 IPPFのグローバルなネットワークを通じで、草の根のパートナーたちが1分当たり300以上の家族計画・保健医療サービスを日々、提供しています。米国のトランプ大統領の任期中、これまで提供されてきた約1億ドルの海外援助が受けられなくなります。この援助によって、保健医療ケアを必要とする女性たちのための家族計画とHIVプログラムが実施されるはずでした。 もっとも影響を受けるのがサハラ以南のアフリカ、南アジア、南米とカリブ海地域です。   1億ドルの援助があれば、次のようなことを防ぐことができます。 2万件の妊産婦死亡 480万件の意図しない妊娠 170万件の安全でない中絶   さらに、次のようなこともなし得たでしょう。 27万5000人のHIVと共に生きる妊婦の健康を守り、生まれてくる赤ちゃんへのHIV母子感染を防ぐ 7000万個のコンドームを配布し、意図しない妊娠を減らし、HIVその他の性感染症を防ぐ 72万5000件のHIV検査を実施し、自分の健康状態を知らない人々を助ける 52万5000件の性感染症の治療 世界中の女性、男性、子どもたちの命を守り、健康を増進しようと考える組織として、IPPFと171カ国のパートナーは、人権を否定し、女性の命を危険にさらす政策に署名することはありません。 各国政府その他の機関と連携し、失われた援助の代わりになる資金を調達し、世界中の家族計画クリニックを運営し続けるため、IPPFは尽力しています。 メールアドレスを登録して、世界中の人々の健康を守る運動に参加しよう(英語) THUNDERCLAPに参加して、メッセージを広めよう 寄付をして活動を支えよう

28 November 2016

IPPF と Durex による世界エイズデーのキャンペーン動画

12月1日の世界エイズデーにあわせて、IPPFはDurexの協力を得て、リスクの高い性行為に対する啓発キャンペーン動画を公開しました。調査(※)によると、16-35歳の男女の75%以上が絵文字を使ってセックスについてコミュニケーションしていることが分かりました。調査に参加した若者の10人に9人が「セーフセックスを表す絵文字があれば、もっとオープンにセーフセックスについて話し合える」と答えました。    ※ Durexによる2016年10月実施の3GEM調査による。英国、米国、ブラジル、中国、インド、南アフリカに住む3500名を対象に調査を行った。

Rym Fayala

Interview 「住民がスタッフ 紛争地でも活動継続」

IPPF(国際家族計画連盟) アラブワールド地域事務局 渉外部長 リーム・ファヤラさん チュニジア出身で、医師でもあるリーム・ファヤラさんに、中東地域のセクシュアル/リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)について聞きました。 ― アラブ地域のSRHR の現状を教えてください。 アラブ世界地域には14カ国にIPPFの加盟協会があり、現在、そのうち5カ国が紛争国です。これらの国では、紛争発生以後SRHRの状況が悪化しています。シリアには400 万人の難民がおり、国内避難民は700 万人にも及びます。国内避難民の75%が女性と子どもと推定されています。難民や国内避難民の女性たちは、医療施設の破壊や医師の不在などにより、SRHR関連サービスを含む通常の保健医療サービスが受けられないだけでなく、性暴力に遭って精神的なトラウマも抱えるなど、紛争のSRHRへの影響は、非常に深刻です。 シリア以外でも、性暴力の経験者はヨルダンやエジプトで3 人に1 人、チュニジアでは47%にも上るなど、課題が多くあります。 ― 性暴力のほかに、女性の健康に関する課題は特に何がありますか。 まず高い妊産婦死亡率が挙げられます。ソマリアでは、出生10 万あたり約800 人(2013 年データ)と非常に高い状態です。また、紛争地では妊産婦死亡率が悪化しました。シリア危機では、2010 年に出生10 万あたり56 人だった妊産婦死亡率が、2013には65 人になってしまいました。 またアラブ地域では、18 歳になる前に結婚する女性も数多くいます。これは親が性犯罪や性暴力から「娘を守るために」早く結婚させるという現実を反映しています。女性性器切除(FGM)もモーリタリア、スーダンなどでいまだに深刻です。 ― IPPF の加盟協会はどのような活動をしていますか 移動クリニックと診療所を通して、SRHRを中心とした保健サービスとカウンセリングによる精神的ケアを提供しています。シリアでは、2013 年と2014 年に大幅にサービス提供件数を増やすなど、ニーズに応じて活動を拡大しました。実際に現場で活動しているスタッフは、地元住民でもあり、地域に根付いていますから、IS(イスラム国)に支配されるようになった地域でも、活動を継続しています。 このように非常に混乱した紛争地で人々のSRHRニーズに応える活動ができている団体はIPPFのほかに類を見ません。 また、スーダンやモーリタニア等では、IPPF・日本信託基金(JTF)の支援によるプロジェクトを実施しており、日本政府に感謝しています。サービス提供数は増やしていますが、すべてのニーズには応えられていません。今後もさらなるご支援を心よりお願いいたします。   <プロフィール> アドボカシーや資金調達などを担当。チュニジア保健省「人口とリプロダクティブヘルス・研修・研究センター」所長、国連人口基金(UNFPA)チュニジア事務所でのリビア人難民に対するリプロダクティブヘルス関連支援のコーディネーターなどを経て現職。   *この記事は、公益財団法人ジョイセフが発行するリプロダクティブ・ヘルスに関するオピニオンマガジン、アールエイチ・プラス(RH+)に掲載されたインタビュー記事を、許可を得て転載しています。

Neonatal device IPPF Ethiopia

エチオピアで女性と若者の健康と権利を守るNGO

※ こちらの記事は、IPPF東京連絡事務所を務める公益財団法人ジョイセフのウェブサイトに掲載されたものを、許可をいただいて転載しています。元の記事はこちらです。 2016年8月19日 2016年8月上旬、国際家族計画連盟(IPPF)のエチオピア加盟協会「IPPFエチオピア」の本部と併設のクリニックを、ジョイセフ職員が訪ねました。 IPPFエチオピアは、現地ではFamily Guidance Association of Ethiopia(FGAE)の名で広く知られています。 IPPFエチオピアは、IPPFが取り組むセクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR、性と生殖に関する健康と権利)を推進するNGOです。アフリカの非常に多くの国にあるIPPFの加盟協会の中でも、大きな組織の一つです。 日本の約3倍の国土に支部が8つあり、クリニックは55あります。若者への包括的性教育、医療従事者の研修、クリニックでの避妊や妊娠・出産へのアドバイスや子宮頸がん検診など、事業は実にさまざまです。常勤スタッフは700人、一線で活躍するボランティアは1700人にも上ります。また、分娩台など多くの設備が日本政府の資金協力で設置されています。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 医師ナドゥ・メコネン(Nadew Mekonnen)さんの話を紹介します。 Q:医師になったきっかけは何ですか。 A:母は7人子どもを産みましたが、生き残ったのは2人だけで、その一人が私です。当時、特に地方では予防接種ができなかったり、衛生状態が悪かったり、近くに病院がなかったりして、多くの子どもが命を落としていました。そんな状況を変えたいと思って医師を志しました。 Q:なぜこのクリニックで働いているのですか。 A:母はもちろん、すべての女性を尊敬しており、女性たちのために働きたいからです。女性たちは家事や育児に忙しく、お金も節約し、自分のためには病院に行きません。そんな女性たちのためにサービスを提供できるこの病院で働けることに大きなやりがいを感じています。また、多くの病院では一度に一つのサービスしか受けられないのですが、ここではそれぞれのニーズに応じて、一度に三つ以上のサービスを提供しています。また、多くのサービスが無料であることから、患者さんの満足度が高いことがうれしいです。 Q:課題は何でしょうか。 A:スタッフはよく訓練されていますが、人数が足りず、部屋も不十分です。家族計画や性暴力被害者へのカウンセリングなど、長期的支援が必要なサービスも多いので、長期的に質の高いサービスを持続できるような資金確保が課題です。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: エチオピアでは今も18歳未満の女児の「児童婚」や、女性性器切除(FGM)の慣習が一部で残り、IPPFエチオピアはジェンダー平等や女性のエンパワーメントの観点でも、政府と連携して活動しています。セックス・ワーカーと呼ばれる性産業従事者に特化したサービスも提供しています。 最近は特に若者を対象にした事業を重視しています。気軽に相談に来られる「ユース・センター」の設置や、児童・生徒対象に卓球や演劇などのクラブをつくって活動し、男女ともに楽しみながら、自分の権利と健康を守ることを促しています。 (アドボカシーグループ 宮地佳那子)

Reproductive Health Supplies Coalition
06 July 2016

リプロダクティブ・ヘルス・サプライ・コアリション(RHSC)

国際家族計画連盟(IPPF)は、「リプロダクティブ・ヘルス・サプライ・コアリション(RHSC)」のメンバーとして活発に活動しています。 RHSCによって、リプロダクティブ・ヘルスサービス提供に必要となる物資の供給が途切れないようにするための活動分野にIPPFはより大きな貢献をすることになりました。 IPPFとRHSCは、リプロダクティブ・ヘルス関連物資へのアクセスの拡大に、世界の注目がより集まるように働きかけることにより、誰もが必要なときに、自分の望むリプロヘルス関連物資に確実に手が届くようにすることをSRHR提供の大きな柱として打ち立てました。

FP2020 lgoo
06 July 2016

FP2020

国際家族計画連盟(IPPF)は、「FP2020国際パートナーシップ」に積極的に参加しています。 そのリファレンスグループに、家族計画関係者のリーダー達と共に参加し、女性と少女たちが子供を持つか持たないか、いつ、何人の子供を持ちたいかについて自ら決断する権利を支援しています。 世界最大の家族計画提供機関として、IPPFは、国際的に家族計画を牽引する役割を果たします。 IPPFは、2012年から2020年までに、「FP2020」の重点対象国69か国のうちの59か国で、6千万人のこれまで家族計画サービスを受けたことのない人々にサービスを届けるという大胆な約束をしました。

Girls Decide landing image
30 June 2016

決断する少女たち

このプログラムでは、若い女性が直面しているセクシュアル・ヘルスやセクシュアリティに関わる重大な課題に取り組んでいます。調査、意識向上、アドボカシー(政策提言)、サービス・デリバリーなどを行う、急成長している国際的プログラムです。   決断する少女たち)」は少女や若い女性のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関するプログラムです。世界中の、妊娠や出産に伴う病気の患者のうち、10~19歳の少女が23%を占めます。毎年250万人が安全でない人工妊娠中絶に至ると推定されています。HIVやエイズとともに生きている若者は世界中で550万人に上り、そのうち60%が若い女性です。 (決断する少女たち)」ではさまざまな提言、教育、情報を提供し、少女や若い女性のセクシュアル・ヘルス/ライツの向上のための支援活動を行っています。その一つに、国籍の異なる6人の若い女性がセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスについて決意を固める姿を描いたフィルムがあります。このフィルムは名誉ある国際映像・コミュニケーション賞 を受賞しました。 少女や若い女性が、命を救うための重要なサービスや情報にアクセスする場合、また、自分の人生について意義のある選択ができる場合、彼女たちは権利を与えられます。彼女たちの家族やコミュニティの幸福な生活が向上するのと同じように、彼女たち自身の生活の質が向上します。国際的に同意を得た開発目標を達成するための、彼女たちの集団的能力が強まります。 ほぼすべてのIPPF加盟協会は青少年に対しサービスを提供しており、サービス受給者の3人に1人は25歳未満の若者です。少女と若い女性は皆、権利保有者であり、セクシュアル/リプロダクティブ・ライツを得ることができます。 IPPF事務局および加盟協会は、原則として、少女の権利を尊重し、質の高いサービス提供を実現することで少女たちを援助します。少女たちがセクシュアリティや妊娠について自ら決断できるよう、彼女たちを支援します。また、地域・国・国際的なレベルで、少女や若い女性が直面する課題に取り組み、彼女たちのセクシュアル/リプロダクティブ・ライツを支持します。

At a glance 2015- front page
22 June 2016

2015年 活動一覧

国際家族計画連盟(IPPF) 2015年の主要実績です。 このページからダウンロードしていただけます。          

H.E. Ambassador Takashi Shinozuka, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of Japan to Morocco and Dr Latifa Mokhtar JAMAI, President of AMPF, IPPF’s Member Association in Morocco, at the JTF project launch ceremony
30 March 2017

IPPF 日本HIV/リプロダクティブ・ヘルス信託基金(日本信託基金、JTF)

2000年に、日本政府との協力によりアフリカとアジアのIPPF加盟協会が、包括的なHIVおよびセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供する活動を支援する先験的な協働プログラム「IPPF日本信託基金」が始まりました。 以後、このプログラムは、社会的弱者の生活に違いを生み出しただけでなく、IPPFのHIV関連事業の拡大にも大きな貢献をしてきました。 日本信託基金(JTF)プログラムが開始された2000年には、世界のIPPF加盟協会が提供したHIV関連サービス数は15万5,562件でしたが、2010年には、1,200万件にまで増大しました。      

カットされる資金援助があれば、IPPFは、27.5万人のHIV陽性の妊婦のケアができたことでしょう。
08 March 2017

女性の健康は グローバル・ギャグ・ルールでどうなるのか?

米国が再導入を予定するグローバル・ギャグ・ルールによって、世界中で発生する健康への損失を試算しました。再導入により、特に貧困や周縁化されたコミュニティの女性が大きな影響を受けます。    あなたにできること メールアドレスを登録してIPPFの最新情報を入手しよう あなたの寄附でIPPFの活動を支えよう

超音波検査を受ける妊婦

グローバル・ギャグ・ルールでどれほどの人命が犠牲になるか

国際家族計画連盟(IPPF)は、米国のグローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)によって世界中でどれほどの人々の健康に影響があるのか、データをまとめました。 IPPFのグローバルなネットワークを通じで、草の根のパートナーたちが1分当たり300以上の家族計画・保健医療サービスを日々、提供しています。米国のトランプ大統領の任期中、これまで提供されてきた約1億ドルの海外援助が受けられなくなります。この援助によって、保健医療ケアを必要とする女性たちのための家族計画とHIVプログラムが実施されるはずでした。 もっとも影響を受けるのがサハラ以南のアフリカ、南アジア、南米とカリブ海地域です。   1億ドルの援助があれば、次のようなことを防ぐことができます。 2万件の妊産婦死亡 480万件の意図しない妊娠 170万件の安全でない中絶   さらに、次のようなこともなし得たでしょう。 27万5000人のHIVと共に生きる妊婦の健康を守り、生まれてくる赤ちゃんへのHIV母子感染を防ぐ 7000万個のコンドームを配布し、意図しない妊娠を減らし、HIVその他の性感染症を防ぐ 72万5000件のHIV検査を実施し、自分の健康状態を知らない人々を助ける 52万5000件の性感染症の治療 世界中の女性、男性、子どもたちの命を守り、健康を増進しようと考える組織として、IPPFと171カ国のパートナーは、人権を否定し、女性の命を危険にさらす政策に署名することはありません。 各国政府その他の機関と連携し、失われた援助の代わりになる資金を調達し、世界中の家族計画クリニックを運営し続けるため、IPPFは尽力しています。 メールアドレスを登録して、世界中の人々の健康を守る運動に参加しよう(英語) THUNDERCLAPに参加して、メッセージを広めよう 寄付をして活動を支えよう

28 November 2016

IPPF と Durex による世界エイズデーのキャンペーン動画

12月1日の世界エイズデーにあわせて、IPPFはDurexの協力を得て、リスクの高い性行為に対する啓発キャンペーン動画を公開しました。調査(※)によると、16-35歳の男女の75%以上が絵文字を使ってセックスについてコミュニケーションしていることが分かりました。調査に参加した若者の10人に9人が「セーフセックスを表す絵文字があれば、もっとオープンにセーフセックスについて話し合える」と答えました。    ※ Durexによる2016年10月実施の3GEM調査による。英国、米国、ブラジル、中国、インド、南アフリカに住む3500名を対象に調査を行った。

Rym Fayala

Interview 「住民がスタッフ 紛争地でも活動継続」

IPPF(国際家族計画連盟) アラブワールド地域事務局 渉外部長 リーム・ファヤラさん チュニジア出身で、医師でもあるリーム・ファヤラさんに、中東地域のセクシュアル/リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)について聞きました。 ― アラブ地域のSRHR の現状を教えてください。 アラブ世界地域には14カ国にIPPFの加盟協会があり、現在、そのうち5カ国が紛争国です。これらの国では、紛争発生以後SRHRの状況が悪化しています。シリアには400 万人の難民がおり、国内避難民は700 万人にも及びます。国内避難民の75%が女性と子どもと推定されています。難民や国内避難民の女性たちは、医療施設の破壊や医師の不在などにより、SRHR関連サービスを含む通常の保健医療サービスが受けられないだけでなく、性暴力に遭って精神的なトラウマも抱えるなど、紛争のSRHRへの影響は、非常に深刻です。 シリア以外でも、性暴力の経験者はヨルダンやエジプトで3 人に1 人、チュニジアでは47%にも上るなど、課題が多くあります。 ― 性暴力のほかに、女性の健康に関する課題は特に何がありますか。 まず高い妊産婦死亡率が挙げられます。ソマリアでは、出生10 万あたり約800 人(2013 年データ)と非常に高い状態です。また、紛争地では妊産婦死亡率が悪化しました。シリア危機では、2010 年に出生10 万あたり56 人だった妊産婦死亡率が、2013には65 人になってしまいました。 またアラブ地域では、18 歳になる前に結婚する女性も数多くいます。これは親が性犯罪や性暴力から「娘を守るために」早く結婚させるという現実を反映しています。女性性器切除(FGM)もモーリタリア、スーダンなどでいまだに深刻です。 ― IPPF の加盟協会はどのような活動をしていますか 移動クリニックと診療所を通して、SRHRを中心とした保健サービスとカウンセリングによる精神的ケアを提供しています。シリアでは、2013 年と2014 年に大幅にサービス提供件数を増やすなど、ニーズに応じて活動を拡大しました。実際に現場で活動しているスタッフは、地元住民でもあり、地域に根付いていますから、IS(イスラム国)に支配されるようになった地域でも、活動を継続しています。 このように非常に混乱した紛争地で人々のSRHRニーズに応える活動ができている団体はIPPFのほかに類を見ません。 また、スーダンやモーリタニア等では、IPPF・日本信託基金(JTF)の支援によるプロジェクトを実施しており、日本政府に感謝しています。サービス提供数は増やしていますが、すべてのニーズには応えられていません。今後もさらなるご支援を心よりお願いいたします。   <プロフィール> アドボカシーや資金調達などを担当。チュニジア保健省「人口とリプロダクティブヘルス・研修・研究センター」所長、国連人口基金(UNFPA)チュニジア事務所でのリビア人難民に対するリプロダクティブヘルス関連支援のコーディネーターなどを経て現職。   *この記事は、公益財団法人ジョイセフが発行するリプロダクティブ・ヘルスに関するオピニオンマガジン、アールエイチ・プラス(RH+)に掲載されたインタビュー記事を、許可を得て転載しています。

Neonatal device IPPF Ethiopia

エチオピアで女性と若者の健康と権利を守るNGO

※ こちらの記事は、IPPF東京連絡事務所を務める公益財団法人ジョイセフのウェブサイトに掲載されたものを、許可をいただいて転載しています。元の記事はこちらです。 2016年8月19日 2016年8月上旬、国際家族計画連盟(IPPF)のエチオピア加盟協会「IPPFエチオピア」の本部と併設のクリニックを、ジョイセフ職員が訪ねました。 IPPFエチオピアは、現地ではFamily Guidance Association of Ethiopia(FGAE)の名で広く知られています。 IPPFエチオピアは、IPPFが取り組むセクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR、性と生殖に関する健康と権利)を推進するNGOです。アフリカの非常に多くの国にあるIPPFの加盟協会の中でも、大きな組織の一つです。 日本の約3倍の国土に支部が8つあり、クリニックは55あります。若者への包括的性教育、医療従事者の研修、クリニックでの避妊や妊娠・出産へのアドバイスや子宮頸がん検診など、事業は実にさまざまです。常勤スタッフは700人、一線で活躍するボランティアは1700人にも上ります。また、分娩台など多くの設備が日本政府の資金協力で設置されています。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 医師ナドゥ・メコネン(Nadew Mekonnen)さんの話を紹介します。 Q:医師になったきっかけは何ですか。 A:母は7人子どもを産みましたが、生き残ったのは2人だけで、その一人が私です。当時、特に地方では予防接種ができなかったり、衛生状態が悪かったり、近くに病院がなかったりして、多くの子どもが命を落としていました。そんな状況を変えたいと思って医師を志しました。 Q:なぜこのクリニックで働いているのですか。 A:母はもちろん、すべての女性を尊敬しており、女性たちのために働きたいからです。女性たちは家事や育児に忙しく、お金も節約し、自分のためには病院に行きません。そんな女性たちのためにサービスを提供できるこの病院で働けることに大きなやりがいを感じています。また、多くの病院では一度に一つのサービスしか受けられないのですが、ここではそれぞれのニーズに応じて、一度に三つ以上のサービスを提供しています。また、多くのサービスが無料であることから、患者さんの満足度が高いことがうれしいです。 Q:課題は何でしょうか。 A:スタッフはよく訓練されていますが、人数が足りず、部屋も不十分です。家族計画や性暴力被害者へのカウンセリングなど、長期的支援が必要なサービスも多いので、長期的に質の高いサービスを持続できるような資金確保が課題です。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: エチオピアでは今も18歳未満の女児の「児童婚」や、女性性器切除(FGM)の慣習が一部で残り、IPPFエチオピアはジェンダー平等や女性のエンパワーメントの観点でも、政府と連携して活動しています。セックス・ワーカーと呼ばれる性産業従事者に特化したサービスも提供しています。 最近は特に若者を対象にした事業を重視しています。気軽に相談に来られる「ユース・センター」の設置や、児童・生徒対象に卓球や演劇などのクラブをつくって活動し、男女ともに楽しみながら、自分の権利と健康を守ることを促しています。 (アドボカシーグループ 宮地佳那子)

Reproductive Health Supplies Coalition
06 July 2016

リプロダクティブ・ヘルス・サプライ・コアリション(RHSC)

国際家族計画連盟(IPPF)は、「リプロダクティブ・ヘルス・サプライ・コアリション(RHSC)」のメンバーとして活発に活動しています。 RHSCによって、リプロダクティブ・ヘルスサービス提供に必要となる物資の供給が途切れないようにするための活動分野にIPPFはより大きな貢献をすることになりました。 IPPFとRHSCは、リプロダクティブ・ヘルス関連物資へのアクセスの拡大に、世界の注目がより集まるように働きかけることにより、誰もが必要なときに、自分の望むリプロヘルス関連物資に確実に手が届くようにすることをSRHR提供の大きな柱として打ち立てました。

FP2020 lgoo
06 July 2016

FP2020

国際家族計画連盟(IPPF)は、「FP2020国際パートナーシップ」に積極的に参加しています。 そのリファレンスグループに、家族計画関係者のリーダー達と共に参加し、女性と少女たちが子供を持つか持たないか、いつ、何人の子供を持ちたいかについて自ら決断する権利を支援しています。 世界最大の家族計画提供機関として、IPPFは、国際的に家族計画を牽引する役割を果たします。 IPPFは、2012年から2020年までに、「FP2020」の重点対象国69か国のうちの59か国で、6千万人のこれまで家族計画サービスを受けたことのない人々にサービスを届けるという大胆な約束をしました。

Girls Decide landing image
30 June 2016

決断する少女たち

このプログラムでは、若い女性が直面しているセクシュアル・ヘルスやセクシュアリティに関わる重大な課題に取り組んでいます。調査、意識向上、アドボカシー(政策提言)、サービス・デリバリーなどを行う、急成長している国際的プログラムです。   決断する少女たち)」は少女や若い女性のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関するプログラムです。世界中の、妊娠や出産に伴う病気の患者のうち、10~19歳の少女が23%を占めます。毎年250万人が安全でない人工妊娠中絶に至ると推定されています。HIVやエイズとともに生きている若者は世界中で550万人に上り、そのうち60%が若い女性です。 (決断する少女たち)」ではさまざまな提言、教育、情報を提供し、少女や若い女性のセクシュアル・ヘルス/ライツの向上のための支援活動を行っています。その一つに、国籍の異なる6人の若い女性がセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスについて決意を固める姿を描いたフィルムがあります。このフィルムは名誉ある国際映像・コミュニケーション賞 を受賞しました。 少女や若い女性が、命を救うための重要なサービスや情報にアクセスする場合、また、自分の人生について意義のある選択ができる場合、彼女たちは権利を与えられます。彼女たちの家族やコミュニティの幸福な生活が向上するのと同じように、彼女たち自身の生活の質が向上します。国際的に同意を得た開発目標を達成するための、彼女たちの集団的能力が強まります。 ほぼすべてのIPPF加盟協会は青少年に対しサービスを提供しており、サービス受給者の3人に1人は25歳未満の若者です。少女と若い女性は皆、権利保有者であり、セクシュアル/リプロダクティブ・ライツを得ることができます。 IPPF事務局および加盟協会は、原則として、少女の権利を尊重し、質の高いサービス提供を実現することで少女たちを援助します。少女たちがセクシュアリティや妊娠について自ら決断できるよう、彼女たちを支援します。また、地域・国・国際的なレベルで、少女や若い女性が直面する課題に取り組み、彼女たちのセクシュアル/リプロダクティブ・ライツを支持します。

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22 June 2016

2015年 活動一覧

国際家族計画連盟(IPPF) 2015年の主要実績です。 このページからダウンロードしていただけます。