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女性の健康

Articles by 女性の健康

A night meeting in Ghana held using solar lanterns
03 3月 2017

日本と国際NGOの連携 IPPFタンザニアの現場から

2016年12月7日発行に発行された外務省のODAメールマガジン第339号に、国際家族計画連盟(IPPF)本部 谷口 百合 チーフ資金調達アドバイザー(東南アジア)の活動が紹介されました。 日本とIPPFの協力が最大限活かされ、効果を発揮するよう取り組む谷口氏は、様々な連携活動や、日本政府の支援で実施中のプロジェクト・サイトを対象としたアフリカ・メディア・トリップを毎年、実施しています。 詳細はこちらからご確認ください。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/mail/bn_339.html#section2  

UMATI LOGO

タンザニア家族計画協会(UMATI) 新聞記事で紹介

タンザニアのIPPF加盟協会であるNGO「タンザニア家族計画協会(UMATI)」の活動が2016年11月と12月、日本の複数の新聞記事に掲載されました。ムスリムが多数を占めるペンバ島で、望まない妊娠・出産の防止や、女性の健康の向上のための工夫が紹介されました。 【掲載記事はこちら】 日本経済新聞(2016年12月18日) 中日・東京新聞(2016年11月14日)  

超音波検査を受ける妊婦

グローバル・ギャグ・ルールでどれほどの人命が犠牲になるか

国際家族計画連盟(IPPF)は、米国のグローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)によって世界中でどれほどの人々の健康に影響があるのか、データをまとめました。 IPPFのグローバルなネットワークを通じで、草の根のパートナーたちが1分当たり300以上の家族計画・保健医療サービスを日々、提供しています。米国のトランプ大統領の任期中、これまで提供されてきた約1億ドルの海外援助が受けられなくなります。この援助によって、保健医療ケアを必要とする女性たちのための家族計画とHIVプログラムが実施されるはずでした。 もっとも影響を受けるのがサハラ以南のアフリカ、南アジア、南米とカリブ海地域です。   1億ドルの援助があれば、次のようなことを防ぐことができます。 2万件の妊産婦死亡 480万件の意図しない妊娠 170万件の安全でない中絶   さらに、次のようなこともなし得たでしょう。 27万5000人のHIVと共に生きる妊婦の健康を守り、生まれてくる赤ちゃんへのHIV母子感染を防ぐ 7000万個のコンドームを配布し、意図しない妊娠を減らし、HIVその他の性感染症を防ぐ 72万5000件のHIV検査を実施し、自分の健康状態を知らない人々を助ける 52万5000件の性感染症の治療 世界中の女性、男性、子どもたちの命を守り、健康を増進しようと考える組織として、IPPFと171カ国のパートナーは、人権を否定し、女性の命を危険にさらす政策に署名することはありません。 各国政府その他の機関と連携し、失われた援助の代わりになる資金を調達し、世界中の家族計画クリニックを運営し続けるため、IPPFは尽力しています。 メールアドレスを登録して、世界中の人々の健康を守る運動に参加しよう(英語) THUNDERCLAPに参加して、メッセージを広めよう 寄付をして活動を支えよう

Rym Fayala

Interview 「住民がスタッフ 紛争地でも活動継続」

IPPF(国際家族計画連盟) アラブワールド地域事務局 渉外部長 リーム・ファヤラさん チュニジア出身で、医師でもあるリーム・ファヤラさんに、中東地域のセクシュアル/リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)について聞きました。 ― アラブ地域のSRHR の現状を教えてください。 アラブ世界地域には14カ国にIPPFの加盟協会があり、現在、そのうち5カ国が紛争国です。これらの国では、紛争発生以後SRHRの状況が悪化しています。シリアには400 万人の難民がおり、国内避難民は700 万人にも及びます。国内避難民の75%が女性と子どもと推定されています。難民や国内避難民の女性たちは、医療施設の破壊や医師の不在などにより、SRHR関連サービスを含む通常の保健医療サービスが受けられないだけでなく、性暴力に遭って精神的なトラウマも抱えるなど、紛争のSRHRへの影響は、非常に深刻です。 シリア以外でも、性暴力の経験者はヨルダンやエジプトで3 人に1 人、チュニジアでは47%にも上るなど、課題が多くあります。 ― 性暴力のほかに、女性の健康に関する課題は特に何がありますか。 まず高い妊産婦死亡率が挙げられます。ソマリアでは、出生10 万あたり約800 人(2013 年データ)と非常に高い状態です。また、紛争地では妊産婦死亡率が悪化しました。シリア危機では、2010 年に出生10 万あたり56 人だった妊産婦死亡率が、2013には65 人になってしまいました。 またアラブ地域では、18 歳になる前に結婚する女性も数多くいます。これは親が性犯罪や性暴力から「娘を守るために」早く結婚させるという現実を反映しています。女性性器切除(FGM)もモーリタリア、スーダンなどでいまだに深刻です。 ― IPPF の加盟協会はどのような活動をしていますか 移動クリニックと診療所を通して、SRHRを中心とした保健サービスとカウンセリングによる精神的ケアを提供しています。シリアでは、2013 年と2014 年に大幅にサービス提供件数を増やすなど、ニーズに応じて活動を拡大しました。実際に現場で活動しているスタッフは、地元住民でもあり、地域に根付いていますから、IS(イスラム国)に支配されるようになった地域でも、活動を継続しています。 このように非常に混乱した紛争地で人々のSRHRニーズに応える活動ができている団体はIPPFのほかに類を見ません。 また、スーダンやモーリタニア等では、IPPF・日本信託基金(JTF)の支援によるプロジェクトを実施しており、日本政府に感謝しています。サービス提供数は増やしていますが、すべてのニーズには応えられていません。今後もさらなるご支援を心よりお願いいたします。   <プロフィール> アドボカシーや資金調達などを担当。チュニジア保健省「人口とリプロダクティブヘルス・研修・研究センター」所長、国連人口基金(UNFPA)チュニジア事務所でのリビア人難民に対するリプロダクティブヘルス関連支援のコーディネーターなどを経て現職。   *この記事は、公益財団法人ジョイセフが発行するリプロダクティブ・ヘルスに関するオピニオンマガジン、アールエイチ・プラス(RH+)に掲載されたインタビュー記事を、許可を得て転載しています。

Neonatal device IPPF Ethiopia

エチオピアで女性と若者の健康と権利を守るNGO

※ こちらの記事は、IPPF東京連絡事務所を務める公益財団法人ジョイセフのウェブサイトに掲載されたものを、許可をいただいて転載しています。元の記事はこちらです。 2016年8月19日 2016年8月上旬、国際家族計画連盟(IPPF)のエチオピア加盟協会「IPPFエチオピア」の本部と併設のクリニックを、ジョイセフ職員が訪ねました。 IPPFエチオピアは、現地ではFamily Guidance Association of Ethiopia(FGAE)の名で広く知られています。 IPPFエチオピアは、IPPFが取り組むセクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR、性と生殖に関する健康と権利)を推進するNGOです。アフリカの非常に多くの国にあるIPPFの加盟協会の中でも、大きな組織の一つです。 日本の約3倍の国土に支部が8つあり、クリニックは55あります。若者への包括的性教育、医療従事者の研修、クリニックでの避妊や妊娠・出産へのアドバイスや子宮頸がん検診など、事業は実にさまざまです。常勤スタッフは700人、一線で活躍するボランティアは1700人にも上ります。また、分娩台など多くの設備が日本政府の資金協力で設置されています。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 医師ナドゥ・メコネン(Nadew Mekonnen)さんの話を紹介します。 Q:医師になったきっかけは何ですか。 A:母は7人子どもを産みましたが、生き残ったのは2人だけで、その一人が私です。当時、特に地方では予防接種ができなかったり、衛生状態が悪かったり、近くに病院がなかったりして、多くの子どもが命を落としていました。そんな状況を変えたいと思って医師を志しました。 Q:なぜこのクリニックで働いているのですか。 A:母はもちろん、すべての女性を尊敬しており、女性たちのために働きたいからです。女性たちは家事や育児に忙しく、お金も節約し、自分のためには病院に行きません。そんな女性たちのためにサービスを提供できるこの病院で働けることに大きなやりがいを感じています。また、多くの病院では一度に一つのサービスしか受けられないのですが、ここではそれぞれのニーズに応じて、一度に三つ以上のサービスを提供しています。また、多くのサービスが無料であることから、患者さんの満足度が高いことがうれしいです。 Q:課題は何でしょうか。 A:スタッフはよく訓練されていますが、人数が足りず、部屋も不十分です。家族計画や性暴力被害者へのカウンセリングなど、長期的支援が必要なサービスも多いので、長期的に質の高いサービスを持続できるような資金確保が課題です。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: エチオピアでは今も18歳未満の女児の「児童婚」や、女性性器切除(FGM)の慣習が一部で残り、IPPFエチオピアはジェンダー平等や女性のエンパワーメントの観点でも、政府と連携して活動しています。セックス・ワーカーと呼ばれる性産業従事者に特化したサービスも提供しています。 最近は特に若者を対象にした事業を重視しています。気軽に相談に来られる「ユース・センター」の設置や、児童・生徒対象に卓球や演劇などのクラブをつくって活動し、男女ともに楽しみながら、自分の権利と健康を守ることを促しています。 (アドボカシーグループ 宮地佳那子)

Girls Decide landing image
30 June 2016

決断する少女たち

このプログラムでは、若い女性が直面しているセクシュアル・ヘルスやセクシュアリティに関わる重大な課題に取り組んでいます。調査、意識向上、アドボカシー(政策提言)、サービス・デリバリーなどを行う、急成長している国際的プログラムです。   決断する少女たち)」は少女や若い女性のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関するプログラムです。世界中の、妊娠や出産に伴う病気の患者のうち、10~19歳の少女が23%を占めます。毎年250万人が安全でない人工妊娠中絶に至ると推定されています。HIVやエイズとともに生きている若者は世界中で550万人に上り、そのうち60%が若い女性です。 (決断する少女たち)」ではさまざまな提言、教育、情報を提供し、少女や若い女性のセクシュアル・ヘルス/ライツの向上のための支援活動を行っています。その一つに、国籍の異なる6人の若い女性がセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスについて決意を固める姿を描いたフィルムがあります。このフィルムは名誉ある国際映像・コミュニケーション賞 を受賞しました。 少女や若い女性が、命を救うための重要なサービスや情報にアクセスする場合、また、自分の人生について意義のある選択ができる場合、彼女たちは権利を与えられます。彼女たちの家族やコミュニティの幸福な生活が向上するのと同じように、彼女たち自身の生活の質が向上します。国際的に同意を得た開発目標を達成するための、彼女たちの集団的能力が強まります。 ほぼすべてのIPPF加盟協会は青少年に対しサービスを提供しており、サービス受給者の3人に1人は25歳未満の若者です。少女と若い女性は皆、権利保有者であり、セクシュアル/リプロダクティブ・ライツを得ることができます。 IPPF事務局および加盟協会は、原則として、少女の権利を尊重し、質の高いサービス提供を実現することで少女たちを援助します。少女たちがセクシュアリティや妊娠について自ら決断できるよう、彼女たちを支援します。また、地域・国・国際的なレベルで、少女や若い女性が直面する課題に取り組み、彼女たちのセクシュアル/リプロダクティブ・ライツを支持します。

At a glance 2015- front page
22 June 2016

2015年 活動一覧

国際家族計画連盟(IPPF) 2015年の主要実績です。 このページからダウンロードしていただけます。          

IPPF's Director General, Tewodros Melesse

IPPF戦略枠組:変化のための運動を引き起こす

2016年1月26日 国際家族計画連盟(IPPF)は2016年1月、今後7年間に適用される、新しい「戦略枠組」を公式に発表しました。この枠組を通して、少女と女性が自由に、そして自分のために、子どもを産むか産まないか、または何人の子どもを持つかを決める権利を促進し、支援していく決意を新たにしました。この新枠組は、インドネシアで開催された「国際家族計画会議」で発表されたものです。 IPPFは、家族計画、安全な中絶、HIV、性やジェンダーに基づく暴力や生殖器のがんなどへの対応を含む、効果や質の高い、権利に基づいた、統合されたセクシュアル・リプロダクティブ/ヘルス・ライツサービスを、「戦略枠組」に沿って提供します。さらに、より充実した保健医療サービスの提供を可能とするために、官民を問わず他の保健医療機関をサポートします。また、同枠組に含まれる組織の効率性や人道危機における対応能力の向上や、各国加盟協会とIPPF全体の収入額の増加を通じ、できるだけ多くの人々にサービスを提供していきます。 IPPFのテウォドロス・メレッセ事務局長は、「戦略枠組」の発表に際して次のようにコメントしました。「家族計画を提供する世界最大の市民社会組織として、IPPFは持続可能な開発目標(SDGs)に関連するセクシュアル・リプロダクティブ/ヘルスのニーズの多くに、草の根からこたえるよう支援できます。新しい「戦略枠組」によって、これまでより迅速な対応が可能となり、説明責任能力もより高い連盟になります。セクシュアル・リプロダクティブ/ヘルス・ライツの現状に実質的な変化を与える組織として、IPPFの存在感が高まるでしょう。世界中の加盟協会と策定した新しい「戦略枠組」が、今後7年間、IPPFと加盟協会やパートナーとの活動を導きます」 国連人口基金(UNFPA)のブノワ・カラサ、エチオピアのケセテベルハン・アドマス保健相、ユース・アクティビストのプリヤ・キャスなどを迎えたハイレベル・レセプションで、メレッセ事務局長は、家族計画に関する活動を見直し、全世界でさらに1億2000万人の女性にサービスを提供するという新たな目標を発表しました。 イベントの議長を務めたナオミ・セボニIPPF会長は、次のように挨拶しました。「IPPFは毎年、何百万という人々を支援しています。2015年には、約6200万人の人々がIPPFのサービスを利用しました。IPPFのコミットメントを実現し、各国政府が、確約した目標を実際に達成するよう、はたらきかけ、モニタリングしていきます。IPPFの新たなプレッジ、を実現することで、「家族計画2020(FP2020)」の大胆な目標や「持続可能な開発目標(SDGs)」の目指す世界の実現に貢献していきます」 「戦略枠組」は、 もっとも脆弱な人々のニーズを満たすことという新たなゴール達成を目指す、世界中が一丸となって引き起こす行動です。。そして、IPPFが大きな期待と誇りを持ち、今後7年間に取り組むべき優先事項を次の4つの明確な結果を出すことと定めたビジョンです。   100カ国の政府が、法制、政策やその実施状況を確実に改善させることにより、ジェンダーの平等と性と生殖に関する権利を尊重し、保護、実現する 変化を起こす政策提言者として女性・若者リーダーの活動を促す 2022年までに、10億の人々が自由意志に基づいて、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を追求できるようエンパワーする 20億件の質の高い統合された性と生殖に関する保健医療サービスを提供する。サービスは人々の権利に基づき、安全な中絶、HIV対応なども含め、官民の保健医療機関を通じて提供する   今後7年間の活動を通じ、IPPFはより効率的で、説明責任を果たせる、団結した連盟になります。IPPFは組織の運営効率を上げ、各国、グローバルともに収益を倍増させます。ボランティアやアクティビストを養成し、独自の提言活動や発言を重ね、IPPFの「声」を構築していきます。 IPPFは、各地の加盟協会が主導し、グローバルにつながった市民社会運動を率いていくことを使命としています。その中で、全ての人々、特に公的サービスが届きにくい人々に向け、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利)の実現に必要なサービスを提供し、またその提供を可能にし、政策提言する活動を行っています。

2013年 活動一覧
13 August 2014

2013年 活動一覧

国際家族計画連盟(IPPF) 2013年の主要実績です。 このページからダウンロードしていただけます。

2012活動一覧
10 September 2013

2012活動一覧

サービス提供活動の成果 2012年

A night meeting in Ghana held using solar lanterns
03 3月 2017

日本と国際NGOの連携 IPPFタンザニアの現場から

2016年12月7日発行に発行された外務省のODAメールマガジン第339号に、国際家族計画連盟(IPPF)本部 谷口 百合 チーフ資金調達アドバイザー(東南アジア)の活動が紹介されました。 日本とIPPFの協力が最大限活かされ、効果を発揮するよう取り組む谷口氏は、様々な連携活動や、日本政府の支援で実施中のプロジェクト・サイトを対象としたアフリカ・メディア・トリップを毎年、実施しています。 詳細はこちらからご確認ください。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/mail/bn_339.html#section2  

UMATI LOGO

タンザニア家族計画協会(UMATI) 新聞記事で紹介

タンザニアのIPPF加盟協会であるNGO「タンザニア家族計画協会(UMATI)」の活動が2016年11月と12月、日本の複数の新聞記事に掲載されました。ムスリムが多数を占めるペンバ島で、望まない妊娠・出産の防止や、女性の健康の向上のための工夫が紹介されました。 【掲載記事はこちら】 日本経済新聞(2016年12月18日) 中日・東京新聞(2016年11月14日)  

超音波検査を受ける妊婦

グローバル・ギャグ・ルールでどれほどの人命が犠牲になるか

国際家族計画連盟(IPPF)は、米国のグローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)によって世界中でどれほどの人々の健康に影響があるのか、データをまとめました。 IPPFのグローバルなネットワークを通じで、草の根のパートナーたちが1分当たり300以上の家族計画・保健医療サービスを日々、提供しています。米国のトランプ大統領の任期中、これまで提供されてきた約1億ドルの海外援助が受けられなくなります。この援助によって、保健医療ケアを必要とする女性たちのための家族計画とHIVプログラムが実施されるはずでした。 もっとも影響を受けるのがサハラ以南のアフリカ、南アジア、南米とカリブ海地域です。   1億ドルの援助があれば、次のようなことを防ぐことができます。 2万件の妊産婦死亡 480万件の意図しない妊娠 170万件の安全でない中絶   さらに、次のようなこともなし得たでしょう。 27万5000人のHIVと共に生きる妊婦の健康を守り、生まれてくる赤ちゃんへのHIV母子感染を防ぐ 7000万個のコンドームを配布し、意図しない妊娠を減らし、HIVその他の性感染症を防ぐ 72万5000件のHIV検査を実施し、自分の健康状態を知らない人々を助ける 52万5000件の性感染症の治療 世界中の女性、男性、子どもたちの命を守り、健康を増進しようと考える組織として、IPPFと171カ国のパートナーは、人権を否定し、女性の命を危険にさらす政策に署名することはありません。 各国政府その他の機関と連携し、失われた援助の代わりになる資金を調達し、世界中の家族計画クリニックを運営し続けるため、IPPFは尽力しています。 メールアドレスを登録して、世界中の人々の健康を守る運動に参加しよう(英語) THUNDERCLAPに参加して、メッセージを広めよう 寄付をして活動を支えよう

Rym Fayala

Interview 「住民がスタッフ 紛争地でも活動継続」

IPPF(国際家族計画連盟) アラブワールド地域事務局 渉外部長 リーム・ファヤラさん チュニジア出身で、医師でもあるリーム・ファヤラさんに、中東地域のセクシュアル/リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)について聞きました。 ― アラブ地域のSRHR の現状を教えてください。 アラブ世界地域には14カ国にIPPFの加盟協会があり、現在、そのうち5カ国が紛争国です。これらの国では、紛争発生以後SRHRの状況が悪化しています。シリアには400 万人の難民がおり、国内避難民は700 万人にも及びます。国内避難民の75%が女性と子どもと推定されています。難民や国内避難民の女性たちは、医療施設の破壊や医師の不在などにより、SRHR関連サービスを含む通常の保健医療サービスが受けられないだけでなく、性暴力に遭って精神的なトラウマも抱えるなど、紛争のSRHRへの影響は、非常に深刻です。 シリア以外でも、性暴力の経験者はヨルダンやエジプトで3 人に1 人、チュニジアでは47%にも上るなど、課題が多くあります。 ― 性暴力のほかに、女性の健康に関する課題は特に何がありますか。 まず高い妊産婦死亡率が挙げられます。ソマリアでは、出生10 万あたり約800 人(2013 年データ)と非常に高い状態です。また、紛争地では妊産婦死亡率が悪化しました。シリア危機では、2010 年に出生10 万あたり56 人だった妊産婦死亡率が、2013には65 人になってしまいました。 またアラブ地域では、18 歳になる前に結婚する女性も数多くいます。これは親が性犯罪や性暴力から「娘を守るために」早く結婚させるという現実を反映しています。女性性器切除(FGM)もモーリタリア、スーダンなどでいまだに深刻です。 ― IPPF の加盟協会はどのような活動をしていますか 移動クリニックと診療所を通して、SRHRを中心とした保健サービスとカウンセリングによる精神的ケアを提供しています。シリアでは、2013 年と2014 年に大幅にサービス提供件数を増やすなど、ニーズに応じて活動を拡大しました。実際に現場で活動しているスタッフは、地元住民でもあり、地域に根付いていますから、IS(イスラム国)に支配されるようになった地域でも、活動を継続しています。 このように非常に混乱した紛争地で人々のSRHRニーズに応える活動ができている団体はIPPFのほかに類を見ません。 また、スーダンやモーリタニア等では、IPPF・日本信託基金(JTF)の支援によるプロジェクトを実施しており、日本政府に感謝しています。サービス提供数は増やしていますが、すべてのニーズには応えられていません。今後もさらなるご支援を心よりお願いいたします。   <プロフィール> アドボカシーや資金調達などを担当。チュニジア保健省「人口とリプロダクティブヘルス・研修・研究センター」所長、国連人口基金(UNFPA)チュニジア事務所でのリビア人難民に対するリプロダクティブヘルス関連支援のコーディネーターなどを経て現職。   *この記事は、公益財団法人ジョイセフが発行するリプロダクティブ・ヘルスに関するオピニオンマガジン、アールエイチ・プラス(RH+)に掲載されたインタビュー記事を、許可を得て転載しています。

Neonatal device IPPF Ethiopia

エチオピアで女性と若者の健康と権利を守るNGO

※ こちらの記事は、IPPF東京連絡事務所を務める公益財団法人ジョイセフのウェブサイトに掲載されたものを、許可をいただいて転載しています。元の記事はこちらです。 2016年8月19日 2016年8月上旬、国際家族計画連盟(IPPF)のエチオピア加盟協会「IPPFエチオピア」の本部と併設のクリニックを、ジョイセフ職員が訪ねました。 IPPFエチオピアは、現地ではFamily Guidance Association of Ethiopia(FGAE)の名で広く知られています。 IPPFエチオピアは、IPPFが取り組むセクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR、性と生殖に関する健康と権利)を推進するNGOです。アフリカの非常に多くの国にあるIPPFの加盟協会の中でも、大きな組織の一つです。 日本の約3倍の国土に支部が8つあり、クリニックは55あります。若者への包括的性教育、医療従事者の研修、クリニックでの避妊や妊娠・出産へのアドバイスや子宮頸がん検診など、事業は実にさまざまです。常勤スタッフは700人、一線で活躍するボランティアは1700人にも上ります。また、分娩台など多くの設備が日本政府の資金協力で設置されています。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 医師ナドゥ・メコネン(Nadew Mekonnen)さんの話を紹介します。 Q:医師になったきっかけは何ですか。 A:母は7人子どもを産みましたが、生き残ったのは2人だけで、その一人が私です。当時、特に地方では予防接種ができなかったり、衛生状態が悪かったり、近くに病院がなかったりして、多くの子どもが命を落としていました。そんな状況を変えたいと思って医師を志しました。 Q:なぜこのクリニックで働いているのですか。 A:母はもちろん、すべての女性を尊敬しており、女性たちのために働きたいからです。女性たちは家事や育児に忙しく、お金も節約し、自分のためには病院に行きません。そんな女性たちのためにサービスを提供できるこの病院で働けることに大きなやりがいを感じています。また、多くの病院では一度に一つのサービスしか受けられないのですが、ここではそれぞれのニーズに応じて、一度に三つ以上のサービスを提供しています。また、多くのサービスが無料であることから、患者さんの満足度が高いことがうれしいです。 Q:課題は何でしょうか。 A:スタッフはよく訓練されていますが、人数が足りず、部屋も不十分です。家族計画や性暴力被害者へのカウンセリングなど、長期的支援が必要なサービスも多いので、長期的に質の高いサービスを持続できるような資金確保が課題です。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: エチオピアでは今も18歳未満の女児の「児童婚」や、女性性器切除(FGM)の慣習が一部で残り、IPPFエチオピアはジェンダー平等や女性のエンパワーメントの観点でも、政府と連携して活動しています。セックス・ワーカーと呼ばれる性産業従事者に特化したサービスも提供しています。 最近は特に若者を対象にした事業を重視しています。気軽に相談に来られる「ユース・センター」の設置や、児童・生徒対象に卓球や演劇などのクラブをつくって活動し、男女ともに楽しみながら、自分の権利と健康を守ることを促しています。 (アドボカシーグループ 宮地佳那子)

Girls Decide landing image
30 June 2016

決断する少女たち

このプログラムでは、若い女性が直面しているセクシュアル・ヘルスやセクシュアリティに関わる重大な課題に取り組んでいます。調査、意識向上、アドボカシー(政策提言)、サービス・デリバリーなどを行う、急成長している国際的プログラムです。   決断する少女たち)」は少女や若い女性のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関するプログラムです。世界中の、妊娠や出産に伴う病気の患者のうち、10~19歳の少女が23%を占めます。毎年250万人が安全でない人工妊娠中絶に至ると推定されています。HIVやエイズとともに生きている若者は世界中で550万人に上り、そのうち60%が若い女性です。 (決断する少女たち)」ではさまざまな提言、教育、情報を提供し、少女や若い女性のセクシュアル・ヘルス/ライツの向上のための支援活動を行っています。その一つに、国籍の異なる6人の若い女性がセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスについて決意を固める姿を描いたフィルムがあります。このフィルムは名誉ある国際映像・コミュニケーション賞 を受賞しました。 少女や若い女性が、命を救うための重要なサービスや情報にアクセスする場合、また、自分の人生について意義のある選択ができる場合、彼女たちは権利を与えられます。彼女たちの家族やコミュニティの幸福な生活が向上するのと同じように、彼女たち自身の生活の質が向上します。国際的に同意を得た開発目標を達成するための、彼女たちの集団的能力が強まります。 ほぼすべてのIPPF加盟協会は青少年に対しサービスを提供しており、サービス受給者の3人に1人は25歳未満の若者です。少女と若い女性は皆、権利保有者であり、セクシュアル/リプロダクティブ・ライツを得ることができます。 IPPF事務局および加盟協会は、原則として、少女の権利を尊重し、質の高いサービス提供を実現することで少女たちを援助します。少女たちがセクシュアリティや妊娠について自ら決断できるよう、彼女たちを支援します。また、地域・国・国際的なレベルで、少女や若い女性が直面する課題に取り組み、彼女たちのセクシュアル/リプロダクティブ・ライツを支持します。

At a glance 2015- front page
22 June 2016

2015年 活動一覧

国際家族計画連盟(IPPF) 2015年の主要実績です。 このページからダウンロードしていただけます。          

IPPF's Director General, Tewodros Melesse

IPPF戦略枠組:変化のための運動を引き起こす

2016年1月26日 国際家族計画連盟(IPPF)は2016年1月、今後7年間に適用される、新しい「戦略枠組」を公式に発表しました。この枠組を通して、少女と女性が自由に、そして自分のために、子どもを産むか産まないか、または何人の子どもを持つかを決める権利を促進し、支援していく決意を新たにしました。この新枠組は、インドネシアで開催された「国際家族計画会議」で発表されたものです。 IPPFは、家族計画、安全な中絶、HIV、性やジェンダーに基づく暴力や生殖器のがんなどへの対応を含む、効果や質の高い、権利に基づいた、統合されたセクシュアル・リプロダクティブ/ヘルス・ライツサービスを、「戦略枠組」に沿って提供します。さらに、より充実した保健医療サービスの提供を可能とするために、官民を問わず他の保健医療機関をサポートします。また、同枠組に含まれる組織の効率性や人道危機における対応能力の向上や、各国加盟協会とIPPF全体の収入額の増加を通じ、できるだけ多くの人々にサービスを提供していきます。 IPPFのテウォドロス・メレッセ事務局長は、「戦略枠組」の発表に際して次のようにコメントしました。「家族計画を提供する世界最大の市民社会組織として、IPPFは持続可能な開発目標(SDGs)に関連するセクシュアル・リプロダクティブ/ヘルスのニーズの多くに、草の根からこたえるよう支援できます。新しい「戦略枠組」によって、これまでより迅速な対応が可能となり、説明責任能力もより高い連盟になります。セクシュアル・リプロダクティブ/ヘルス・ライツの現状に実質的な変化を与える組織として、IPPFの存在感が高まるでしょう。世界中の加盟協会と策定した新しい「戦略枠組」が、今後7年間、IPPFと加盟協会やパートナーとの活動を導きます」 国連人口基金(UNFPA)のブノワ・カラサ、エチオピアのケセテベルハン・アドマス保健相、ユース・アクティビストのプリヤ・キャスなどを迎えたハイレベル・レセプションで、メレッセ事務局長は、家族計画に関する活動を見直し、全世界でさらに1億2000万人の女性にサービスを提供するという新たな目標を発表しました。 イベントの議長を務めたナオミ・セボニIPPF会長は、次のように挨拶しました。「IPPFは毎年、何百万という人々を支援しています。2015年には、約6200万人の人々がIPPFのサービスを利用しました。IPPFのコミットメントを実現し、各国政府が、確約した目標を実際に達成するよう、はたらきかけ、モニタリングしていきます。IPPFの新たなプレッジ、を実現することで、「家族計画2020(FP2020)」の大胆な目標や「持続可能な開発目標(SDGs)」の目指す世界の実現に貢献していきます」 「戦略枠組」は、 もっとも脆弱な人々のニーズを満たすことという新たなゴール達成を目指す、世界中が一丸となって引き起こす行動です。。そして、IPPFが大きな期待と誇りを持ち、今後7年間に取り組むべき優先事項を次の4つの明確な結果を出すことと定めたビジョンです。   100カ国の政府が、法制、政策やその実施状況を確実に改善させることにより、ジェンダーの平等と性と生殖に関する権利を尊重し、保護、実現する 変化を起こす政策提言者として女性・若者リーダーの活動を促す 2022年までに、10億の人々が自由意志に基づいて、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を追求できるようエンパワーする 20億件の質の高い統合された性と生殖に関する保健医療サービスを提供する。サービスは人々の権利に基づき、安全な中絶、HIV対応なども含め、官民の保健医療機関を通じて提供する   今後7年間の活動を通じ、IPPFはより効率的で、説明責任を果たせる、団結した連盟になります。IPPFは組織の運営効率を上げ、各国、グローバルともに収益を倍増させます。ボランティアやアクティビストを養成し、独自の提言活動や発言を重ね、IPPFの「声」を構築していきます。 IPPFは、各地の加盟協会が主導し、グローバルにつながった市民社会運動を率いていくことを使命としています。その中で、全ての人々、特に公的サービスが届きにくい人々に向け、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利)の実現に必要なサービスを提供し、またその提供を可能にし、政策提言する活動を行っています。

2013年 活動一覧
13 August 2014

2013年 活動一覧

国際家族計画連盟(IPPF) 2013年の主要実績です。 このページからダウンロードしていただけます。

2012活動一覧
10 September 2013

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サービス提供活動の成果 2012年