アンジャリ - エンパワーメントへの道

IPPF 日本信託基金

アンジャリ

エンパワーメントへの道

「JTFプロジェクトは、私に周りの女性を助ける自信を与えてくれました。」

アンジャリは、インド中部のグワリオール市で静かな家庭生活を営む、ごく普通の主婦でした。ある時、家計が苦しくなり、彼女は収入を得ようと仕事を探しました。これが、彼女がIPPFインド(FPAI)の実施するIPPF日本信託基金(JTF)プロジェクトに関わるようになったきっかけです。2018年の事でした。

JTFプロジェクトの活動により彼女は、当初は思ってもみなかった、新しい生き方への扉を開けることになったのです。彼女は活動を通してつけて行った自信に支えられ、女性の権利を擁護する活動家や女性の経済的自立を支える指導者へと大きく変わっていきました。

プロジェクトでまず取り組まなければならなかったのは、自助グループの結成でした。アンジャリは、自助グループの活動を通して250人以上の女性と少女を無料で美容師に養成し、彼女の支援によりその多くが職を得ています。

アンジャリは、コミュニティ内のより多くの女性に他の職業技術を教えられると気づきましたが、それには支援が必要でした。そこで彼女は、プロジェクトの支援を受け、自分の家に設けたトレーニングセンターに、粉砕機とミシンを設置しました。その後もアンジャリは、同様の支援を受け、取り組みを拡大していきました。

現在、アンジャリの自助グループの女性はスパイスを挽き、布袋などの製品を作って地元で販売しています。また、彼女達は、新規市場の開拓や帳簿の管理など、経営スキルも学びます。新型コロナ感染症に際しては、州政府からマスクの製作を請け負ってもいます。

「JTFプロジェクトから多くの支援を受けました。自信を得たこともその一つです。自分のためだけでなく、他の女性のためにも、このイニシアチブを始める自信を。」

アンジャリは、コミュニティの人々の信頼を得ることで、女性が家の外に仕事を求めることを少しずつ可能にしていきました。多くの女性は愛情を込めて彼女を「母」または「姉」と呼びます。

トレーニングを行うアンジャリ

「この少女たちには結婚しても経済的に自立してほしい。自分の経験から言いますが、すべての女性は家の外に出て過ごす時間を持たなくてはなりません!」

アンジャリの自助グループは、正規の学校教育を受けていない女性にも働きかけています。

家庭内紛争解決のためのスキル開発

キャプション:アンジャリは、学校、大学、地元の医療施設で30以上のSGBVに関するアウトリーチミーティングを実施しました。

プロジェクト2年目には、アンジャリの活動は職業訓練の域を超えて広がりました。

「私には、不正行為をされてもその相手に立ち向かう勇気はありませんでした。でも今は、自分のためだけでなく、コミュニティの女性たちのためにも立ち上がります。私がこの一歩を踏み出せたのは、JTFプロジェクトが、多くの新たな道を切り開いてくれたからです。そのおかげで、他の組織や人々にも頼られるようになりました。」

彼女は、性的およびジェンダーに基づく暴力(SGBV)に晒された女性への支援のために州政府により設けられた、緊急救済と公正な行動のためのURJAプログラムのカウンセラーになりました。週に2日、地元ジャナガンジ警察署のヘルプデスクに通うほか、アウトリーチも行います。

「アウトリーチでSGBVに対して沈黙を破ろうという主旨の会合を開くと、嫌がらせや虐待など多くの問題に直面しているのに声を上げられない女性や少女たちに会います。そこで、これはヘルプデスクを強化しなくてはならないと思い、自助グループのメンバーにもURJAプログラムへの参加を促しました。今では、会合や警察署にも一緒に来てくれます。」

アンジャリの家族への影響

アンジャリの家族も彼女と一緒に変わってゆきました。最初は彼女の義母ラマと夫プラディープは、彼女が仕事のために家を空けることについて良くは思いませんでした。

ラマは言います。「普通、嫁たちは仕事に出かけることはありません。私たちは、彼女の身の安全についても心配しました。けれども、ここ数年、多くの女性が彼女を重んじているのを見て、嬉しく思っています。」

アンジャリは自分の人生を変えただけでなく、何百人もの女性と少女たちのために新しい道を切り開き、機会を生み出しました。IPPFインド(FPAI)のニーラム・ディクシットは、

「アンジャリの『やってみよう!』という姿勢には刺激されます。彼女は女性を経済的に支援するために活動しているだけでなく、彼女達のかかえる問題すべてに手を差し伸べます。活動を始めた当初、アンジャリは躊躇うことも少なくなかったですが、今、彼女は何にでも一人で取り組めます。」

夫と義母とアンジャリ

「グループメンバーやIPPFインド(FPAI)チームなど、私に刺激を与えてくれる女性に感謝しています。彼女達は私の支柱です。また、家族の支援にも感謝しています」

プロフィール

自助グループのメンバーであるアルチャナは、「私は『アンジャリ・ディディ(姉)』と一緒に働くのが大好きです。彼女の助けを借りて、私は暮らしが楽になっただけでなく、私のした仕事で認められるようにもなりました。彼女は私にとって姉のような人です。

アンジャリ・チャウハンはインド西部マハラシュトラ州で大家族に生まれました。アンジャリのコミュニティ・社会奉仕の精神は、ソーシャルワーカーであった父親の影響によるものです。また、子供時代、アンジャリはアア伯母さんと多くの時間を過ごし、人々を外見、地位、カーストによって判断せず、すべての人に人間として接するように教えられました。

高校卒業後、アンジャリは結婚と共にグワリオール市に移り、またそこで夫の大家族の一員となり、現在大学生の息子2人の母親になりました。義父と義兄の死後、逼迫した家計の助けになりたいとの動機で仕事を探しました。

2018年以来、アンジャリはは自助グループの創設者およびトレーナーとしてJTFプロジェクトに関わってきました。彼女はこの分野で働き続けたいと思っています。

公開日 2021年2月2日