| 11 June 2021
IPPF・G7ハイレベルラウンドテーブル:G7各国がUHCの実現に喫緊のSRHRへの取り組み強化を表明
IPPFは、11日から英国で開催されるG7サミット直前の6月7日、オンライン会合G7ハイレベルラウンドテーブル「女性と少女に力を、全ての人々に力を:身体の自己決定権とセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)」(以下、ハイレベル会合)を英国・カナダ両政府と共同開催しました。 5月3-5日に英国で開催されたG7外務・開発大臣会合で、G7外務・開発大臣は共同コミュニケを発表し、包括的なSRHRサ ービスへの普遍的なアクセスが、人々の命を救い、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する上で 極めて重要と認識した上で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行がSRHRに及ぼす深刻な影響への対処と防止、SRHRの普遍的な実現に向けた進展を加速していくため、G7以外の国々や市民社会との連携を含めた、SRHRへの取り組み強化にコミットしました。 ポストコロナ社会をより良く、より公平なものにするためには、SRHRを社会の中心に据えなくてはなりません。SRHRは健康のみならず、ジェンダー平等の実現にも重要な役割を担っているからです。 このハイレベル会合の大きな目的は、G7・ゲスト国の高官が、前述のコミュニケに含まれたSRHRへの取り組み強化のコミットメントを果たす重要性について話し合い、この機運を11日から英国で開かれるG7サミット、30日からフランスで開催される「平等を目指す全ての世代フォーラム(Generation Equality Forum)」につなげることでした。ハイレベル会合にはG7・ゲスト国の9カ国(米国、英国、インド、オーストラリア、カナダ、ドイツ、日本、フランス、南アフリカ)より4名の大臣を含む政府高官が参加しました。日本政府からは、小野啓一外務省地球規模課題審議官が出席し、以下のように述べました。 「COVID-19は、脆弱な人々の窮状を悪化させました。最も弱い立場にある人々に最初に手を差し伸べることは、UHCを実現するためにも、また、SRHRを含むCOVID-19に対する効果的なジェンダー対応を確保するためにも重要です」 他の政府高官からは「パンデミックの影響で学校に戻れない何百万人の若者向けに質の高いエビデンスに基づいた教育が欠かせない」、「パンデミックへの対応と、女性と少女のニーズへの対応とを統合できるような、より良い保健システムの構築が必要」などの発言がありました。 ハイレベル会合後、IPPF事務局長のアルバロ・ベルメホは次のように話しました。 「日本政府代表の小野地球規模課題審議官を含むG7ハイレベルラウンドテーブル参加者から受けたSRHRへの力強いコミットメントに大いに勇気づけられました。COVID-19が、人々(特に女性や少女などの脆弱な人々)の健康と生活に大きな影響を及ぼし、健康格差が広がり続けています。G7・ゲスト各国の首脳が、G7外務・開発大臣会合コミュニケで明言した、SRHRの普遍的な実現に向けた取り組み強化のコミットメントを、確実に実行していくことを強く望みます」
| 07 December 2020
IPPF日本信託基金オンラインイベント:UHC達成の鍵はパートナーシップ:ウガンダのケースから
IPPF日本信託基金オンラインイベント UHC達成の鍵はパートナーシップ:ウガンダのケースから ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ・デー関連企画 Power in Partnerships: An Ugandan Case Study toward Health for All 12月12日はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)国際デーです。SDG3.8のターゲットにもなっているユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)は、すべての人に対する基礎的な保健サービスへのアクセスの実現等を目指しています。昨年の国連総会では日本政府の主導で国連初の政治宣言が採択され、UHC達成に向けた政治レベルの強いコミットメントが示されました。 この機会に、今年20周年を迎えた国際家族計画連盟(IPPF)日本信託基金の支援を受け、2018年から2020年まで、IPPFウガンダ(RHU)が実施し、女性・少女の保健サービスへのアクセス向上を通じ、「すべての人々が質の高い医療保健サービスを利用可能にする」というウガンダのUHC達成に向けて大きな成果をあげたプロジェクトについてご紹介し、話し合うオンラインイベントを開催します。 同プロジェクトの成功の鍵は、ウガンダ保健省、日本政府、サラヤ株式会社及びサラヤ現地法人であるサラヤ・マニュファクチュアリング・ウガンダ(SMU)、公益財団法人ジョイセフ(IPPF東京連絡事務所)とのパートナーシップによって、RHUがコミュニティで提供する医療サービスの質を向上できたことです。サラヤ株式会社は、ジョイセフとの連携事業である「Saraya Safe Motherhood Project」を通じてRHUに寄付を行い、RHUはその寄付によりSMUが現地で製造した手指消毒剤を調達して同プロジェクトの対象クリニックで活用し、SMUは手指消毒の重要性に関する研修を同プロジェクトのサービス提供者向けに実施しました。現在、COVID-19の影響で、手洗いと手指消毒の重要性は高まるばかりですが、本プロジェクトでも、手洗いと手指消毒徹底の促進により、クリニックの環境改善、SRHサービスの充実、研修を通した行動変容において大きな成果を上げることができました。 本プロジェクトにおいては、日本とウガンダの官民(NGO・民間企業)のパートナーシップによって、現地の保健システムへの投資(人、物、金、技術、時間等)が集中的に行われた結果、より多くの女性・少女にサービスを届け、命と健康を守ることが可能となりました。 本イベントを、プロジェクトを軸に、コロナ危機を乗り越えUHCを達成するためにパートナーシップの意義を考える機会として開催いたします。ぜひご参加ください。 ■開催日時: 12月17日(木)17:00 ~ 18:15 (日本時間) ■開催場所: オンライン (Zoom) ■言語: 日本語(英語の発表時には逐次通訳あり) ■プログラム 17:00~ 開会 17:05~ 開会挨拶 福澤秀元氏/在ウガンダ日本国大使館特命全権大使 17:10~ プロジェクト概要紹介 ジャクソン・チェクェコ氏/IPPFウガンダ(RHU)事務局長 (予定) 17:15~ パネルディスカッション 北條健生氏/サラヤ株式会社 海外事業本部 アフリカビジネス開発室 室長 アネット・チャリンパ氏/IPPFウガンダ(RHU)プロジェクト・コーディネーター ドリーン氏/ウガンダ・グル地区 私立医療施設勤務 コメンテーター:治部れんげ氏/フリージャーナリスト・公益財団法人ジョイセフ理事 ファシリテーター:柴千里/ジョイセフ プログラム・オフィサー 17:45~ 質疑応答 18:00~ メッセージ:サム・ヌテラモ氏/IPPF アフリカ連合連絡事務所長 18:05~ 閉会挨拶 代島裕世氏/サラヤ株式会社取締役・コミュニケーション本部 本部長 ■申込: https://forms.gle/ZuW75KvRDrDvy1c68 申込フォームへ登録いただいたメールアドレスにZoomの入室リンクをお送りします。 ■主催 国際家族計画連盟、公益財団法人ジョイセフ 多くの皆様のご参加をお待ちしています。 関係者一同
| 28 October 2020
IPPFモロッコ(AMPF)による海で働く男性を支援する日本信託基金プロジェクトが開始しました
2020年10月27日、モロッコ中部の都市アガディールで、IPPFモロッコ(AMPF)が手がけるIPPF日本信託基金(JTF)プロジェクトの開始式が行われました。 このJTFプロジェクトは、日本政府による支援の下、海で働く男性の健康向上と、性とジェンダーに基づく暴力(SGBV)の防止を目指し、アガディール港を中心としたコミュニティで実施されます。AMPFは、港湾協会や水産業者と連携し、地域経済に欠かせない存在でありながら、必要な医療サービスを受けにくい環境にある船員や漁師たちにセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖の健康、SRH)サービス・情報を届け、SGBVを減らすために心理社会的ケアを提供します。また、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を実現するために職場と地域の水産業関係者への啓発活動を行います。 同プロジェクト開始式はスース・マッサ地域圏庁の協力の下に開催され、モロッコの保健省、農業・海洋漁業省、中部大西洋海洋漁業会議所などの関係者が出席し、現地メディアも取材を行いました。 篠塚隆駐モロッコ王国日本国特命全権大使は次のように述べました。 「ジェンダーに基づく暴力は、もっとも広範に行われている人権侵害の一つです。日本政府は、SRHR、特に家族計画の主要な擁護者の一人として、同分野への開発協力に多大な資金的・技術的援助をしてきました。AMPFのように知名度と実績のある団体が、長年日本との協力を積み重ねてきた農業・海洋漁業省と、人権侵害をなくすという共通の志を持ち、協力するこのプロジェクトの成功は、約束されていると信じています。モハメッド6世国王陛下のご指導の下、女性の地位向上が着実に進んでいるモロッコでこのプロジェクトを実施できることを誇りに思います」 IPPFモロッコ(AMPF)の会長Dr Latifa Mokhtar JAMAI氏は、 「モロッコで最も貧しく医療サービスが届きにくい人々の健康への権利を推進するためのこの活動をAMPFが実施することになり、日本政府、そして日本国民の皆様に心より感謝します」と述べました。 このプロジェクトは2022年まで2年間実施されます。今後のプロジェクトの行方にどうぞご期待ください。 詳細は、IPPF本部の高澤裕子([email protected])、または谷口百合([email protected])までお問合せください。
| 06 June 2019
日本人初 IPPF地域事務局長に福田友子が就任
国際家族計画連盟(International Planned Parenthood Federation:IPPF)東京連絡事務所(公益財団法人ジョイセフ内)とIPPF東・東南アジア・大洋州地域事務局(IPPF ESEAOR)は、2019年6月1日付で、福田(ふくだ)友子(ともこ)が同地域事務局長として着任したことをお知らせします。 IPPFは世界のすべての人々が差別されることなく、自分の健康とセクシュアリティについて自由な選択ができる社会を目指し、性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、SRHR)の情報とサービスを提供しています。150カ国以上に広がる加盟協会から成る連盟として、現地が主導しグローバルにつながる市民社会運動を率いて、特に脆弱な立場におかれている人々の人権が守られるように活動しています。 IPPFの地域事務局長は世界に6人おり、それぞれIPPFのシニア・マネジメント・チームの一員として、IPPFのグローバルな組織運営、また各地域事務局において、IPPF加盟協会の活動を指導、協力します。福田は、日本人初の地域事務局長として、日本の加盟協会である日本家族計画協会を含む25の加盟協会を管轄する東・東南アジア・大洋州地域事務局の活動を、マレーシアのクアラルンプール本部において牽引します。 福田は、2019年5月まで公益財団法人ジョイセフのアドボカシーマネージャー。1995年に入団後、ラオス、ミャンマー、バングラデシュ、東ティモール等での開発援助プロジェクトを担当。主にリプロダクティブ・ヘルスに関する健康教育事業を手がけ、技術移転に力を注いできました。2015年からは国際保健やジェンダーの平等について政策提言を行うアドボカシーグループのチーフとして、G20/G7、TICADなどの国際会議で政策提言をしてきたほか、SDGs達成に向けて日本で活動する「SDGs市民社会ネットワーク」のジェンダーユニットの幹事団体としての任務を果たしました。SRHRに関するアジア太平洋アライアンス(APA)の運営委員、さらにユニバーサル・ヘルス・カバレッジを推進するUHC2030の市民社会参画メカニズムのアドバイザリーグループメンバーとして、日本からアジアはもとより、世界のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスの促進に努めてきました。 就任に当たり福田は「急速に変化する社会の中で、加盟協会に求められている役割が変化してきている。迅速、かつ適切に、様々な状況におかれている人々にセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスに関する情報とサービスを提供し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成に貢献できるよう各加盟協会をサポートしたい。またIPPFとして、すべての人々のセクシュアル・リプロダクティブ・ライツの実現を求める声を力強く上げていきたい」と述べています。 福田友子は東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。
| 18 May 2018
国際家族計画連盟(IPPF)事務局長来日キャリアセミナー のお知らせ
国際家族計画連盟(IPPF)事務局長来日キャリアセミナー 世界の女性に健康と権利を~IPPFの使命~ 日 時:2018年5月29日(火)17:30-18:30(開場17:00) 場 所:上智大学四谷キャンパス 2号館17階国際会議場 https://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/accessguide/access_yotsuya.html 目 的:1日に830人の女性が妊娠・出産・安全でない中絶が原因で死亡しています。世界の女性の3人に1人の女性が生涯に身体的・性的暴力を受けています。 妊産婦死亡、望まない妊娠、HIVとともに生きる女性の健康と権利、レイプ・紛争下の性暴力・DV・セクハラ・児童婚・人身売買・女性性器切除などのジェンダーに基づく暴力・・・。 これらは「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」推進によって改善されなければならないグローバルな課題です。 国際家族計画連盟(International Planned Parenthood Federation:IPPF)は国際赤十字・赤新月社連盟に次ぐ世界的な国際NGO。ジェンダー平等はもちろん、すべての人々がいかなる差別も受けずに、自分の人生を切り拓くことできる世界の実現を目指します。 世界のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの課題と、それに対するIPPFの取り組み、そしてIPPFで働く魅力をご紹介します。 プログラム: ◆開会の挨拶 曄道佳明上智大学長 ◆共催者挨拶 外務省 ◆ 「IPPFの使命と役割」 Dr アルバロ・ベルメホIPPF事務局長 ◆ 「IPPFで働くということ」 谷口百合IPPFチーフ資金調達 アドバイザー(東南アジア) ◆質疑応答 共 催:国際家族計画連盟(IPPF)、 外務省、上智大学、公益財団法人ジョイセフ 後 援:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター グローバルヘルス人材戦略センター 対 象:学生、グローバルヘルスに関心がある方、国際機関・NGOへの就職に関心がある方、保健医療専門家 等 定 員:100名 言 語:日本語(英⇒日同時通訳あり) 参加費:無料 申 込:https://eipo.jp/sophia/seminars/ 問合せ:ジョイセフ アドボカシーグループ E-mail: [email protected] / TEL: 03-3268-3172
| 06 February 2017
IPPFシリア(SFPA)事務局長の訴え、日本で報道
シリアのIPPF加盟協会であるNGO「IPPFシリア(SFPA)」のラマ・ムアキア事務局長(医師)が2016年11月に来日し、紛争で深刻な状況が続くシリアの現状と、SFPAの活動を報告しました。彼女の訴えが、2016年11月と2017年2月、全国紙の新聞と開発専門誌に掲載されました。 【掲載記事はこちら】 毎日新聞2016年11月26日(渋江千春記者) 国際開発ジャーナル2017年2月号 (川田沙姫記者)