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JTF

パキスタンのマルダン地区に住む性とジェンダーに基づく暴力と有害な伝統的慣習のサバイバーのニーズに応えるプロジェクト

プロジェクト期間 2019年9月~2021年9月

実施した加盟協会 IPPFパキスタン(R-FPAP)

目標

本プロジェクトでは、SRHRサービスを満足に受けられていない人々、特に性とジェンダーに基づく暴力のサバイバーのニーズを満たすことを目指しました。

活動

目標1 3,000名の性とジェンダーに基づく暴力(SGBV)と有害な伝統的慣習のサバイバーがSRHRサービスを受けられるようにすること。

目標2 SGBVと有害な伝統的慣習のサバイバーを経済的にエンパワーメントすること。

目標3 SGBVと有害な伝統的慣習への忍耐と受容度を、特に女性と少女の間で減らすこと。

背景

パキスタンのカイバル・パクトゥンクワ州マルダン地区では家父長制が根深く、女性に対するあらゆる形態の暴力について誰も口にしません。カイバル・パクトゥンクワ州では、女性の権利の促進、特に性とジェンダーに基づく暴力(SGBV)と有害な伝統的慣習に関連した女性の権利の促進がなかなか進みませんでした。マルダン地区では、ほとんどすべての家庭でSGBVと有害な伝統的慣習の問題があります。

成果

R-FPAPは地区でプロジェクトチームを結成し、メンバーを養成しました。これにより、地域コミュニティで医療従事者、部族会議、宗教指導者とつながりができ、強い関係を構築できました。

SGBVと有害な伝統的慣習のサバイバーを見つけ出すため、プロジェクトチームは女性健康相談員(LHV)が運営する4カ所の常設クリニックと月に8回のモバイル・クリニックを実施しました。ダル・ウル・アマンでも月2回のモバイル・クリニックを実施しました。

遠隔地でアウトリーチ・クリニックを実施して、チーム内で学びを共有しました。次のような学びがありました。

  • 活動地域のSGBVと有害な伝統的慣習のサバイバーたちのSRH情報とサービスへのアクセスが改善され、自分の知識を使ってリプロダクティブヘルスに関する決断ができるようになりました。
  • 職業訓練によって経済的にもエンパワーメントされ、自信を取り戻し、今住んでいる所での社会的地位を向上できました。スティグマや差別と戦い、SGBVと有害な伝統的慣習に立ち向かう力を、女性と少女たちは持てるようになりました。
  • コミュニティはSGBVと有害な伝統的慣習に対応するだけの能力とシステムを得ました。
  • 照会機関は効果的にネットワークとなり、女性の健康を実現し、暴力から守り、社会的にエンパワーメントできる仕組みができました。

プロジェクトで特に成功と考えられたのは、コミュニティと広域レベルで様々なグループが参加し、相互につながることができたことです。地元メディアと劇団が課題を取り上げてくれました。

これらのネットワークの場面で、個人的・社会的なレベルでSGBVと有害な伝統的慣習にまつわる課題を全体として、また個別に話し合うことができました。政府の部署、公的・民間のステークホルダー、影響力を持つコミュニティ指導者を議論に巻き込むことで、プロジェクトを通じて支援ネットワークが構築でき、マルダン地区のコミュニティに長期的な社会変革をもたらそうとする社会的合意が形成できました。

A survivor receiving her training completion certificate
修了証をもらうサバイバー


政府の職業訓練センターで生地を切る訓練を受けるサバイバー
政府の職業訓練センターで生地を切る訓練を受けるサバイバー


手縫いの練習に勤しむサバイバー
手縫いの練習に勤しむサバイバー

何年も暴力を受けてきましたが、夫と義理の両親が恐ろしくて、誰にも話してきませんでした。ここで(R-FPAP)だけ自分に自信を持てるようになり、自分の状況を話せたのです。

グル・ビビ(仮名)

SGBVと有害な伝統的慣習のサバイバー

数値で見る成果

指標 目 標 数 合計
提供したSRHサービス数   339,626
上記のうち避妊法サービス   162,890
上記のうちHIV関連サービス   6,313
SRH以外のサービス数   6,458
配付したコンドーム数   N/A
サービス提供を受けた人数   54,111
情報提供を受けた人数   54,112
プロジェクト活動に参加した人サバイバー数 3,000 3,509
上記のうちモバイル・クリニックでSRHサービスを受けたサバイバー数 3,000 3,125
モバイル・クリニックでサバイバーに提供したSRHサービス数   103,481
職業訓練を受けたサバイバー数 450 448
上記のうち、政府の女性向け職業訓練センターの上級訓練コースに参加したサバイバー数 50 65
設立されたサバイバーグループ数 4 4
設立されたコミュニティ支援グループ数 4 4
コミュニティ支援グループで実施された会合数 32 32
SGBVとジェンダーに関する講習を受けた現地ジャーナリスト数 15 15
講習を受けたジャーナリストが書いたSGBVとジェンダーに関する記事の数 30 32

プロジェクト動画

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