プロジェクト期間 2020年1月~2021年12月
実施した加盟協会 IPPFシエラレオネ(PPASL)
目標
シエラレオネ、モヤンバ地区の5名の部族長が治める地域で、女性と若者のSRHサービスへのアクセスを向上し、HIV、AIDS、SGBVの発生件数を減らすことを目指しました。
活動
目標1 30,000名の女性と若者(特に周縁化された女性と少女)のSRHを向上するため、知識と情報を提供する。
目標2 30,000名の女性と少女(特に周縁化された者たち)にHIVとSGBV対応を含む統合されたSRHサービスを提供すること。
背景
モヤンバの農村部では、貧困のために女性と少女は特に脆弱な立場にあり、性とジェンダーに基づく暴力(SGBV)と意図しない妊娠が多く、SRHと家族計画サービスが受けられません。

成果
様々な取り組みを通してSRHニーズを掘り起こしました。女性と若者のグループのメンバーがコミュニティで啓発活動を行い、そのいくつかは演劇グループを結成して演劇を通じてメッセージを伝えました。部族長、宗教指導者、その他コミュニティのステークホルダーに家族計画サービスの促進をするように働きかけました。若い女性と少女たちを家族計画につながることを許さない社会的な障壁について、コミュニティ指導者たちは地元のラジオで議論しました。また、ラジオでは番組の間にこの議論とHIV、SGBV予防などの課題についてのお知らせを流しました。
トレーニングを受けた自治体の公衆衛生担当の医療従事者20名とPPASLのメンバー15名が毎週、プロジェクト地域でアウトリーチ活動をしました。このチームには女性と若者グループの者、PPASLと公衆衛生担当の医療従事者、地区の健康管理チーム、モヤンバ評議会の各地区の評議委員、PPASL/JTF演劇グループなどがいました。
10のコミュニティで若者が利用しやすいセンターを作り、統合されたSRH、HIV、SGBVに関する情報と教材を用意し、15,000名の思春期の子どもと若者に提供しました。広告、掲示板、Tシャツを使い、プロジェクトの認知向上に努めました。プロジェクト終了間際には、モヤンバのJTFプロジェクトオフィスが若者向けSRHセンターになり、ソーラー発電機を備えて昼も夜もコミュニティ支援グループが使えるようになりました。
部族長の若者健康監視グループが女性と少女に対するSGBV事件の監視と対応のために作られ、コミュニティの女性と若者グループと連携して、SGBVサバイバーの照会増加を目指しました。また、JTFプロジェクトに対して懸念、成功、課題と言った有益な助言をしてくれました。
PPASLは脆弱なコミュニティを支援する2つのグループと覚え書きを交わしました。Voice of WomenというHIV陽性者の支援グループと、Disability Rights Movementという障がい者の支援グループです。VOWとDRIMはそれぞれのメンバーにSRHサービスを受けるように伝え、JTFプロジェクトを助けてくれました。
プロジェクト開始直後に新型コロナウイルスによる行動制限が敷かれました。PPASLは政府の新型コロナ対策チームに参加していたため、地区間の移動ができる許可証を得ました。これによりプロジェクト活動を続けられました。エボラ出血熱の対応を経験していたため、PPASLのメンバーはソーシャルディスタンシング、マスクや手袋などの防護服を準備してコミュニティでアウトリーチ活動ができました。

リプロダクティブ・ヘルス/ライツは障がいがない人だけのものではないと利用者、メンバー、裨益者に伝えることができました。障がい者がSGBVとそれによる苦痛を受けるケースは多いです。十分な予防策も家族計画サービスも、これまでありませんでした。JTFがこのような素晴らしいプロジェクトを実施してくれたことに、感謝が絶えません。ありがとうございます。
シルバヌス・ファナ
Disability Rights Movement事務局長

数値で見る成果
指標 | 目標数 | 合計 | Apr’21 – Dec’21 |
提供したSRHサービス数 | 51,462 | 15,896 | |
上記のうち障がい者へのサービス数 | 3,983 | ||
上記のうち避妊法サービス | 30,281 | 8,126 | |
上記のうちHIV関連サービス | 3,259 | 1,544 | |
SRH以外のサービス数 | 0 | 0 | |
配付したコンドーム数 | 146,940 | 58,400 | |
SRHサービスを受けた人数 | 30,000 | 39,828 | 13,247 |
上記のうち障がい者数 | 1,195 | ||
情報提供を受けた人数 | 30,000 | 61,939 | 23,824 |
上記のうち障がい者数 | 3,040 | ||
その他 | |||
需要喚起と紹介に関するトレーニングを50名のコミュニティ支援グループのメンバーに提供 | |||
統合SRHサービス提供に関するトレーニングを40名の医療従事者に提供 | |||
SRH情報と教材を10の若者保健センターに配備 |
プロジェクト動画
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