推定140万人の国内避難民(人口の半数以上)を収容するガザ地区の避難所では、女性や少女たちの間で生理用品が不足し、性感染症や尿路感染症に罹患しても過密状態のなかほとんど医療を受けることがでない、悲惨な状況となっています。
避妊具(薬)も不足する中、現地で医療サービスを提供しているIPPFガザチームによると、女性たちや避妊ピルを互いに分け合ってしのいでいる状況です。子宮内避妊器具(IUD)を使用している女性は、避難所の不衛生な環境により出血や感染症に苦しんでいます。現在、ガザではIUDを除去するすべはなく、出血過多を含め、女性のリプロダクティブ・ヘルスに長期的なリスクがもたらされています。
10月25日、国連は、ガザ地区の燃料が数時間以内に底をつく可能性があると発表しました。病院は緊急患者のみを受け入れているため、今後も多くの女性と女児がSRHに関する医療を受けることができないとみられています。イスラエルが、安全な出産キットを含む人道的支援物資のガザへの搬入を阻止し続ければ、ガザにいる推定5万人の妊婦[1]の大半が安全に出産できる場所を失い、少なくとも15%が合併症[2]に見舞われる可能性があり、これはすでに高止まりしている妊産婦死亡率をさらに悪化させることになります。
ガザのIPPFパレスチナ(PFPPA)の保健推進員、ワファ・アブハシェイシュは次のように述べています:
「避難所では、水不足、医療不足に加え、インフルエンザ、胸部感染症、皮膚潰瘍、疥癬、シラミ、下痢性疾患などの疾病が増加しており、少女や女性は月経障害を訴えています。女性たちは不足する避妊ピルを互いに分け合っています」
「ガザの国内避難民の数は140万人とされ、これは人口の半分以上です。過密した避難所では、食料、水、燃料が不足し、生命を維持するための基本的なサービスに刻一刻とアクセスしづらくなっています。現地の保健推進員の精神的・肉体的負担は計り知れません」
「個人的なことですが、サービス提供者として避難所にいることで、ストレス、恐怖を感じています。また、横になって寝たりまともに座ったりできないため、首や背中の痛みにも悩まされています。インフルエンザに感染し、ひどい呼吸困難になりましたが、患者数が多く、医薬品も不足しているため、満足な治療が受けられませんでした。休息をとるためには、やむを得ず危険で安全でない自宅に帰らなければなりませんでした」
IPPFパレスチナ(PFPPA)のアマル・アワダッラー事務局長は次のように述べています:
「妊婦が運よく保健センターや病院にたどり着けたとしても、受け入れられるのは子宮口が全開大してからです。さらに、病院の過密、スペース不足、物資不足のため、母子は出産後3時間以内に退院しなければなりません」
「女性たちは、もしまだ家が残っていればプライバシーのある清潔な自宅での出産を選ぶか、悲惨な状況の避難所を選ぶかを迫られています。どちらも危険であることには変わりない究極の選択です。ガザに安全な場所はありません」
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[1]情報源UNFPA
[2]情報源MIFP
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