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画期的な決定:国連人権理事会、セクシュアル・ライツ(性の権利)に言及した初の決議を採択

第56回人権理事会は、女性と女児の人権擁護にとって大きな前進となる決定を下しました。

2024712日、第56回人権理事会において、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)(性と生殖に関する健康と権利)」の文言が、総意により協議文書に盛り込まれ、女性と女児の人権擁護にとって大きな前進となりました。

決議で「性と生殖に関する権利」の一部分ではなく全体が言及されたのは、国連の歴史上初のことです。 本決議「HIV/AIDSにおける人権 (Human rights in the context of HIV and AIDS)」では、各国政府に対し、「HIV(エイズ)への対応において、若者、特に少女と若い女性、そして障害者固有のニーズに取り組むこと」および 「(中略)性と生殖に関する健康と権利(SRHR)についての教育プログラムだけでなく、 性と生殖に関する健康(SRH)サービスを発展させること」が強く要望されました。 HIV(エイズ)に関して全会一致で決議が採択されたのは、2019年以来のことです。

これまでのSRH/RR(Sexual and Reproductive Health/ Reproductive Rights, 性と生殖の健康/生殖の権利)への言及からさらに踏み込んだ「SR (Sexual Rights) 性の権利」が盛り込まれたことで、若者たちに性的暴力、女性性器切除(FGM)や夫婦間レイプから解放される権利、そして自らが選んだ相手と安全で健全な関係を築き、家族を作る/作らない自由が保障されました。

「文言が採択されたことは、国連における過去30年間のセクシュアル・リプロダクティブ・ライツ(SRR, 性と生殖に関する権利)の変遷の中で最も重要な進歩といえるでしょう。 自由、人権、身体の自己決定権への攻撃がますます増加している今、人権理事会の決議は、性的暴力のない人生を送るという人権擁護の目的に適うものでもあります」とジュネーブ事務所のIPPFシニア国際アドバイザー、エステル・ワグナー氏は述べています。

人権理事会では、「女性と女児に対するあらゆる形態の差別の撤廃(Elimination of all forms of Discrimination against Women and Girls)」も採択され、すべての女性が身体の自己決定、SRH、リプロダクティブ・ライツ(RR)、安全な人工妊娠中絶へのアクセス、包括的性教育(CSE)を受ける権利を有することを再確認するとともに、「SRHおよびRRの行使を犯罪化または制限するすべての法律と政策」を撤廃するよう、各国に求めました。また、国連決議では初めて、月経の貧困問題にも言及しています。

さらに、「若年妊娠およびテクノロジーを利用したジェンダーに基づく暴力tfGBV)の予防策の加速化」に関する新決議も採択され、「月経衛生管理、人権とジェンダー平等」に関する決議が更新されました。これらの決議では前回に比べ、ヘルスケアや人道的な側面が強調されました。IPPFはこれまで、国連の決議に進歩的かつ包括的な文言が含まれ、人々の生活に良い影響が与えられるよう、加盟協会や市民社会のパートナーと手を携えて活動を継続してきました。

IPPFは、権利の侵害や大きな困難に直面し、SRRを享受しにくい状況にある世界中の女性、女児、そして周縁化されたコミュニティと連帯しています。また国連レベルから、加盟協会が日々すべての人のSRHRのために闘いつづけている地域レベルまで、あらゆるレベルでの人権を推進するために尽力しています。

私たちは連帯し、その活動はゆるぎなく、すべての人が抑圧、差別、暴力から解放され、SRRを行使できるようになるまで、決して引き下がることはありません。

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