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Solidarity for the physical self-determination of women and girls

News item

キガリ行動喚起:女性と女児の身体の自己決定権のための連帯

「身体の自己決定権」は、ジェンダー平等の基盤であり、女性や女児が自己決定権を行使できる社会は繁栄します。この権利をあらゆる場所で守りぬくため、私たちはステークホルダーに6つの取り組みを求めます。

キガリ行動喚起:女性と女児の身体の自己決定権のための連帯

「身体の自己決定権」は、ジェンダー平等の基盤であり、女性や女児が自己決定権を行使できる社会は繁栄します。この権利をあらゆる場所で守りぬくため、私たちはステークホルダーに6つの取り組みを求めます。

 

2023年7月18日

キガリ行動喚起は、アフリカのルワンダ・キガリにて2023720日に閉幕した、ジェンダー平等や女性の健康と権利に関する世界最大級の国際会議「Women Deliver(ウーマン・デリバー)」にて採択されました。
UNFPA(国連人口基金)は、「キガリ行動喚起:女性と女児の身体の自己決定権のための連合」イニシアティブを発表、「女性主導の組織とフェミニスト運動を中核に据え、投資と行動を加速させ、2030年までに身体の自己決定、リプロダクティブ・ライツ、ジェンダー平等を達成することを目的とする」としています。
ウーマン・デリバーの社長兼CEO、マリハ・カーン氏は閉幕後の記者会見で、女性と女児の身体の自己決定およびSRHRを確実にすることの必要性を強調しました。

世界では、2023年中にSDGs(持続可能な開発目標)の目標5(SDG5)を達成する目処が立っていません。それどころか、女性の権利、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)及びジェンダー平等の世界的な後退を目の当たりにしています。

巧みに統率された反ジェンダー運動が引き金となっているこの世界的な後退は、これまで苦労して勝ち取ったジェンダー平等やリプロダクティブ・ライツを含む女性の権利に関する成果を脅かしています。政府間の交渉の場でも妨げとなり、支出金は減少し、法律は逆行し、保守主義が台頭し、有害なテクノロジーや気候変動などが、ジェンダー平等やリプロダクティブ・ヘルス/ライツの状況をさらに悪化させています。

SDGグローバル指標5.6.1*に関する最近のデータによれば、68カ国中、パートナーを持つ女性の44%が、依然としてリプロダクティブ・ヘルス、避妊具(薬)の使用、性的同意の表明について、自己決定できない状況にあると報告されています。意図しない妊娠を引き起こしかねない避妊方法の選択肢の少なさ、リプロダクティブ・ライツの行使を制限する法律、人工妊娠中絶の犯罪化あるいは合法であってもアクセスできない状況など、女性や女児の身体の自己決定権の侵害・制約は多岐に渡ります。

これらの制約は、包括的性教育(CSE)へのアクセスに対する脅威ともなり、最近増加傾向にあるテクノロジーを利用したジェンダーに基づく暴力(GBV)や、有害な慣習など、GBVを根絶する取り組みの妨げともなっています。SRHRは人権であり、暴力や有害な慣習から解放される権利も含みます。SRHRを守ることに譲歩の余地はありません。

またSRHRは、あらゆる多様性を兼ね備えた女性や女児に保証されるべきものであり、決してゆりもどされてはなりません。身体の自己決定権「自分自身の体に関することは自分で決定する権利」は、ジェンダー平等の基盤であり、女性や女児が自己決定権を行使できる社会は繁栄します。

これらの状況を鑑み、私たち本行動喚起署名者は、以下への取り組みを呼びかけます–

  • ICPD行動計画**、北京宣言・行動綱領、2030アジェンダ - 持続可能な開発目標、その他の身体の自己決定権を尊重する国際的な合意事項を再確認すること

  • 「すべての女性の健康のあらゆる側面、とりわけ自らの出産数を管理する権利を明確に認め再確認することは、女性のエンパワーメントの基本である」と言及した北京宣言を再度強調すること

  • 身体の尊厳および自律の権利の保護を求めた ICPD25 ナイロビ声明を再認識すること

  • 「平等を目指す全ての世代フォーラム(GEF)」の機運を推進する、グローバルなマルチステークホルダー・パートナーシップを通じて、1995年の第4回世界女性会議の成果を土台とし、2030年までにジェンダー平等を達成し、「ジェンダー平等グローバル加速計画」及び「ヤング・フェミニスト・マニフェスト」に反映されている、GEF行動連合3「身体の自己決定権および性と生殖に関する健康と権利」の詳細な計画へコミットすること

  • 交差的で複合的な差別、根深い社会的・ジェンダー的な規範、不平等なジェンダー構造、女性や女児の権利に関する誤った認識など、ジェンダー不平等が長年はびこる現状での難解な課題について理解すること

  • いびつなジェンダー構造、規範、考え方により、ジェンダー不平等が根付き、これが身体の自己決定権を実現するための一番の障壁となっていることを認識すること

  • 女性運動が展開する市民的空間が縮小し、苦労して獲得した成果が世界的に押し戻され、後退していることに深い懸念を表明すること
    とりわけ、自律的なフェミニスト運動の存在は、政策変更を推進するための重要な要素です

  • 身体的自律性の行使とは、人口統計学的、経済的、社会的、政治的、環境的、あるいは安全保障上の障壁に妨げられることなく、自由で十分な情報に基づいた選択を行うということを再認識すること」

    詳細は、『世界人口白書2023「80億人の命、無限の可能性」』に記されています。

    「世界人口白書2023」日本語概要」

  • リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)に関する進歩的な法律や、女性主導の組織、女児と女性のフェミニズム運動、地域レベルから世界レベルまで身体の自律のために闘うネットワークなど、市民社会による多大な貢献を含め、希望の片鱗を提供する世界各地で認められた進歩の事例を称賛すること

 

我々は、ステークホルダーに以下を要求します

▶すべての女性と女児の身体的自律を支援するため、ICPD30レビューの勢いを活用し、世界的な関係者の存在を再確認し、再度コミットし、その数を拡大すること

▶行動連合3「身体の自己決定権および性と生殖に関する健康と権利」の詳細な計画導入に向けて共同行動やパートナーシップを利用、促進し、すべての行動連合への相乗効果を促すこと

▶SDGsや持続可能な未来を達成するための最重要課題として、すべての女性と女児が身体の自己決定とSRHRを実現するための選択肢を持つことを確実にし、GBVや有害な慣習から解放されるよう取り組みを拡大すること

▶ICPDのマンデートの可能性を活用し、身体の自律性を求めるより強力な運動に向けた集団的行動に関与する。とりわけ女性主導の組織、若いフェミニストを含むフェミニスト運動を支援し、資金を提供し、関与させるためのアプローチを革新、特定すること

▶とりわけ性と生殖に関する保健プログラム、およびジェンダー平等と女児と女性のエンパワーメントを促進するその他の支援措置と介入に対するICPD行動計画の実施を加速化するための国際的な資金を増やし、国内資金を補完、活性化すること

▶すべての女性や女児の身体の自己決定権やSRHRを支援するために、エビデンスと権利に基づく政策やプログラムに投資し、強化すること

*性的関係、避妊、リプロダクティブ・ヘルスケアについて、自分で意思決定を行うことのできる15歳~49歳の女性の割合

**ICPDInternational Conference on Population and Development)国際人口開発会議

 

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