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ザンビア

Articles by ザンビア

チピリ・ムレムフウェさん。資金が途絶えるまで、IPPFザンビア(PPAZ)が実施するUSAIDオープンドア・プロジェクトのサービスデリバリー・マネージャーを務めていた

「貴重な時間が失われている」

2017年11月、 IPPFザンビア(PPAZ)は、米国国際開発庁(USAID)の援助を受けているプログラムをすべて中止にせよ、という知らせを受けました。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)の影響によるものです。グローバル・ギャグ・ルールの再導入によって、PPAZは活動資金の46%を失いました。グローバル・ギャグ・ルールについてはこちらをご参照ください。   「私が(USAIDの援助を受けたPPAZ「オープンドア・プロジェクト」の)サービスデリバリー・マネージャーの仕事を失った時、自分の一部が死んだように感じました。それほどに情熱を傾けていたのです。いつかすべての人が、スティグマ(汚名)も差別も受けずに、特に公共の保健医療機関で、医療サービスを自由に受けられる日が来ると信じています。それが現実になること。もっとも脆弱でHIV感染のリスクが高い人々(キー・ポピュレーション)が、スティグマも差別も、逮捕される恐れもなく、総合的な 保健医療サービスを受けられる日が来るのを望んでいます」とチピリさんは話します。  グローバル・ギャグ・ルール グローバル・ギャグ・ルールの再導入によってPPAZのUSAIDオープンドア・プロジェクトへの援助が完全に途絶えました。 さらにチピリさんは続けます。「プロジェクトを始めた時には、突然、援助がなくなるとは思ってもいませんでした。援助の停止までに一定期間、例えば1年間の猶予があって、その間に事業を終わらせ、PPAZが背負ってきた責任を引き受けてくれるパートナーにプロジェクトを引き継げると思っていました」   プロジェクトが中止されるということは、それまでの成果、つまりキー・ポピュレーションにおけるHIVと性感染症(STIs)の感染者数を減少できていたこと、が取り消されてしまうという意味です。これは、ザンビアにおいてHIV感染者数を減らすために絶対に必要とされた成果でした。 「貴重な時間が失われている。国としての目標があります。2020年までにUSAIDが設定した90/90ゴール  を達成しなければなりません(訳注:90/90ゴールとは、2020年までにHIVと共に生きる人々の90%が自分の感染状態を知ること、HIV陽性と診断された人の90%が持続的に抗レトロウイルス薬による治療を受けていること、また抗レトロウイルス薬による治療を受ける人々の90%がウイルスの活動を抑制できていること、などを定めた国連合同エイズ計画(UNAIDS)の目標)。ザンビアではHIVの脅威に打ち克つため、さらに大きなビジョンを設定しています。2030年までにHIVを公共の脅威でなくするというものです。しかし、今回のような障害 が重なると、これらの目標が達成できません」  「キー・ポピュレーションは一般の人々ともつながっています。男性と性行為をする男性にはパートナーがいます。結婚していることもあります。彼らのネットワークを辿らなければ、HIVとSTIが一般の人々にも広まり、結果としてすべての人がリスクにさらされるでしょう」 その他の影響としては、キー・ポピュレーションの脆弱性が高まったこと、キー・ポピュレーションに育っていたピア・サポーターへの投資が無駄になったこと、キー・ポピュレーションがPPAZの提供していた安心、安全な受診場所に行けなくなったこと、などがあります。  安心と安全がなくなる時 「安心と安全という面では、キー・ポピュレーションの人はよく知らない医療機関を気軽に受診することができません。PPAZのクリニックは理想的な環境でした。誰も不要な質問をせず、誰もが自由にかかれるクリニックだったからです。現在、プロジェクトでは住宅を借りています。USAIDがサービスを提供する場所として住宅を借りてくれますが、住宅はクリニックとは違いますし、サービスの持続性という意味では影響があります」 「PPAZは1972年からサービス提供をしていますが、その持続性にも影響があります。プロジェクトによってPPAZがキー・ポピュレーションに汚名と差別を受けさせずにサービスを提供し続けられるようになればいいと思っていました。しかしこれは不可能になりました。私にとっては機会の損失です」 ザンビアのAIDS/HIV国家戦略枠組2017-2021では、HIV/AIDSの蔓延を止める目的のため「誰も取り残さない」という点に非常に重きを置いています。 「誰一人取り残してはならない。HIV新規感染者をゼロまで削減するのでなければ、我々の夢、ビジョンは実現しない。誰が悪いのか指を差し合う暇はない。公衆衛生のアプローチを使い、ザンビアの人々のHIV感染リスクをなくさなければなりません」

Planned Parenthood Association of Zambia

The Planned Parenthood Association of Zambia (PPAZ) was created in 1972. Then, it was dedicated to the promotion of family planning services. Over the years, it has evolved into a major service provider and advocacy body, with significant input into government policy on sexual and reproductive health (SRH) issues.

Services offered include family planning, voluntary counselling and testing (VCT) for HIV, the treatment of sexually transmitted infections (STIs), antenatal and post-natal care, emergency contraceptive provision, laboratory tests, and screening. PPAZ refers clients on for additional services including prevention of mother-to-child transmission (PMTCT), antiretroviral treatment and home-based care.

The organization operates 3 static clinics, 11 mobile units and 10 community-based services (CBSs). It has a full-time staff of 34, backed by 1,300 volunteers which include over 200 community-based distributors (CBDs) and 398 peer educators. In total, PPAZ runs 229 service points.

PPAZ places a strong emphasis on HIV and AIDS prevention and treatment: as the statistics show, HIV prevalence rates are exceptionally high in Zambia. PPAZ has worked intensively on integrating gender and empowerment perspectives into HIV prevention. It has undertaken behaviour change communication projects directed at young people, both in and out of school settings, and it’s taken similar projects out to rural communities. 

PPAZ partners extensively with non-governmental organizations (NGOs), particularly those involved in youth and HIV and AIDS work. It receives financial support from Care international, UNICEF, the Japanese Organisation for Cooperation in Family Planning (JOICEP), Forum RFSU and IPPF’s Japan Trust Fund

Contacts

Website: www.ppaz.org.zm
Facebook: https://www.facebook.com/groups/137992098191/

チピリ・ムレムフウェさん。資金が途絶えるまで、IPPFザンビア(PPAZ)が実施するUSAIDオープンドア・プロジェクトのサービスデリバリー・マネージャーを務めていた

「貴重な時間が失われている」

2017年11月、 IPPFザンビア(PPAZ)は、米国国際開発庁(USAID)の援助を受けているプログラムをすべて中止にせよ、という知らせを受けました。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)の影響によるものです。グローバル・ギャグ・ルールの再導入によって、PPAZは活動資金の46%を失いました。グローバル・ギャグ・ルールについてはこちらをご参照ください。   「私が(USAIDの援助を受けたPPAZ「オープンドア・プロジェクト」の)サービスデリバリー・マネージャーの仕事を失った時、自分の一部が死んだように感じました。それほどに情熱を傾けていたのです。いつかすべての人が、スティグマ(汚名)も差別も受けずに、特に公共の保健医療機関で、医療サービスを自由に受けられる日が来ると信じています。それが現実になること。もっとも脆弱でHIV感染のリスクが高い人々(キー・ポピュレーション)が、スティグマも差別も、逮捕される恐れもなく、総合的な 保健医療サービスを受けられる日が来るのを望んでいます」とチピリさんは話します。  グローバル・ギャグ・ルール グローバル・ギャグ・ルールの再導入によってPPAZのUSAIDオープンドア・プロジェクトへの援助が完全に途絶えました。 さらにチピリさんは続けます。「プロジェクトを始めた時には、突然、援助がなくなるとは思ってもいませんでした。援助の停止までに一定期間、例えば1年間の猶予があって、その間に事業を終わらせ、PPAZが背負ってきた責任を引き受けてくれるパートナーにプロジェクトを引き継げると思っていました」   プロジェクトが中止されるということは、それまでの成果、つまりキー・ポピュレーションにおけるHIVと性感染症(STIs)の感染者数を減少できていたこと、が取り消されてしまうという意味です。これは、ザンビアにおいてHIV感染者数を減らすために絶対に必要とされた成果でした。 「貴重な時間が失われている。国としての目標があります。2020年までにUSAIDが設定した90/90ゴール  を達成しなければなりません(訳注:90/90ゴールとは、2020年までにHIVと共に生きる人々の90%が自分の感染状態を知ること、HIV陽性と診断された人の90%が持続的に抗レトロウイルス薬による治療を受けていること、また抗レトロウイルス薬による治療を受ける人々の90%がウイルスの活動を抑制できていること、などを定めた国連合同エイズ計画(UNAIDS)の目標)。ザンビアではHIVの脅威に打ち克つため、さらに大きなビジョンを設定しています。2030年までにHIVを公共の脅威でなくするというものです。しかし、今回のような障害 が重なると、これらの目標が達成できません」  「キー・ポピュレーションは一般の人々ともつながっています。男性と性行為をする男性にはパートナーがいます。結婚していることもあります。彼らのネットワークを辿らなければ、HIVとSTIが一般の人々にも広まり、結果としてすべての人がリスクにさらされるでしょう」 その他の影響としては、キー・ポピュレーションの脆弱性が高まったこと、キー・ポピュレーションに育っていたピア・サポーターへの投資が無駄になったこと、キー・ポピュレーションがPPAZの提供していた安心、安全な受診場所に行けなくなったこと、などがあります。  安心と安全がなくなる時 「安心と安全という面では、キー・ポピュレーションの人はよく知らない医療機関を気軽に受診することができません。PPAZのクリニックは理想的な環境でした。誰も不要な質問をせず、誰もが自由にかかれるクリニックだったからです。現在、プロジェクトでは住宅を借りています。USAIDがサービスを提供する場所として住宅を借りてくれますが、住宅はクリニックとは違いますし、サービスの持続性という意味では影響があります」 「PPAZは1972年からサービス提供をしていますが、その持続性にも影響があります。プロジェクトによってPPAZがキー・ポピュレーションに汚名と差別を受けさせずにサービスを提供し続けられるようになればいいと思っていました。しかしこれは不可能になりました。私にとっては機会の損失です」 ザンビアのAIDS/HIV国家戦略枠組2017-2021では、HIV/AIDSの蔓延を止める目的のため「誰も取り残さない」という点に非常に重きを置いています。 「誰一人取り残してはならない。HIV新規感染者をゼロまで削減するのでなければ、我々の夢、ビジョンは実現しない。誰が悪いのか指を差し合う暇はない。公衆衛生のアプローチを使い、ザンビアの人々のHIV感染リスクをなくさなければなりません」

Planned Parenthood Association of Zambia

The Planned Parenthood Association of Zambia (PPAZ) was created in 1972. Then, it was dedicated to the promotion of family planning services. Over the years, it has evolved into a major service provider and advocacy body, with significant input into government policy on sexual and reproductive health (SRH) issues.

Services offered include family planning, voluntary counselling and testing (VCT) for HIV, the treatment of sexually transmitted infections (STIs), antenatal and post-natal care, emergency contraceptive provision, laboratory tests, and screening. PPAZ refers clients on for additional services including prevention of mother-to-child transmission (PMTCT), antiretroviral treatment and home-based care.

The organization operates 3 static clinics, 11 mobile units and 10 community-based services (CBSs). It has a full-time staff of 34, backed by 1,300 volunteers which include over 200 community-based distributors (CBDs) and 398 peer educators. In total, PPAZ runs 229 service points.

PPAZ places a strong emphasis on HIV and AIDS prevention and treatment: as the statistics show, HIV prevalence rates are exceptionally high in Zambia. PPAZ has worked intensively on integrating gender and empowerment perspectives into HIV prevention. It has undertaken behaviour change communication projects directed at young people, both in and out of school settings, and it’s taken similar projects out to rural communities. 

PPAZ partners extensively with non-governmental organizations (NGOs), particularly those involved in youth and HIV and AIDS work. It receives financial support from Care international, UNICEF, the Japanese Organisation for Cooperation in Family Planning (JOICEP), Forum RFSU and IPPF’s Japan Trust Fund

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Website: www.ppaz.org.zm
Facebook: https://www.facebook.com/groups/137992098191/