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レバノン、ベカーのシリア難民とホスト・コミュニティにおける妊産婦とリプロダクティブ・ヘルス関連の疾病と死亡を減らす

プロジェクト期間 2019年9月~2021年12月

実施した加盟協会 IPPFレバノン(SALAMA)

目標

レバノンのプロジェクトでは、レバノン、ベカーに住むシリア難民とホスト・コミュニティの人々のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスの向上を目指し、権利に基づき、統合された質の高いSRHとHIVサービスを脆弱な女性、男性、若者、子ども、新生児に提供しました。

活動

シリア難民とホスト・コミュニティの人々の妊産婦、新生児、その他一般のSRH関連の死亡率と疾病率を低減するため、SRH、家族計画とHIV関連のサービスを従来より30%増やし、6,300名のシリア難民と1,620名のホスト・コミュニティの人々のエンパワーメントをすることで、その人々がSRHに関して知識をもとに決断ができ、その決断に沿った行動を取ることで、HIV感染を予防することを目指しました。

背景

レバノンでは社会と政情の不安、深刻なガバナンスの問題、経済崩壊が起こっていました。そこへ新型コロナウイルスのパンデミックがすでに逼迫していた保健医療システムに襲いかかっていました。

成果

プロジェクトではニーズの多い、質の高いSRHサービスを、現地のシリア難民の大部分とホスト・コミュニティの人々を支援しました。具体的には、ディグニティ・キットの配付、スタッフとボランティアの研修、コミュニティのエンパワーメント、そしてSRHRの認知向上と啓発ためのキャンペーン活動などでした。

SALAMAのボランティアとスタッフは常設クリニックとモバイル・クリニックで、8,950人の利用者に認知向上セミナーを実施しました。セミナーでは家族計画法、安全でない中絶、SGBV、STIとHIV、母乳育児、乳がん、栄養、衛生、妊娠、新型コロナウイルス、そして交際関係について説明しました。プロジェクトチームはディグニティ・キットの配付を女性のSRHR認知向上に使い、女性たちが情報を得た上でSRHRに関する選択をしたり、必要なサービスを得られたりする支援をしました。

SRHR活動への男性参加を促すため、SALAMAでは泌尿器科医を雇い入れ、男性向けサービスを始めました。若い男性ボランティアにSRHR認知セミナーを実施したり、クリニックのお手伝いをしてもらったりしています。

SALAMAは訴えたい相手にメッセージが届くよう、ソーシャルメディアの力を使いました。母乳育児の国際週間、乳がん月間、SGBVに対する16日間のアクティビズムに認知向上キャンペーンを実施しました。セクシュアル・ハラスメント、ドメスティックバイオレンス(DV)、児童婚に関する動画をシリーズでYouTubeに公開しました。複合的なソーシャルメディアキャンペーンの結果、100万再生を突破しました。

チームはレバノン助産師会とコラボレーションし、母乳育児に関する冊子を発行しました。母乳育児のイメージを向上するメッセージをテキストよりもイラストを多くして伝えています。

小児科サービスの提供と200個の貴重な「ママ・ベビー」キットを妊婦に配付しました。これには医薬品、産褥パッド、おむつ、ミルクなど危機下にあるレバノンでは入手困難、もしくは高価な物品が入っています。

利用者が参加するアプローチを使ってプロジェクトを改善しました。SALAMAは若者ボランティアとプロジェクト対象者にフィードバックとアドバイスを依頼し、実施中からも活動の改善を図りました。

初年度は特に政情不安、新型コロナウイルス、経済危機によってプロジェクトに悪影響がありました。しかし2年目には進捗が良く、目標を超える成果が出せました。

サラと10人の子どもたち

私の名前はサラ、10人の子持ちです。16歳で結婚し、今は27歳です。戦争のため、シリアから逃れました。難民キャンプに住んでいます。キャンプにいたある日、SALAMAの若い女性が通りかかって、健康と生殖について色々なことを教えてくれました。プライバシーを守ってカウンセリングしてくれ、私が何を話したのか、誰にも伝わっていません。SALAMAクリニックに行って人生が変わりました。自分で自分をいたわり、自分と子どもたちの健康が守れるようになりました。

サラ

サービス利用者

数値で見る成果

指標 目標数 合計
提供したSRHサービス数 41,750 93,855
上記のうち避妊法サービス   39,484
上記のうち産科関連サービス   18,773
上記のうちHIV関連サービス   3,426
SRH以外のサービス数   8,649
配付したコンドーム数   31,945
SRHサービスを受けた人数 5,000 7,872
情報提供を受けた人数 7,920 8,950
その他
ディグニティ・キット1,000個と「ママ・ベビー」キット200個を配付
ソーシャルメディアキャンペーンは100万人(推測値)に届いた

プロジェクト動画

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