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シリア
IPPF加盟協会はシリア地震の直後から被災者に寄り添い、リプロケアを提供しています
IPPFシリア(SFPA)は地震発生後、最初に被災地に到着した機関の一つとして、被災者のシェルターや宿泊施設への安全な避難を支援しました。
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| 07 May 2025
日本政府、75万米ドルのIPPF向け拠出を通じ、イエメンの母子保健およびリプロダクティブ・ヘルスを支援
2025年4月8日、イエメンで新たなプロジェクト「イエメンの国内避難民(IDP)と地域コミュニティに必要不可欠なセクシュアル・リプロダクティブケアおよび妊産婦ケアを提供」が正式に開始されました。本プロジェクトは日本政府の支援を受けて、IPPFイエメン(YARH)が実施するもので、アデンとアムランで危機の影響を受けた人びとへの質の高いセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービス提供を強化、維持することを目的としています。紛争と政情不安が長年続いた結果、イエメンは人道的ニーズが高く深刻な状況にあり、推定1,950万人(OCHA国連人道問題調整事務所)が支援を必要としています。特に影響を受けた国内避難民(IDP)、帰還者、受け入れコミュニティの人びとは、必要不可欠な妊産婦・新生児ケア、リプロダクティブ・ヘルスケアへのアクセスが困難な状況です。今回の支援プロジェクトによりサービスの範囲が拡大し、さらに多くのコミュニティ、とりわけ女性、新生児、若者の命を救う医療が提供されます。本プロジェクトは、妊産婦、新生児の疾病・死亡率の低減とジェンダーに基づく暴力(GBV)のサバイバーケアの改善を目的としています。さらに、コミュニティへのアウトリーチや、能力開発プログラムによりセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)に関する意思決定に必要な情報をイエメンの人びとに提供します。主な活動は以下の通りです。質の高いSRH、母子保健(MCH)、GBVケアサービスや栄養指導、コレラ治療を提供するための2カ所の保健施設(各プロジェクト地区に1カ所ずつ)の改修および改善国内避難民、受け入れコミュニティ、帰還者に産前・産後ケア、家族計画、緊急出産ケア、新生児ケアを始めとする必要不可欠なリプロダクティブ・ヘルスケアを確実に提供IPPFイエメンや他の地域保健施設の医療従事者に、緊急対応サービスパッケージ(MISP)、レイプ臨床管理(CMR:性暴力サバイバーに対する医療サービス)、緊急時のSRH(SRHiE)に関する教育研修を実施研修を受けたピア・エデュケーターによるSRH、HIV、コレラ、栄養、GBVについての啓発セッションを480回、約5,000人を対象に実施地域コミュニティのSRH教育とアドボカシー活動強化のためコミュニティと若者のピア・エデュケーターを40人養成 中島洋一 在イエメン日本国大使「危機の影響を受けたコミュニティに住む人びとが、質の高い母子保健およびリプロダクティブ・ヘルス・サービスに確実にアクセスできるようにすることは、イエメンの脆弱な状況にある人びとを支援する日本政府のコミットメントを強調するものです。新しいプロジェクトの開始に期待しています」 アリ・ノーマン(Ali Norman)IPPFイエメン事務局長「保健インフラを強化し、医療従事者を教育し、コミュニティを巻き込むことで、地域全体の母子および家族の健康とウェルビーイングを改善します」 ファドア・バハッダ(Fadoua Bakhadda)IPPFアラブ世界地域事務局長「日本政府の支援によって、私たちは最も必要としている地域に必要不可欠なSRHサービスを提供し続けることができます。このプロジェクトは、とりわけサービス提供が困難な地域の女性、子どもたち、そして家族にとって、大きな変化のきっかけとなるでしょう」 プロジェクト実施によって期待される成果は、以下の通りです。10,000人以上の女性、新生児、若者が質の高いSRHおよび母子保健サービスを享受します1,000人の女性がGBVケアサービスへのアクセスを得ます4,000人以上の国内避難民や受け入れコミュニティがGBVケアやその他の保健サービスを含むセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)に関する情報を得ますピア・エデュケーターはコミュニケーション・スキル、健康、衛生、SRHRについての教育を受けます保健医療サービス提供者は緊急時のSRHサービスの質を高めるための専門教育を受けます

| 06 April 2025
日本政府、50万米ドルのIPPF向け拠出を通じ、レバノンの母子保健およびリプロダクティブ・ヘルスを支援
2025年3月13日、レバノンで新たなプロジェクト「危機の影響を受けた人びと、国内避難民(IDP)、シリア難民、受け入れコミュニティにおける妊産婦およびリプロダクティブ・ヘルス関連の疾病と死亡の予防」が正式に開始されました。本プロジェクトは日本政府の支援を受けて、IPPFレバノン(SALMA)が実施するもので、危機の影響を受けた人びとに対する質の高いセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービス提供を強化、維持することを目的としています。昨年の停戦後、レバノンでは多くの人に必要不可欠な妊産婦、新生児ケアやリプロダクティブ・ヘルスケアへのアクセスが依然として困難で、包括的SRHサービスへの需要が差し迫っています。特にベカー渓谷の国内避難民、シリア難民や地元の受け入れコミュニティは、臨床ケアだけでなく心理社会的支援、医療サービスや対象コミュニティへのアウトリーチを始めとした、多面的な介入を必要としています。このプロジェクトでは、SRH関連の疾病・死亡の予防と、ジェンダーに基づく暴力(GBV)のサバイバーケアの改善を目的とし、質の高い臨床ベースのSRHサービスを女性、若者、その他の周縁化された人びとに提供します。さらに、コミュニティへのアウトリーチや能力開発プログラムにより、SRHに関する意思決定に必要な情報を提供します。 主な活動は以下の通りです。臨床サービス:安全な出産、新生児ケアなど、妊産婦・新生児・小児保健に特化した質の高い、権利に基づく、クライアント中心のSRHケアを提供キットの配布:妊娠中および産後の女性に「ママと赤ちゃん」キット、必要な衛生用品を備えたディグニティ(女性支援)キット、衛生キットを配布コミュニティへのアウトリーチ:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)、家族計画、GBV、HIVに関する啓発セッションや共同イベントの実施能力開発:包括的なSRHRサービスの提供や教材開発に関するピア・エデュケーターやサービス提供者の研修の実施 馬越正之 在レバノン日本国大使「危機の影響を受けたコミュニティに住む人びとが、質の高い母子保健およびリプロダクティブ・ヘルス・サービスに確実にアクセスできるようにすることは、人権と尊厳、ひいては人間の安全保障に関わる問題です。この取り組みは、レバノンの脆弱な状況にある人びとを支援する日本政府のコミットメントを再確認し、回復力のあるコミュニティを育むためにSRHが極めて重要であることを改めて強調するものです。」リナ・サブレ(Lina Sabre)IPPFレバノン事務局長「母親、子ども、家族の健康とウェルビーイングは、何よりも大切です。このプロジェクトを通じ、危機的状況にあっても命を救うサービスの提供と、啓発活動を行い、健康に関する適切な意思決定ができるようコミュニティをエンパワーします。」ファドア・バハッダ(Dr. Fadoua Bakhadda)IPPFアラブ世界地域事務局長「このプロジェクトはレバノンの女性にとって、変革のきっかけとなるでしょう。日本政府による支援のおかげで必要不可欠なSRHサービスの提供の継続が可能となり、妊婦や新生児の安全が確保されます。」 プロジェクト実施によって期待される成果は、以下のとおりです。28,000人の危機の影響を受けた人びとが必要不可欠なSRHサービスへのアクセスを得ます84,000件のSRHサービス介入が実施されます37,000人近くの人びとが包括的な啓発活動を通じて支援を受けます

| 03 October 2024
中近東地域の医療従事者に対する暴力の拡大に関する声明
もうこれ以上耐えることはできません。パレスチナの女性と女児に対する生殖に関わる暴力の横行と、ガザのIPPFリプロダクティブ・ヘルス関連施設への爆撃からほぼ1年が経とうとしていますが、今度はレバノンの医療従事者と診療所が攻撃を受け、被害を被っています。 「攻撃を受けたレバノンの医療従事者の70%は女性です。ガザでは、女性たちにリプロダクティブ・サービスを提供する施設が破壊されました。世界は今、レバノンで同じ戦争犯罪がくりかえされる場面を目にしています」 「IPPFは、米国、ドイツ、英国、その他すべての政府に対し、私たちの仲間である医療従事者たちを殺し、傷つけ、避難を強いる兵器の供給中止を要求し、民間人の殺戮の即刻停止を求めます。私たちは沈黙することなく、あらゆる暴力の証拠を収集し、人間性に対する犯罪について、声を上げ続けます」と、IPPFのアルバロ・ベルメホ事務局長は述べています。 イスラエルによるガザへの無差別攻撃は、女性のリプロダクティブ・ヘルスに壊滅的な状況をもたらしました。IPPFのヘルスセンター、病院や妊産婦保健センターへの攻撃によって、医療ケアへのアクセスが著しく制限されました。同じことは、スーダンでも起きています。診療所が破壊され、男性がIPPFの保健推進員たちに暴力を振るい、レイプが戦争の武器となっているのです。 パレスチナでは、産科暴力および生殖に関わる暴力が、イスラエルによる暴力の特徴とされています。レバノンでも、このような女性と女児に対する犯罪が増加する前に、IPPFは警鐘を鳴らします。 「スタッフは怯え、命からがら逃げています。医療従事者たちは怖くて電話も使えないため、チームとの連絡は限られています。私たちは同僚だけでなく、すべての女性と少女の身を案じています。レバノンにおける女性や子供、そしてすべての人間が単なる数として扱われ、人間としての本質が失われている状況です」と、IPPFレバノンSALAMAのリナ・サブラ事務局長は、述べています。 レバノンは、1990年に内戦が終結して以来、最悪の状況に陥っています。イスラエルとヒズボラの戦いがエスカレートし、ここ数日間で殺戮行為が増大しているのは、力を持つ国々が紛争の継続によって利益を享受しているからです。 IPPFは、産科暴力および生殖に関わる暴力行為は、人道に反する犯罪とされていることを、すべての紛争関係者に改めて訴えます。