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シリア
IPPF加盟協会はシリア地震の直後から被災者に寄り添い、リプロケアを提供しています
IPPFシリア(SFPA)は地震発生後、最初に被災地に到着した機関の一つとして、被災者のシェルターや宿泊施設への安全な避難を支援しました。
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| 24 July 2024
画期的な決定:国連人権理事会、セクシュアル・ライツ(性の権利)に言及した初の決議を採択
2024年7月12日、第56回人権理事会において、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)(性と生殖に関する健康と権利)」の文言が、総意により協議文書に盛り込まれ、女性と女児の人権擁護にとって大きな前進となりました。 決議で「性と生殖に関する権利」の一部分ではなく全体が言及されたのは、国連の歴史上初のことです。 本決議「HIV/AIDSにおける人権 (Human rights in the context of HIV and AIDS)」では、各国政府に対し、「HIV(エイズ)への対応において、若者、特に少女と若い女性、そして障害者固有のニーズに取り組むこと」および 「(中略)性と生殖に関する健康と権利(SRHR)についての教育プログラムだけでなく、 性と生殖に関する健康(SRH)サービスを発展させること」が強く要望されました。 HIV(エイズ)に関して全会一致で決議が採択されたのは、2019年以来のことです。 これまでのSRH/RR(Sexual and Reproductive Health/ Reproductive Rights, 性と生殖の健康/生殖の権利)への言及からさらに踏み込んだ「SR (Sexual Rights) 性の権利」が盛り込まれたことで、若者たちに性的暴力、女性性器切除(FGM)や夫婦間レイプから解放される権利、そして自らが選んだ相手と安全で健全な関係を築き、家族を作る/作らない自由が保障されました。 「文言が採択されたことは、国連における過去30年間のセクシュアル・リプロダクティブ・ライツ(SRR, 性と生殖に関する権利)の変遷の中で最も重要な進歩といえるでしょう。 自由、人権、身体の自己決定権への攻撃がますます増加している今、人権理事会の決議は、性的暴力のない人生を送るという人権擁護の目的に適うものでもあります」とジュネーブ事務所のIPPFシニア国際アドバイザー、エステル・ワグナー氏は述べています。 人権理事会では、「女性と女児に対するあらゆる形態の差別の撤廃(Elimination of all forms of Discrimination against Women and Girls)」も採択され、すべての女性が身体の自己決定、SRH、リプロダクティブ・ライツ(RR)、安全な人工妊娠中絶へのアクセス、包括的性教育(CSE)を受ける権利を有することを再確認するとともに、「SRHおよびRRの行使を犯罪化または制限するすべての法律と政策」を撤廃するよう、各国に求めました。また、国連決議では初めて、月経の貧困問題にも言及しています。 さらに、「若年妊娠およびテクノロジーを利用したジェンダーに基づく暴力(tfGBV)の予防策の加速化」に関する新決議も採択され、「月経衛生管理、人権とジェンダー平等」に関する決議が更新されました。これらの決議では前回に比べ、ヘルスケアや人道的な側面が強調されました。IPPFはこれまで、国連の決議に進歩的かつ包括的な文言が含まれ、人々の生活に良い影響が与えられるよう、加盟協会や市民社会のパートナーと手を携えて活動を継続してきました。 IPPFは、権利の侵害や大きな困難に直面し、SRRを享受しにくい状況にある世界中の女性、女児、そして周縁化されたコミュニティと連帯しています。また国連レベルから、加盟協会が日々すべての人のSRHRのために闘いつづけている地域レベルまで、あらゆるレベルでの人権を推進するために尽力しています。 私たちは連帯し、その活動はゆるぎなく、すべての人が抑圧、差別、暴力から解放され、SRRを行使できるようになるまで、決して引き下がることはありません。

| 17 June 2024
ガザ地区ラファへのイスラエルの攻撃に関する声明
イスラエルは今週、国連の主要司法機関である国際司法裁判所(ICJ)が即時の攻撃停止を命じたにも関わらず、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファにある避難民密集地区を攻撃しました。 この地区には、イスラエル当局から安全のために移動するよう強制され、命からがら避難し、テント生活を送っていた何千人もの人々がいました。夜間の攻撃は、就寝中の老若男女を襲い、人々は逃げる間もなく犠牲となりました。 ガザでこれ以上の死者が出ること、人々が避難を強要されることを防ぎ、イスラエル軍による破壊を阻止しなければなりません。パレスチナ人は、これまで何十年にもわたって隔離され、土地を剥奪され、重大な人権侵害に耐えてきました。パレスチナ人が直面している不公正は、植民地化と、それに伴う十分な人道上の責任が果たされていないためです。紛争について定めている国際法は、グローバル・ノースを含む、すべての国や地域によって守られなければなりません。 現時点で、犠牲者は37,000人以上にのぼります。生き残った女性や少女たちは、SRH(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス:性と生殖に関する健康)サービスを受けることもできず、生理用品、衛生用品も手に入らない状況で、多くの困難に直面しています。人々の我慢も限界に近づいています。このような事態をいち早く終わらせるため、私たち一人一人が自らの政府に、ガザへの人道支援のアクセスが滞らないよう働きかけなければなりません。また、イスラエル軍に武器を提供し、イスラエルの不処罰を支持し、停戦を要求しない政府は、その根拠を明らかにする必要があります。 IPPFは、イスラエルによるラファへの攻撃と、ガザ地区全域で続く残虐行為の即時停止を求めます。 IPPFパレスチナ(PFPPA)のアマル・アワダッラー事務局長は、次のように述べています。 「毎秒、毎分ごとに、壊滅的な状況がさらに悪化しています。日々多くの人々が大けがを負い、殺されています。妊娠中の女性は、赤ちゃんのことも心配しながら、自分自身に待ち受ける最悪の運命を危惧し、本来であれば幸せであるはずの出産までの時間が、完全な悪夢となっています。 女性や少女たちは、生理が来ても生理用品や清潔な水、衛生用品も手に入れることができず、不安を抱え、心に傷を負って生きています。パレスチナの人々が安全に十分な医療を受けながら、尊厳をもって生きる権利があることを世界中の人々が認識し、人道的に正しいことを求めて声をあげてください。ガザに住む何百万人ものパレスチナ人にとって、この悲劇は正当化できるものではありません。即時かつ完全な停戦が唯一の選択肢です」 IPPFのアルバロ・ベルメホ事務局長は、次のように述べています。 「ラファでは、ほぼすべての病院スタッフが強制的に避難させられ、大半の病院が機能停止しているため、医師が出産間近の妊婦を診察したり、妊婦が医療にアクセスできる状態ではありません。 ガザのIPPFスタッフが、この状況でも困っている人たちにSRHサービスを提供し続けていることは称賛すべきことですが、IPPFスタッフを含むすべてのパレスチナ人への私たちの心配は、恒久的な停戦が実現するまで尽きることはありません。 今、私たちの人間性が試されています。IPPFは、反植民地主義、反人種主義を掲げ、すべての人々の自由、解放にコミットします。沈黙はせず、声を上げつづけます」 パレスチナへの緊急支援のご寄付は、こちらからお願いいたします。