- - -
クリニックで順番を待つ患者たち

Resource

グローバル・ギャグ・ルールの影響が及ぶ中、強い決意のもと活動を続けるIPPF加盟協会のスタッフとボランティアたち

IPPF加盟協会、IPPFモザンビーク(AMODEFA)が国内で提供するヘルスサービスは、多くの人々の命に関わっています。しかし米国政府によるグローバル・ギャグ・ルールの実施で、多くのヘルスサービスの存続が危ぶまれています。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策とも)は、中絶のカウンセリングと手術に関連した活動を行う団体が実施するすべての保健プログラムに対し、米国政府の援助金をすべて停止す...

IPPF加盟協会、IPPFモザンビーク(AMODEFA)が国内で提供するヘルスサービスは、多くの人々の命に関わっています。しかし米国政府によるグローバル・ギャグ・ルールの実施で、多くのヘルスサービスの存続が危ぶまれています。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策とも)は、中絶のカウンセリングと手術に関連した活動を行う団体が実施するすべての保健プログラムに対し、米国政府の援助金をすべて停止するという政策です。

AMODEFA200万ドル、つまり年間予算の60%の活動資金を失います。総人口3,000万人のうち、約12%がエイズと共に生きる人々だと考えられるモザンビークでは、HIVとの闘いにおいてこの資金がなくなれば深刻な影響を与えると予想されます。

IPPF加盟協会、IPPFモザンビーク(AMODEFA)が国内で提供するヘルスサービスは、多くの人々の命に関わっています。しかし米国政府によるグローバル・ギャグ・ルールの実施で、多くのヘルスサービスの存続が危ぶまれています。グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策とも)は、中絶のカウンセリングと手術に関連した活動を行う団体が実施するすべての保健プログラムに対し、米国政府の援助金をすべて停止するという政策です。

AMODEFA200万ドル、つまり年間予算の60%の活動資金を失います。総人口3,000万人のうち、約12%がエイズと共に生きる人々だと考えられるモザンビークでは、HIVとの闘いにおいてこの資金がなくなれば深刻な影響を与えると予想されます。

IPPFモザンビーク(AMODEFA)の事務局長、サントス・シミオネは言います。「AMODEFAで実施するHIV、結核、マラリア、家族計画の各プログラムに参加する人々のうち、50万人が影響を受けると試算しています」
HIV検査を受けるクリニック利用者
マプトのAMODEFAクリニックで、無料のカウンセリングと検査・治療 の順番を、3歳の息子と待つジェニー・マルセリーノさん(21)。
パルミラ・エノーク・テンベさん(54)はHIV陽性です。2人の息子(2人ともHIV陽性)と4人の孫とマプト郊外で暮らしています。AMODEFAのボランティアが週に3回、自宅を訪れます。看護師も週に1回訪問し、一家が必要とする医薬品と食料を提供し、手当をします。
アルベルティナ・マチャイエイエは38年間、HIV陽性の人たちの支援を行ってきた、AMODEFAで勤続年数が最長の看護師です。マチャイエイエさんはAMODEFAの訪問看護プログラムの責任者として、マプト郊外の最貧困地域に住むHIV陽性の人々に医療、栄養、心理的サポートなどの支援を行っています。「いつまでも働き続けるつもりです」とマチャイエイエさんは言います。「人を助ける仕事が好きです。だからこの仕事を続けています」
パルミラ・エノーク・テンベさんとアルベルティナ・マチャイエイエさん。パルミラさんは言います。「つらいことがあると、AMODEFAに相談します。カウンセリングを通じて問題を受け止め、自分の気持ちや不安とどう向き合うか教わります。何もかも思い通りにいかなくて途方に暮れることもありますが、AMODEFAはそんな時にも助けてくれます」
アントニオ・ジュニア・ジリンザさん(12)はHIV陽性で家族がおらず、周囲から見捨てられそうになっていました。しかしAMODEFAの介入によって状況が好転しました。アントニオさんは急速に健康を取り戻し、体重も増えました。毎日、学校に行けるほど元気になり、「大きくなったら消防士になりたい」と、将来の夢について話すようになりました。アントニオさんは照れくさそうに「ここの生活は楽しい」と言いました。
ユラン・ナキラさん(18)がマプトのAMODEFAクリニックでHIV検査を受ける様子。
看護師のジュリア・スゼット・ムランボさんが、エレリア・ホレイシオ・マブクレさんにホルモン避妊薬を注射する様子。
アイダ・カルロス・コッサさん(17)はマプトにあるアルマンド・エミリオ・ゲブザ高校の生徒です。AMODEFAが「トゥア・セナ」プログラムを通じて開設した学校付設のクリニックに、無料カウンセリングを受けに来ました。「病院に行くより近いし、プライバシーも守られるから安心です」とコッサさん。
届いたばかりの自転車が並ぶ倉庫。これらは職員とボランティアが地域のコミュニティを訪問するために使用されます。地域訪問とサービス提供のプログラムは、国際援助の資金停止によって真っ先に打ち切られます。
モザンビーク南部、ボアーネにあるAMODEFAクリニックで、エレリア・ホレイシオ・マブクレさん(16)に家族計画のカウンセリングと治療を提供 するジュリア・スゼット・ムランボ看護師。
マプトにあるアルマンド・エミリオ・ゲブザ高校には、AMODEFAが運営するセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスクリニックがあり、避妊その他のサービスを提供しています。地元の人たちには「トゥア・セナ」というプロジェクト名で知られているクリニックですが、安全な中絶、性感染症(STI)、HIV、交際と人間関係に関する質の高いサービスと情報を、より多くの人々に届けるため日々活動しています。
カシルダ・アントニオ・ニマコは、コミュニティで集めたHIVと結核検査の検体をラボに運ぶ仕事をしています。AMODEFAの結核プログラムは開始から1年余りで存続の危機にあります。一番近い保健センターから遠くは80キロも離れたコミュニティまで行き、結核の検査と治療を行ってきました。カシルダさんは言います。「このプログラムの好きなところは、たくさんの家族を助けられることです。病気に苦しんでいるのに、遠すぎて医療機関にかかれない家庭は数多くあります。家から離れられない人々がたくさんいます」
モザンビークのナンプラ州、リバウエの農村地帯で結核検体を運ぶカシルダ・アントニオ・ニマコさん。
ある村でHIV検査を実施する様子。ここでは、結核感染例が8例報告されたばかりです。モザンビークの結核感染率は高く、感染率は推定12.5%です。治療の成功と同時にコミュニティ訪問事業は終了しますが、そこで行われたHIVと結核に関する教育の成果は残ります。教育によって、病気に対するコミュニティの人々の恐れやスティグマ(汚名)が減ることがわかっています。
ナンプラ州のコミュニティで夜遅くまで働くAMODEFAの職員たち。マリア・テレーサ・ド・ファティマさんはチームでHIVと結核の検査を行いました。「米国が(資金を)カットすれば、今までの努力が無駄になります。プロジェクトがこれで終わりとなったら、この後、どうなるかわかりません。トランプ大統領がここに来て私たちの仕事を見てくれたら、(資金カットという)決定を取り消そうと考えてくれるのではないでしょうか」

when

country

モザンビーク

Subject

HIVと性感染症