私たちのフレンズの小さな援助で:南ダフール、ニアラキャンプでのレジリエンスとサバイバル

スーダンのキャンプで活動するIPPFスタッフ

南ダフールのニアラは、無法地帯で危険の警告を知らせる赤旗が立っている不安定な地域です。

しかし、ニアラキャンプには、あまり表立って語られていない話があります。それは立ち直る力(リジリエンス)と希望の話です。住むところを失くし、キャンプに囲まれ生活する人たちの中には、平和への希望を失わず、法と秩序が戻ってくると信じる人々がいます。あるコミュニティーのリーダーは「私たちの生活はまるで死んだも同然だ。こんな生活なら死んだほうがましだ。ここには何もない。何も手に入らない」と絶望的になり、母親がHIVに感染しているある若い男性は「キャンプの中でも僕たちは極貧で、母は病気で、父は一年前に死んだ。できるなら病気の母を助けたいけれど、マーケットに行っても仕事はほとんどない」と言います。こんな時、「フレンズ」は支援の手を差し伸べ、一時的な絶望感を少しでも軽減する手助けをしています。

他の人々が去った後に残留する「フレンズ」:IPPFスーダン(SFPA)とIPPF日本信託基金

IPPFスーダン(SFPA)は、ニアラの最前線で活動し、国内避難民の女性や若者たちと協力して生活改善に努めています。IPPFアラブ地域に属すIPPFスーダン(SFPA)は、「IPPF・HIV/リプロダクティブ・ヘルス信託基金(日本信託基金、JTF)」の支援を得て、HIVと共に生きる女性のために、自発的抗体検査(VCT)を行なったり、健康や栄養についての情報や抗レトロウイルス薬(ARV)を提供し、その子供たちやパートナーと協力しながら、統合的なセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供しています。

Resilience and survival in the camps of Nyala

  • Faced by stigma and discrimination, this family lost their father a year ago; in a camp where all else are poor, this family is the poorest. Hassan would like to have a donkey, to enable him to be self-reliant and also support his mother and sister. Amina, who has been thrust into adulthood, wants to take care of her mother, she lives ‘in silence, nobody talks to me, I don’t go outside’.
    Faced by stigma and discrimination, this family lost their father a year ago; in a camp where all else are poor, this family is the poorest. Hassan would like to have a donkey, to enable him to be self-reliant and also support his mother and sister. Amina, who has been thrust into adulthood, wants to take care of her mother, she lives ‘in silence, nobody talks to me, I don’t go outside’.
  • The internally displaced people in the camp see themselves as ‘living a life worse than death’. They are grateful for the mobile clinic that visits twice weekly, but also recognise that emergencies, such as pregnancy complications do not wait. Furthermore, flooded Waadis in the rainy season – when mobile clinics are cut-off - can sometimes make the difference between life and death. From this lived reality, the leaders have come to see what would help deal with the challenges/vulnerabilities they face.
    The internally displaced people in the camp see themselves as ‘living a life worse than death’. They are grateful for the mobile clinic that visits twice weekly, but also recognise that emergencies, such as pregnancy complications do not wait. Furthermore, flooded Waadis in the rainy season – when mobile clinics are cut-off - can sometimes make the difference between life and death. From this lived reality, the leaders have come to see what would help deal with the challenges/vulnerabilities they face.
  • The images of adolescent girls either carrying children or pregnant, underscores the urgent need for sexual and reproductive health information – to enable them to make informed choices.
    The images of adolescent girls either carrying children or pregnant, underscores the urgent need for sexual and reproductive health information – to enable them to make informed choices.
  • SFPA has developed important partnerships with one of the key aims being, to tackle stigma and discrimination and provide a support network to young people such as Hassan and Amina.
    SFPA has developed important partnerships with one of the key aims being, to tackle stigma and discrimination and provide a support network to young people such as Hassan and Amina.
  • Water and sanitation are key issues in the camps. Privacy, often taken for granted by many people is elusive for those in the camps.
    Water and sanitation are key issues in the camps. Privacy, often taken for granted by many people is elusive for those in the camps.

日本政府は過去47年間IPPFへの支援を行っており、今なお主要ドナーです。IPPFが人道支援の最前線で活動できるのは、JTFを通じ、このパートナーシップが益々強化されているお陰です。また、IPPFスーダン(SFPA)がスーダン政府の人道支援委員会において主要団体として活動できるのも、この支援によるものです。2016年にIPPFスーダン(SFPA)は、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/HIVに関する啓発のため、ゲダレフ、メダニ、ニアラ在住の13,746人の人々に171のメッセージを提供しました。

パートナーシップ:満たされないニーズのための基礎

IPPFスーダン(SFPA)は数々の鍵となるパートナーと積極的に活動しています。例えば、子どもの保護や研修に関してはユニセフ(UNICEF)と、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)に関する啓発活動やアドボカシー(政策提言)では国連人口基金(UNFPA)と、サービスへのアクセスや、社会的汚名(スティグマ)や差別を軽減するための自信育成については「スーダン・エイズ・ネットワーク(SAN)」と協力して活動を行なっています。IPPFスーダン(SFPA)は州保健省とも協力して、サービスの提供やSRHR推進のためのアドボカシーを先導して行なっています。私たちの訪問時に行なわれた州保健省との会議でも、IPPFスーダン(SFPA)は「HIVの母子感染根絶(EMTCT)の支援を保証し、妊産婦の健康の向上を阻む障壁を取り除く」との当事者間のコミットメントを確認できました。

週2回の移動診療を通じて、768人の女性が2,688回のHIV/SRH関連の統合サービスを受けました。私たちは常設クリニックに、息子(ハッサン:仮名、21歳)と娘(アミーナ:仮名、16歳)に連れられてやって来た55歳の未亡人ハワ(仮名)さんと会いました。ハワさんは長い間具合が悪く、最近HIVの診断を受けました。彼女は、話を聞いてほしくて私たちに会いに来たのですが、衰弱のあまり話すことも質問に答えることもできず、遠くを見つめていました。彼女の子どもたちは、拒絶され孤立した経験を話しました。彼らの言葉を借りれば、「他の誰よりも貧困に苦しむ人々」の話です。娘は「私たちの父は去年亡くなり、母は病気です。母の面倒を見たいのですが、母の具合が悪いときには仕事ができません。私は誰とも話をすることなく生活し、家から一歩も出ていません。私に話しかける人は誰もいません」と家族の話をしながら母親を見て涙を流していました。

今日クリニックに来ている3人家族は、IPPFスーダン(SFPA)のスタッフが移動診療で出会い、ニアラセンターに行くようにつないだのです。その家族は、IPPFスーダン(SFPA)がなければ、「ムスリム・ザカート・チャリティー」について知ることはなかったと言います。「ムスリム・ザカート」は、これからこの家族に食糧支援や自信の回復、孤立感の軽減などの支援を行なうことになります。IPPFスーダン(SFPA)のフレンズは、キャンプにいる人々に寄り添い、明日に立ち向かうことを助けています。IPPFスーダン(SFPA)は人々と必要とする保健医療サービスとをつなぐ架け橋なのです。IPPFスーダン(SFPA)を通じ、ハワさんとその家族のような貧困な人々が健康保険証を受け取ることもできます。 

逆境の中での愛と希望

私たちが行なった全ての話合いや会議から、この地域でIPPFスーダン(SFPA)とその他の団体との協力はとてもうまくいっていることがわかりました。キャンプで自分と同様な境遇に置かれた人々に教育を行い、IPPFスーダン(SFPA)と密接なパートナーシップを築いている「スーダン・エイズ・ネットワーク(SAN)」のメンバーたちは、「出会いの場があり、経験を共有する場があることを嬉しく思います。ここにはまだ社会的汚名(スティグマ)や差別が存在していますが、団結して強く立ち向かっています。中にはここで結婚した人もいます。私たちと結婚するような人は他にはいませんが、別に構いません。他の人が私たちのことを何と言おうと私たちは気にしません。IPPFスーダン(SFPA)がムスリム・ザカートを紹介してくれ、健康保険証を提供してくれたことに私たちは感謝しています。SFPAがなければ本当に大変だったと思います」と言っていました。

前進するために:サカリとオターシュからの声

オターシュで私たちは男女のキャンプリーダーたちと会いました。彼らは私たちを友人と思っています。IPPFスーダン(SFPA) がSRH サービスを提供したり、UNICEFが子どもの保護の訓練を行なったり、妊婦や子どもたちに栄養パッケージを供給している間、アフリカ連合・国連合同ミッション(UNAMID)もここサカリにいます。リーダーたちは、しばしば生死の境を分かつことになるサービスに対し感謝の意を表しています。彼らの多くが過去12年間ここに住んでいて、私たちの後をついて回る子どもたちにとっては、キャンプ以外に住んだことのある家はないのです。リーダーたちは、「週2回の移動診療を有難く思います。でも妊娠合併症が起こると、生きるか死ぬかの問題で、移動診療車が次にやって来るまで待つことはできません。ワディス(雨季にある洪水)の時期になると、移動診療車は私たちの元にたどり着けないので、事態は悪化します。常設クリニックがこのキャンプにあれば、妊娠合併症の妊婦を助けるのにとても役に立ちます。それにここ(サカリ)には助産師がいません。ここにいる私たちの多くは、助産師になる訓練を受ければ、分娩を助けることができ、医療機関がないために起きる問題を少しでも防ぐことができます」と妊婦が直面している重要な課題について話しにやって来ました。

私たちがキャンプを離れるとき、真っ先に私たちの心をよぎったのは、私たちが出会った二人の若者です。ハッサンの願いは、母親と妹をサポートする手立てがほしいということです。毎日、町の近くのマーケットに行っても仕事はありません。「ロバがいれば、仕事をすることができ、母やキャンプにいる人たちを助けることができるんだけど」と言います。彼の妹の涙や、献身的に母の世話をする彼女のことを思い起こすと、拡大する若者コミュニティーのエンパワメントに向けてIPPFスーダン(SFPA)と協力するために、学校に通い勉学を継続できるようになるために、生計を立てる機会を得るために、家族の面倒を見ることを強いられている子どもたちに安堵をもたらすために、私たちは、彼らの話を何としてでもあらゆる場所のフレンズに伝えていかなければなりません。少年少女が、暴力のない幸せで健康な関係を築くことができるように、ジェンダー/セクシュアリティ教育を提供できるパートナーたちは、彼らが平和への道を前進するための手助けをしています。

更にフレンズは、IPPFスーダン(SFPA)と協力し、性やジェンダーに基づく暴力に関する証拠を積み重ねる手助けをしています。キャンプの若者の多くは孤児で、多くの家庭は女性が家長です。子どもたちが若年で結婚を強いられているというケースを多く耳にしています。私たちが出会った妊婦の多くは思春期の少女です。暴力が起こる前の防止や、いったん暴力が確認された後の対応には、まだ多くがなされる必要があります。あるキャンプリーダーは、「この問題は信頼関係が築かれており、調査員が私たちの知っている人たちであれば、取り組めます」と言います。

医薬品や避妊具の不足や在庫切れを防ぎ、即座にタイミングよく支給するために、IPPFスーダン(SFPA)やSANのアドボカシー活動を支援する必要があります。

IPPF日本信託基金により、IPPFスーダン(SFPA)はニアラの国内避難民たちに大きな変化をもたらしました。IPPFスーダン(SFPA)は他の人々が去った後もそこに残留し、他の人が行こうとしないところに行くことで、今後もIPPFと友人でいることを行動で示し続けます。女性、子ども、そして彼らのパートナーが、いつか訪れる平和な未来への希望を再び持てるようになることを支援します。

文章:サミア・アダダ、ウサマ・アズリ、ナガト・アル・ハディ、セリ・ウェンドウ