WHOが公表した最新の避妊法ガイダンスに関するIPPF声明

世界保健機関のロゴ

1990年代初めより、ホルモン剤を使用した避妊薬によって女性のHIV感染リスクが上がるかどうかについては、決定的なエビデンス(科学的な証拠)がありませんでした。これは、HIV感染率の高いサハラ以南アフリカのような地域では、非常に重要な問題です。この問題を解決すべく、ECHO試験と呼ばれる無作為臨床試験が各地で行われました。試験では黄体ホルモンのみを使用したメドロキシプロゲステロン酢酸筋注デポ剤(DMPA-IM)、皮下埋め込み式の避妊インプラント(Jadelle)、銅付加子宮内避妊具(IUD)という、避妊効果が高く可逆性のある3つの避妊法を比較しました。
 

その結果が2019年6月13日付のLancet誌に掲載されましたが、3つの避妊法の間ではHIV感染リスクに統計的に著しい相違は見られませんでした。IPPFの国際医学諮問委員会(IMAP)はこの件に関する声明テクニカル・ブリーフを公表し、ECHO試験の結果と、現地で活動するMAと関係機関に向けた勧告を掲載しました。
 

また、ECHO試験の結果を踏まえ、世界保健機関(WHO)はHIV感染リスクの高い女性を対象にした適切な避妊法に関するガイダンスを更新し、2019年8月29日に公開しました。WHOは今回、HIVリスクの高い女性は、DMPA-IMとDMPA-SCなど黄体ホルモンのみを使用する避妊薬を含む、すべての避妊法を制限なく使用できる(避妊薬使用のための医学適用基準(MEC)カテゴリー1)としました。この評価は2017年3月に公表されたWHOの同ガイダンスから変更しています。前回は、HIV感染リスクの高い女性に対して黄体ホルモンのみを使用する避妊薬はMECカテゴリー2とされ、その理由として「理論的、もしくは実証的なリスクがこの避妊法による恩恵を上回る」とされていました。新しく判明した疫学的、生物学的な事実と関連情報が増えたことにより、過去の判断が覆された形です。

ECHO試験の結果とWHOのガイダンス更新によって、誰もが公平に様々な避妊法を選べるよう、避妊法の提供ルートと入手機会を継続的に拡充し確保していく必要性があることがわかりました。WHOはまた、HIVとSTIs(性感染)の検査と予防サービスの重要性を強調しています。これには、可能であれば、家族計画とHIV/STIsサービス、そしてその他のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービスを統合して提供する方法も考えられます。

IPPFはWHOが今回、SRHサービスを提供する組織に対して、証拠に基づいたガイダンスと勧告を公表したことを歓迎します。IPPFは今後も、さらに多くの避妊法を選択できるよう、女性と少女たちの権利拡充を支援し、HIV感染のリスクによって避妊法の選択肢が制限されないことを求めます。


 IPPFは今回の結果を受け、すべての人々が自分の性と生殖の健康に関する選択をすることが、HIV/STIs予防を含む包括的なパッケージの一部であり、権利に基づいた情報とサービスの提供の重要性を再確認しました。ECHO試験の結果、横断的な配慮のない保健プログラムのリスクが明らかになりました。IPPFはSRHサービスの不可欠な分野としてHIV/ STIs の予防と治療を理解し、その理解に基づいたサービス提供を増やしていきます。