気候変動とセクシュアル・ヘルスは無関係だと思いますか?

家族計画が気候変動に与える影響とは

気候変動による地球規模の危機への対策を考える際、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス(SRH)を思い浮かべる人はそれほどいないかもしれませんが、実際、SRHが環境保護戦略に重要な役割を果たすことがあり得るのです。


気候変動の大部分は、世界の一部(米国、欧州など二酸化炭素を多く排出する国々)による過剰な 消費と生産活動によるものですが、その影響は他の国にも及びます。そしてもっとも影響を受けるのは、女性や少女、貧困層などのすでに社会から周縁化された人々であることが少なくありません。

持続可能な開発を続けるためには、このような脆弱なコミュニティを支援し、環境危機がもたらす気候変動による変化に適応できるようにしなければなりません。

女性と少女のエンパワーメント 

世界中の女性と少女の2億1,400万人が、必要とする避妊法を入手することができず、そして年間9,910万件の意図しない妊娠が起こっています。この2つの数字には紛れもなく相関関係があります。また、近代的避妊法のアンメットニーズ(必要とされているのに満たされないニーズ)が高い国ほど、気候変動の被害を受けやすいことがわかっています。

女性と少女たちが状況によって子どもを産むのではなく、自分でいつ、何人子どもを産むのかを選べるかどうかは個人の自律と尊厳にかかわる問題であり、選択ができるコミュニティではそうでないコミュニティよりも女性と少女の健康状態がよく、コミュニティへの参加率が高くなります。

教育によるエンパワーメントは少女たちにとっては大切です。教育を受けた少女は、若年出産をする少女よりも年上になってから、少ない数の(より健康な)子どもを産み育てる可能性が高くなります。教育を受け人生経験を積んだ女性の方が、サイクロン、洪水、干ばつなどの自然災害が起きた時にうまく対応できます。


女性と少女のセクシュアル/リプロダクティブ・ライツを実現することで自然環境の変化に対応できる力(レジリエンス )を育てること。これこそが気候変動によって翻弄される各国が被害を軽減するためにとるべき対策なのです。
 

何をすればよいか

200カ国近くが署名する国連主導のグローバルな気候変動抑制の枠組みであるパリ協定(訳注:2015年に採択)には、「健康の権利」へのコミットメントが明記されており、避妊法へのアクセスはそれに含まれる重要な課題です。さらに、協定ではジェンダー平等と女性のエンパワーメントを強調しています。 

国際家族計画連盟(IPPF)は11の団体と協力し、パリ協定署名国に対し、女性と少女のエンパワーメントの重要性を再確認し、SRHサービスへのアクセスを保障することを、それぞれの国の気候変動対策戦略として検討するよう呼びかけています。 

地球温暖化の流れを変えるの は、今からでも遅くはありません。しかし、今すぐに決断し行動しなければ、最大の効果は得られません。世界でも脆弱なコミュニティにおいては特にそうです。セクシュアル/リプロダクティブ・ライツの実現が、気候変動危機の解決に大きな役割を果たすことは間違いありません。全世界が一つのコミュニティとしてこの課題に取り組まなければならないのです。