
スポットライト
A selection of stories from across the foundation and our partners

アフガニスタン, イエメン, レバノン
日本政府、165万米ドルのIPPF向け拠出を通じ、アフガニスタン、レバノン、イエメンの危機にある人々を支援する。
アフガニスタン、レバノン、イエメンのIPPF加盟協会は、紛争や自然災害の影響を受ける脆弱な人々の健康と命を守るための活動を開始します。
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| 24 January 2025
イスラエル軍の空爆で命を落としたIPPFパレスチナの年若き医師タバト・サリムを悼んで
<2025年1月6日IPPFパレスチナ(PFPPA)の声明> 2025年1月5日、ガザ地区中部にあるヌセイラト難民キャンプでPFPPAの人道支援活動を行っていたタバト・サリム(Thabat Salim)医師が、イスラエル軍の空爆によって命を落としました。「タバト」はアラビア語で「不動、信念」を意味し、その名が示す通り、彼女は危険を顧みず、その勇気と献身で常に女性や子どもたちに手を差し伸べて希望の柱となり、同僚や地域社会から深く尊敬されていました。サリム医師を失った悲しみは計り知れません。その功績はガザの星となって輝き続けることでしょう。 2023年10月7日以降、ガザでは46,692人の命が奪われ、このうち1,000人以上は命をかけて行動した医療従事者です。IPPFとIPPFパレスチナは、ガザ地区への攻撃継続、激化に強く抗議します。 <2025年1月7日IPPFアルバロ・ベルメホ事務局長の声明> タバト・サリム医師の命が爆撃で奪われたことに深い絶望と強い怒りを感じます。タバトは30歳、IPPFパレスチナ(PFPPA)で活動を始めたばかりのかけがえのないスタッフでした。 タバトの死は「悲劇」の一言で済ませるものではありません。女性の医療従事者たちがいかに過酷な状況で働き、日々を過ごしているかを示す痛烈な告発と言えるでしょう。女性が職場に恐怖を感じることがあってはなりません。しかし、その多くが女性であるパレスチナ、レバノン、スーダン、シリア、イエメンなどの医療従事者にとっては、それが日常なのです。 2023年10月8日にガザのIPPF保健施設が爆撃で破壊され、スタッフが避難を余儀なくされて以来、私たちは声を上げつづけています。他団体と共に、#HealthcareWorkersAreNotATarget (#医療従事者は標的ではない)のハッシュタグを用いてメッセージを拡散してきました。 一般市民、とりわけ医療従事者は、正当な法的保護の権利を否定されています。イスラエル軍とそれに武器供与を続ける米国や他の国々は、市民の殺りくにおいて結託し、生殖可能年齢にあるパレスチナ女性の殺りくにおいて結託し、医療従事者の殺りくにおいて結託しています。この究極の暴力行為で、私たちの人間性が破壊されています。 IPPFは、暴力の停止を強く求めます。同僚や患者の命を奪う武器の供給停止を求めます。性暴力が処罰を受けずに横行すること、何よりジェノサイドを終わらせることを求めます。 女性を擁護するなら、平和を求めるなら、SRHRJ(性と生殖に関する健康と権利/社会正義)を求めるなら、共に立ち向かいましょう。タバト・サリム医師のために。先週ダルフールのIPPFスーダン(SFPA)クリニックでコンドームを購入しようとしただけで殺された17歳の若者のために。昨年パレスチナ、レバノン、シリア、スーダン、イエメンで負傷し、命を落とした同僚たちのために。家を失い、働く場所も失いながらも、SRHケアの最前線に立ち、命をかけて活動している同僚たちのために。女性や若者の身体に対する宣戦布告なき戦いにある今、権力を握った少数の男性たちが、平然としてこうした犠牲を強いて積み重ねないように。今こそ連帯し、すべての人のSRHRJのために立ち上がるときです。

| 29 February 2024
日本政府、IPPFによる世界の自然災害や紛争で被災した女性と女児の支援活動のため、190万ドルの資金提供
アフガニスタン、パレスチナ、スーダン、ウクライナ、イエメンの5カ国のIPPF加盟協会は、日本政府の支援により、自然災害や紛争の影響を受けた地域に、必須の性と生殖に関する健康(SRH)サービスを提供します。 5カ国のIPPF加盟協会は、以下の支援を行います。 アフガニスタンの過疎の6つの州や洪水の被害を受けた地域において、女性と女児、周縁化されたコミュニティに、SRHおよび母子保健サービスを提供 パレスチナで激化する暴力の影響を受けている地域に、緊急のSRHサービスを提供 スーダンの国内避難民の多い3つの州における女性と女児のSRHに関連した疾病率・死亡率を下げるため、サービスへのアクセスとコミュニティの持続可能性を改善 ウクライナのカホフカ水力発電所のダム破壊の影響を受けた人々のため、紛争地域の保健施設を復興し、妊産婦保健サービスへのアクセスを提供 イエメンの国内避難民と地域社会に、重要なSRH・妊産婦保健サービスを提供 日本政府によるこの重要な資金提供は、望まない妊娠、死産や自身の死亡、生殖系の疾患の問題を解決し、女性が尊厳をもって生きるために必要不可欠であるにもかかわらず、アクセスのないSRHRサービスをIPPFが提供することを実現するものです。この資金により、コミュニティにおいて必要かつ質の高いSRHと母子保健サービスを提供します。レイプに関する臨床管理を含むジェンダーに基づく暴力(SGBV)の被害者となることを予防・ケアします。質の高い産科新生児ケアを施すスキルを備えた地域の助産師を育成します。女性と女児の健康に関するニーズと優先事項の対応に必要な情報を収集するためのシステム環境を強化することができます。 IPPF事務局長のアルバロ・ベルメホは、「世界中の危機的状況に巻き込まれた女性と女児を支援するIPPFの活動にご協力いただいた日本政府の比類なき雅量に心より感謝申し上げます。このご厚意により、IPPFと加盟協会は、人道支援を切実に必要とする人々が増加する中、重要なライフラインを提供することができます」と述べました。 IPPFは2024年12月末までに、5カ国の加盟協会を通じて、少なくとも合計23万9,000人に保健サービスや情報を提供することを目指します。 詳細については、IPPF本部、谷口百合([email protected])までご連絡ください。 写真提供: IPPF/Hannah Maule-ffinch/スーダン

| 10 June 2022
パレスチナ、日本政府から60万ドルの支援により人間の安全保障とセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスケアの充実へ
2022年6月8日、パレスチナのラマッラで「パレスチナで人間の安全保障を改善するため、もっとも必要とする人々の命を守るセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービスを提供する」プロジェクトの開始式がありました。本プロジェクトは日本政府の支援を受け、国際家族計画連盟(IPPF)の加盟協会であるIPPFパレスチナ(PFPPA)が実施します。 近年の調査によると、パレスチナではジェンダーに基づく暴力(GBV)の件数が増えています。GBVには心理的、社会的支援、医療サービス、女性と子どもの保健サービス、サバイバーへのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスケアを含む、迅速でタイムリーな取り組みが必要です。 これまで置き去りにされていたこれらのニーズに対応するため、本プロジェクトではガザとヨルダン川西岸で、女性、若者、脆弱な人々にセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)サービスをクリニックで提供します。また、より多くの人々が、質の高い、命を守るSRHサービスを受けられるよう、コミュニティでも展開していきます。 馬越正之パレスチナ関係担当大使兼対パレスチナ日本政府代表事務所長は次のように述べました。「暴力と性的虐待に脅えながら生きることは、普遍的な人権の根幹に関わる問題です。ジェンダーのレンズを通して課題を考えない限り、この地域の平和の実現も、その長期的な維持も難しいでしょう。パレスチナの人々、特に女性に対する支援への日本の継続的なコミットメントの観点から、これは重要なプロジェクトです。日本は、パレスチナへの国際的な連帯に与して、これからも危機下の妊産婦と新生児の健康に関する、持続可能な開発のための2030アジェンダの目標達成を目指し、女性が包括的な医療ケアを受けられるよう支援を続けていくことをここにあらためてコミットします」 パレスチナのDrアマル・ハマド女性相は「社会のすべての人に包括的なプライマリー・ヘルス・ケア、特に女性向けのケアを提供するために、保健分野が主要な役割を果たします。私たちは持続可能な開発目標(SDGs)、特に3番目と5番目の目標達成にコミットしており、促進のために力を尽くし続けます」と言いました。 PFPPAのサミ・ナトシェ会長は「このプロジェクトを通じて、困難な人道的状況にあり、脆弱でサービスの行き届かないパレスチナ女性に質の高いSRHサービスをより多く提供してその権利を促進し、特に性とジェンダーに基づく暴力の削減と対応に大きな成果を上げることが期待されます」とコメントしました。 Dr ファドゥア・バハッダIPPFアラブ世界事務局長は、次のように言いました。「このプロジェクトはパレスチナ女性にとって、特に紛争が長引いている地域に住む女性たちにとって救命胴衣のようなものです。この支援により、人々に必須のSRHサービス、つまり安全な出産、妊産婦のケア、家族計画、HIVなどの病気の予防、性感染症とその治療、質の高い中絶後のケア、GBVサバイバーの社会心理ケアなどを継続的に提供できるようになります」 IPPFパレスチナ(PFPPA) PFPPAはエルサレムで1964年に設立されました。独立した非営利・非政府組織としてパレスチナで登録されたIPPF加盟協会です。PFPPAはヨルダン川西岸のヘブロン、ハルフール、ベツレヘム、ラマッラと、ガザ地区の5拠点でクリニックを運営しています。さらにエルサレム地域で、地元のNGOと協力して4カ所のセーフスペースを運営し、ジェンダーに基づく暴力に対応するサービスを提供しています。PFPPAはSRHRサービスを受ける人々に多様な選択肢を提供することを重視し、パレスチナにある団体(政府・非政府問わず)で唯一、避妊用インプラント(埋め込み式避妊法)を家族計画法として提供しています。PFPPAは中絶関連サービスとしてハームリダクション・アプローチ(中絶が容易に受けられない環境で、安全でない中絶の代わりとして中絶薬とその使用法を提供する)を始めた先駆者であり、他の地元団体とIPPF傘下の加盟協会に、ハームリダクションの経験を共有し、技術協力をしています。. 国際家族計画連盟(IPPF)アラブ世界事務局 IPPFはグローバルなヘルスケア提供機関であり、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進する世界的リーダーです。1952年、勇気と強い意志をを持つ女性たちによって創設されました。今では120の自律した加盟協会と23の連携パートナーと共に、世界146カ国で活動する運動体になっています。IPPFアラブ世界事務局(AWR)は1971年に開設された、世界に6つあるIPPF地域事務局の一つです。チュニジアのチュニスにオフィスがあり、北アフリカと中東にセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービスを提供しながら、地域全体のSRHR啓発活動を率いています。 メディアからのお問合せやPFPPAのMs. Ammal Awadallah(アマル・アワダラ)事務局長への取材の申込みはこちらまでお願いします。Ms. Abeer Dahbour PFPPA広報オフィサー宛(email: [email protected])