- - -

HIVと性感染症

HIV感染の大多数は性感染、または妊娠、出産、授乳からの感染です。

私たちは防止と治療、ケアと支援、そしてHIVに関連した汚名や差別の削減に向けて活動し、また、各地域や各国ごとに、この病気特有の問題に対応しています。

Articles by HIVと性感染症

Yemen mobile clinic IPPF

日本政府による拠出に関する発表を受けたIPPFからの発表

日本政府による拠出に関する発表(2017年3月28日付)*を受け、テウォドロス・メレッセIPPF事務局長から以下のコメントを発表します。 日本政府によるIPPFとUNFPAを通じた性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ:SRHR)への支援の継続に感謝します。米政府資金の大幅減など、世界のSRHRが苦境にある中、日本政府によるこの分野への継続的コミットメントの意思表明を特に歓迎します。 IPPFは、日本政府による長年にわたるIPPFへの支援に感謝します。また、IPPFが目前に差し迫った活動資金の危機を乗り越え、多くの人々(特に女性と少女)の健康と命を守るために、さらなる支援を期待します。 「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の実現のためには,性と生殖に関する健康と権利に関するサービスの提供が必須であることをここに再度強調します。さらに、そのことがG7伊勢志摩サミット最終成果文書のみならず、国際女性会議WAW!(WAW!2016)最終成果文書、第3回国連防災会議成果文書、第6回アフリカ開発会議(TICADVI)成果文書でも明示されています。これらを可能とした日本政府による世界のUHC実現に向けたリーダーシップに敬意を表し、今後とも日本政府と緊密に連携し、世界の女性の健康と命を守り、持続可能な開発目標(SDGs)という共通の目標を達成するための努力を重ねることを約束します。 * 「国連人口基金及び国際家族計画連盟に対する拠出」(2017年3月28日付プレスリリース)はこちらをご参照ください。

H.E. Ambassador Takashi Shinozuka, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of Japan to Morocco and Dr Latifa Mokhtar JAMAI, President of AMPF, IPPF’s Member Association in Morocco, at the JTF project launch ceremony
30 March 2017

IPPF 日本HIV/リプロダクティブ・ヘルス信託基金(日本信託基金、JTF)

2000年に、日本政府との協力によりアフリカとアジアのIPPF加盟協会が、包括的なHIVおよびセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供する活動を支援する先験的な協働プログラム「IPPF日本信託基金」が始まりました。 以後、このプログラムは、社会的弱者の生活に違いを生み出しただけでなく、IPPFのHIV関連事業の拡大にも大きな貢献をしてきました。 日本信託基金(JTF)プログラムが開始された2000年には、世界のIPPF加盟協会が提供したHIV関連サービス数は15万5,562件でしたが、2010年には、1,200万件にまで増大しました。      

カットされる資金援助があれば、IPPFは、27.5万人のHIV陽性の妊婦のケアができたことでしょう。
08 March 2017

女性の健康は グローバル・ギャグ・ルールでどうなるのか?

米国が再導入を予定するグローバル・ギャグ・ルールによって、世界中で発生する健康への損失を試算しました。再導入により、特に貧困や周縁化されたコミュニティの女性が大きな影響を受けます。    あなたにできること メールアドレスを登録してIPPFの最新情報を入手しよう あなたの寄附でIPPFの活動を支えよう

超音波検査を受ける妊婦

グローバル・ギャグ・ルールでどれほどの人命が犠牲になるか

国際家族計画連盟(IPPF)は、米国のグローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)によって世界中でどれほどの人々の健康に影響があるのか、データをまとめました。 IPPFのグローバルなネットワークを通じで、草の根のパートナーたちが1分当たり300以上の家族計画・保健医療サービスを日々、提供しています。米国のトランプ大統領の任期中、これまで提供されてきた約1億ドルの海外援助が受けられなくなります。この援助によって、保健医療ケアを必要とする女性たちのための家族計画とHIVプログラムが実施されるはずでした。 もっとも影響を受けるのがサハラ以南のアフリカ、南アジア、南米とカリブ海地域です。   1億ドルの援助があれば、次のようなことを防ぐことができます。 2万件の妊産婦死亡 480万件の意図しない妊娠 170万件の安全でない中絶   さらに、次のようなこともなし得たでしょう。 27万5000人のHIVと共に生きる妊婦の健康を守り、生まれてくる赤ちゃんへのHIV母子感染を防ぐ 7000万個のコンドームを配布し、意図しない妊娠を減らし、HIVその他の性感染症を防ぐ 72万5000件のHIV検査を実施し、自分の健康状態を知らない人々を助ける 52万5000件の性感染症の治療 世界中の女性、男性、子どもたちの命を守り、健康を増進しようと考える組織として、IPPFと171カ国のパートナーは、人権を否定し、女性の命を危険にさらす政策に署名することはありません。 各国政府その他の機関と連携し、失われた援助の代わりになる資金を調達し、世界中の家族計画クリニックを運営し続けるため、IPPFは尽力しています。 メールアドレスを登録して、世界中の人々の健康を守る運動に参加しよう(英語) THUNDERCLAPに参加して、メッセージを広めよう 寄付をして活動を支えよう

28 November 2016

IPPF と Durex による世界エイズデーのキャンペーン動画

12月1日の世界エイズデーにあわせて、IPPFはDurexの協力を得て、リスクの高い性行為に対する啓発キャンペーン動画を公開しました。調査(※)によると、16-35歳の男女の75%以上が絵文字を使ってセックスについてコミュニケーションしていることが分かりました。調査に参加した若者の10人に9人が「セーフセックスを表す絵文字があれば、もっとオープンにセーフセックスについて話し合える」と答えました。    ※ Durexによる2016年10月実施の3GEM調査による。英国、米国、ブラジル、中国、インド、南アフリカに住む3500名を対象に調査を行った。

Rym Fayala

Interview 「住民がスタッフ 紛争地でも活動継続」

IPPF(国際家族計画連盟) アラブワールド地域事務局 渉外部長 リーム・ファヤラさん チュニジア出身で、医師でもあるリーム・ファヤラさんに、中東地域のセクシュアル/リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)について聞きました。 ― アラブ地域のSRHR の現状を教えてください。 アラブ世界地域には14カ国にIPPFの加盟協会があり、現在、そのうち5カ国が紛争国です。これらの国では、紛争発生以後SRHRの状況が悪化しています。シリアには400 万人の難民がおり、国内避難民は700 万人にも及びます。国内避難民の75%が女性と子どもと推定されています。難民や国内避難民の女性たちは、医療施設の破壊や医師の不在などにより、SRHR関連サービスを含む通常の保健医療サービスが受けられないだけでなく、性暴力に遭って精神的なトラウマも抱えるなど、紛争のSRHRへの影響は、非常に深刻です。 シリア以外でも、性暴力の経験者はヨルダンやエジプトで3 人に1 人、チュニジアでは47%にも上るなど、課題が多くあります。 ― 性暴力のほかに、女性の健康に関する課題は特に何がありますか。 まず高い妊産婦死亡率が挙げられます。ソマリアでは、出生10 万あたり約800 人(2013 年データ)と非常に高い状態です。また、紛争地では妊産婦死亡率が悪化しました。シリア危機では、2010 年に出生10 万あたり56 人だった妊産婦死亡率が、2013には65 人になってしまいました。 またアラブ地域では、18 歳になる前に結婚する女性も数多くいます。これは親が性犯罪や性暴力から「娘を守るために」早く結婚させるという現実を反映しています。女性性器切除(FGM)もモーリタリア、スーダンなどでいまだに深刻です。 ― IPPF の加盟協会はどのような活動をしていますか 移動クリニックと診療所を通して、SRHRを中心とした保健サービスとカウンセリングによる精神的ケアを提供しています。シリアでは、2013 年と2014 年に大幅にサービス提供件数を増やすなど、ニーズに応じて活動を拡大しました。実際に現場で活動しているスタッフは、地元住民でもあり、地域に根付いていますから、IS(イスラム国)に支配されるようになった地域でも、活動を継続しています。 このように非常に混乱した紛争地で人々のSRHRニーズに応える活動ができている団体はIPPFのほかに類を見ません。 また、スーダンやモーリタニア等では、IPPF・日本信託基金(JTF)の支援によるプロジェクトを実施しており、日本政府に感謝しています。サービス提供数は増やしていますが、すべてのニーズには応えられていません。今後もさらなるご支援を心よりお願いいたします。   <プロフィール> アドボカシーや資金調達などを担当。チュニジア保健省「人口とリプロダクティブヘルス・研修・研究センター」所長、国連人口基金(UNFPA)チュニジア事務所でのリビア人難民に対するリプロダクティブヘルス関連支援のコーディネーターなどを経て現職。   *この記事は、公益財団法人ジョイセフが発行するリプロダクティブ・ヘルスに関するオピニオンマガジン、アールエイチ・プラス(RH+)に掲載されたインタビュー記事を、許可を得て転載しています。

Neonatal device IPPF Ethiopia

エチオピアで女性と若者の健康と権利を守るNGO

※ こちらの記事は、IPPF東京連絡事務所を務める公益財団法人ジョイセフのウェブサイトに掲載されたものを、許可をいただいて転載しています。元の記事はこちらです。 2016年8月19日 2016年8月上旬、国際家族計画連盟(IPPF)のエチオピア加盟協会「IPPFエチオピア」の本部と併設のクリニックを、ジョイセフ職員が訪ねました。 IPPFエチオピアは、現地ではFamily Guidance Association of Ethiopia(FGAE)の名で広く知られています。 IPPFエチオピアは、IPPFが取り組むセクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR、性と生殖に関する健康と権利)を推進するNGOです。アフリカの非常に多くの国にあるIPPFの加盟協会の中でも、大きな組織の一つです。 日本の約3倍の国土に支部が8つあり、クリニックは55あります。若者への包括的性教育、医療従事者の研修、クリニックでの避妊や妊娠・出産へのアドバイスや子宮頸がん検診など、事業は実にさまざまです。常勤スタッフは700人、一線で活躍するボランティアは1700人にも上ります。また、分娩台など多くの設備が日本政府の資金協力で設置されています。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 医師ナドゥ・メコネン(Nadew Mekonnen)さんの話を紹介します。 Q:医師になったきっかけは何ですか。 A:母は7人子どもを産みましたが、生き残ったのは2人だけで、その一人が私です。当時、特に地方では予防接種ができなかったり、衛生状態が悪かったり、近くに病院がなかったりして、多くの子どもが命を落としていました。そんな状況を変えたいと思って医師を志しました。 Q:なぜこのクリニックで働いているのですか。 A:母はもちろん、すべての女性を尊敬しており、女性たちのために働きたいからです。女性たちは家事や育児に忙しく、お金も節約し、自分のためには病院に行きません。そんな女性たちのためにサービスを提供できるこの病院で働けることに大きなやりがいを感じています。また、多くの病院では一度に一つのサービスしか受けられないのですが、ここではそれぞれのニーズに応じて、一度に三つ以上のサービスを提供しています。また、多くのサービスが無料であることから、患者さんの満足度が高いことがうれしいです。 Q:課題は何でしょうか。 A:スタッフはよく訓練されていますが、人数が足りず、部屋も不十分です。家族計画や性暴力被害者へのカウンセリングなど、長期的支援が必要なサービスも多いので、長期的に質の高いサービスを持続できるような資金確保が課題です。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: エチオピアでは今も18歳未満の女児の「児童婚」や、女性性器切除(FGM)の慣習が一部で残り、IPPFエチオピアはジェンダー平等や女性のエンパワーメントの観点でも、政府と連携して活動しています。セックス・ワーカーと呼ばれる性産業従事者に特化したサービスも提供しています。 最近は特に若者を対象にした事業を重視しています。気軽に相談に来られる「ユース・センター」の設置や、児童・生徒対象に卓球や演劇などのクラブをつくって活動し、男女ともに楽しみながら、自分の権利と健康を守ることを促しています。 (アドボカシーグループ 宮地佳那子)

Girls Decide landing image
30 June 2016

決断する少女たち

このプログラムでは、若い女性が直面しているセクシュアル・ヘルスやセクシュアリティに関わる重大な課題に取り組んでいます。調査、意識向上、アドボカシー(政策提言)、サービス・デリバリーなどを行う、急成長している国際的プログラムです。   決断する少女たち)」は少女や若い女性のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関するプログラムです。世界中の、妊娠や出産に伴う病気の患者のうち、10~19歳の少女が23%を占めます。毎年250万人が安全でない人工妊娠中絶に至ると推定されています。HIVやエイズとともに生きている若者は世界中で550万人に上り、そのうち60%が若い女性です。 (決断する少女たち)」ではさまざまな提言、教育、情報を提供し、少女や若い女性のセクシュアル・ヘルス/ライツの向上のための支援活動を行っています。その一つに、国籍の異なる6人の若い女性がセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスについて決意を固める姿を描いたフィルムがあります。このフィルムは名誉ある国際映像・コミュニケーション賞 を受賞しました。 少女や若い女性が、命を救うための重要なサービスや情報にアクセスする場合、また、自分の人生について意義のある選択ができる場合、彼女たちは権利を与えられます。彼女たちの家族やコミュニティの幸福な生活が向上するのと同じように、彼女たち自身の生活の質が向上します。国際的に同意を得た開発目標を達成するための、彼女たちの集団的能力が強まります。 ほぼすべてのIPPF加盟協会は青少年に対しサービスを提供しており、サービス受給者の3人に1人は25歳未満の若者です。少女と若い女性は皆、権利保有者であり、セクシュアル/リプロダクティブ・ライツを得ることができます。 IPPF事務局および加盟協会は、原則として、少女の権利を尊重し、質の高いサービス提供を実現することで少女たちを援助します。少女たちがセクシュアリティや妊娠について自ら決断できるよう、彼女たちを支援します。また、地域・国・国際的なレベルで、少女や若い女性が直面する課題に取り組み、彼女たちのセクシュアル/リプロダクティブ・ライツを支持します。

At a glance 2015- front page
22 June 2016

2015年 活動一覧

国際家族計画連盟(IPPF) 2015年の主要実績です。 このページからダウンロードしていただけます。          

mobile clinic in Colombia

IPPFの呼びかけ:ジカ熱への国際的な対応として、誰でも避妊具を入手できるようにすることが重要

性交渉によるジカウイルスの感染例が米国で報告されたのを受け、国際家族計画連盟(IPPF)のテウォドロス・メレッセ事務局長は、ジカウイルス感染症(ジカ熱)の感染を止める最前線で、確実に避妊具が入手できるよう、各方面からのさらなる努力を呼びかけました。 メレッセ事務局長は、アイルランドと米国におけるジカ熱感染例の報告を受けて発表した声明文の中で、次のように述べました。「世界保健機関(WHO)は2月1日に、ジカ熱に関して『国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態』を宣言しました。ガイドラインを拡充し、包括的な努力によって、これ以上の感染の拡大を防がなければなりません。ジカ熱の対応において、第一に女性の権利が考慮されるよう、WHOのさらなる指導が必要です。性交渉による感染の可能性が出てきたいま、人々のリスクを減らすためにはこまめな情報更新が必須です」 性交渉によるジカ熱の感染を確認するには、事例や調査がまだ不十分です。性交渉によるジカウイルスの感染が証明されれば、感染拡大の防止策に性感染症(STI)対策も包含することが重要になるでしょう。 米国の疾病管理予防センター(CDC)の報告によると、米国の感染例は性的な接触によるものだった可能性があります。IPPFは状況の監視を続けます。性交渉による感染の可能性が否定できない中、誰もがコンドームを入手できるようにすることと、コンドーム以外の避妊法と併用することが必要です。男性用、女性用のコンドームは、意図しない妊娠を防ぐだけでなく、HIVその他の性感染症(STI)の感染予防にも効果があります。 ジカ熱が流行する地域で、女性に妊娠の延期を呼びかける国があることを受け、メレッセ事務局長は次のようにコメントしました。「子どもを産むか産まないか、そしてそのタイミングの判断を含む女性の生殖については、女性の権利であることへの理解が不可欠ですが、貧困率が高い地域や性とジェンダーに基づく暴力が多い地域では、それが守られるとは限りません」 「中には妊娠を先延ばしにできない人もいるでしょう。だからこそ、ジカ熱対策は一人ひとりに合わせたものでなければなりません。妊娠し、不安を感じ、検査を必要とする女性に対しては、十分に配慮した対応をする一方、すべての人が避妊法を入手できるように徹底しなければなりません。各国の政府は、医療サービスを提供する際に、必要な人すべてに必需品が行き渡るようにしなければなりません。家族計画プログラムを強化し、法律上、許される地域では、安全な中絶を必要とする女性に提供することも、政府や自治体がジカ熱の感染拡大を防止するための戦略として考えていくよう、IPPFは呼びかけます」 国際家族計画連盟(IPPF)は、170カ国のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利)に関する組織をつなげる国際的ネットワークです。各組織(加盟協会、略称MA)は、情報やサービス、避妊法や中絶へのアクセスを求めるいなかる人々の状況をも注視し、対応できるよう備えて、他機関へのリファラルも行うことができます。。 詳細や取材については、IPPF本部(英国)の窓口までお問い合わせください。TEL: +44 (20) 7939 8227 *この記事は、IPPFウェブサイトの記事を翻訳したものです。元の記事(英語)はこちらです。

Yemen mobile clinic IPPF

日本政府による拠出に関する発表を受けたIPPFからの発表

日本政府による拠出に関する発表(2017年3月28日付)*を受け、テウォドロス・メレッセIPPF事務局長から以下のコメントを発表します。 日本政府によるIPPFとUNFPAを通じた性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ:SRHR)への支援の継続に感謝します。米政府資金の大幅減など、世界のSRHRが苦境にある中、日本政府によるこの分野への継続的コミットメントの意思表明を特に歓迎します。 IPPFは、日本政府による長年にわたるIPPFへの支援に感謝します。また、IPPFが目前に差し迫った活動資金の危機を乗り越え、多くの人々(特に女性と少女)の健康と命を守るために、さらなる支援を期待します。 「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の実現のためには,性と生殖に関する健康と権利に関するサービスの提供が必須であることをここに再度強調します。さらに、そのことがG7伊勢志摩サミット最終成果文書のみならず、国際女性会議WAW!(WAW!2016)最終成果文書、第3回国連防災会議成果文書、第6回アフリカ開発会議(TICADVI)成果文書でも明示されています。これらを可能とした日本政府による世界のUHC実現に向けたリーダーシップに敬意を表し、今後とも日本政府と緊密に連携し、世界の女性の健康と命を守り、持続可能な開発目標(SDGs)という共通の目標を達成するための努力を重ねることを約束します。 * 「国連人口基金及び国際家族計画連盟に対する拠出」(2017年3月28日付プレスリリース)はこちらをご参照ください。

H.E. Ambassador Takashi Shinozuka, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of Japan to Morocco and Dr Latifa Mokhtar JAMAI, President of AMPF, IPPF’s Member Association in Morocco, at the JTF project launch ceremony
30 March 2017

IPPF 日本HIV/リプロダクティブ・ヘルス信託基金(日本信託基金、JTF)

2000年に、日本政府との協力によりアフリカとアジアのIPPF加盟協会が、包括的なHIVおよびセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供する活動を支援する先験的な協働プログラム「IPPF日本信託基金」が始まりました。 以後、このプログラムは、社会的弱者の生活に違いを生み出しただけでなく、IPPFのHIV関連事業の拡大にも大きな貢献をしてきました。 日本信託基金(JTF)プログラムが開始された2000年には、世界のIPPF加盟協会が提供したHIV関連サービス数は15万5,562件でしたが、2010年には、1,200万件にまで増大しました。      

カットされる資金援助があれば、IPPFは、27.5万人のHIV陽性の妊婦のケアができたことでしょう。
08 March 2017

女性の健康は グローバル・ギャグ・ルールでどうなるのか?

米国が再導入を予定するグローバル・ギャグ・ルールによって、世界中で発生する健康への損失を試算しました。再導入により、特に貧困や周縁化されたコミュニティの女性が大きな影響を受けます。    あなたにできること メールアドレスを登録してIPPFの最新情報を入手しよう あなたの寄附でIPPFの活動を支えよう

超音波検査を受ける妊婦

グローバル・ギャグ・ルールでどれほどの人命が犠牲になるか

国際家族計画連盟(IPPF)は、米国のグローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)によって世界中でどれほどの人々の健康に影響があるのか、データをまとめました。 IPPFのグローバルなネットワークを通じで、草の根のパートナーたちが1分当たり300以上の家族計画・保健医療サービスを日々、提供しています。米国のトランプ大統領の任期中、これまで提供されてきた約1億ドルの海外援助が受けられなくなります。この援助によって、保健医療ケアを必要とする女性たちのための家族計画とHIVプログラムが実施されるはずでした。 もっとも影響を受けるのがサハラ以南のアフリカ、南アジア、南米とカリブ海地域です。   1億ドルの援助があれば、次のようなことを防ぐことができます。 2万件の妊産婦死亡 480万件の意図しない妊娠 170万件の安全でない中絶   さらに、次のようなこともなし得たでしょう。 27万5000人のHIVと共に生きる妊婦の健康を守り、生まれてくる赤ちゃんへのHIV母子感染を防ぐ 7000万個のコンドームを配布し、意図しない妊娠を減らし、HIVその他の性感染症を防ぐ 72万5000件のHIV検査を実施し、自分の健康状態を知らない人々を助ける 52万5000件の性感染症の治療 世界中の女性、男性、子どもたちの命を守り、健康を増進しようと考える組織として、IPPFと171カ国のパートナーは、人権を否定し、女性の命を危険にさらす政策に署名することはありません。 各国政府その他の機関と連携し、失われた援助の代わりになる資金を調達し、世界中の家族計画クリニックを運営し続けるため、IPPFは尽力しています。 メールアドレスを登録して、世界中の人々の健康を守る運動に参加しよう(英語) THUNDERCLAPに参加して、メッセージを広めよう 寄付をして活動を支えよう

28 November 2016

IPPF と Durex による世界エイズデーのキャンペーン動画

12月1日の世界エイズデーにあわせて、IPPFはDurexの協力を得て、リスクの高い性行為に対する啓発キャンペーン動画を公開しました。調査(※)によると、16-35歳の男女の75%以上が絵文字を使ってセックスについてコミュニケーションしていることが分かりました。調査に参加した若者の10人に9人が「セーフセックスを表す絵文字があれば、もっとオープンにセーフセックスについて話し合える」と答えました。    ※ Durexによる2016年10月実施の3GEM調査による。英国、米国、ブラジル、中国、インド、南アフリカに住む3500名を対象に調査を行った。

Rym Fayala

Interview 「住民がスタッフ 紛争地でも活動継続」

IPPF(国際家族計画連盟) アラブワールド地域事務局 渉外部長 リーム・ファヤラさん チュニジア出身で、医師でもあるリーム・ファヤラさんに、中東地域のセクシュアル/リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)について聞きました。 ― アラブ地域のSRHR の現状を教えてください。 アラブ世界地域には14カ国にIPPFの加盟協会があり、現在、そのうち5カ国が紛争国です。これらの国では、紛争発生以後SRHRの状況が悪化しています。シリアには400 万人の難民がおり、国内避難民は700 万人にも及びます。国内避難民の75%が女性と子どもと推定されています。難民や国内避難民の女性たちは、医療施設の破壊や医師の不在などにより、SRHR関連サービスを含む通常の保健医療サービスが受けられないだけでなく、性暴力に遭って精神的なトラウマも抱えるなど、紛争のSRHRへの影響は、非常に深刻です。 シリア以外でも、性暴力の経験者はヨルダンやエジプトで3 人に1 人、チュニジアでは47%にも上るなど、課題が多くあります。 ― 性暴力のほかに、女性の健康に関する課題は特に何がありますか。 まず高い妊産婦死亡率が挙げられます。ソマリアでは、出生10 万あたり約800 人(2013 年データ)と非常に高い状態です。また、紛争地では妊産婦死亡率が悪化しました。シリア危機では、2010 年に出生10 万あたり56 人だった妊産婦死亡率が、2013には65 人になってしまいました。 またアラブ地域では、18 歳になる前に結婚する女性も数多くいます。これは親が性犯罪や性暴力から「娘を守るために」早く結婚させるという現実を反映しています。女性性器切除(FGM)もモーリタリア、スーダンなどでいまだに深刻です。 ― IPPF の加盟協会はどのような活動をしていますか 移動クリニックと診療所を通して、SRHRを中心とした保健サービスとカウンセリングによる精神的ケアを提供しています。シリアでは、2013 年と2014 年に大幅にサービス提供件数を増やすなど、ニーズに応じて活動を拡大しました。実際に現場で活動しているスタッフは、地元住民でもあり、地域に根付いていますから、IS(イスラム国)に支配されるようになった地域でも、活動を継続しています。 このように非常に混乱した紛争地で人々のSRHRニーズに応える活動ができている団体はIPPFのほかに類を見ません。 また、スーダンやモーリタニア等では、IPPF・日本信託基金(JTF)の支援によるプロジェクトを実施しており、日本政府に感謝しています。サービス提供数は増やしていますが、すべてのニーズには応えられていません。今後もさらなるご支援を心よりお願いいたします。   <プロフィール> アドボカシーや資金調達などを担当。チュニジア保健省「人口とリプロダクティブヘルス・研修・研究センター」所長、国連人口基金(UNFPA)チュニジア事務所でのリビア人難民に対するリプロダクティブヘルス関連支援のコーディネーターなどを経て現職。   *この記事は、公益財団法人ジョイセフが発行するリプロダクティブ・ヘルスに関するオピニオンマガジン、アールエイチ・プラス(RH+)に掲載されたインタビュー記事を、許可を得て転載しています。

Neonatal device IPPF Ethiopia

エチオピアで女性と若者の健康と権利を守るNGO

※ こちらの記事は、IPPF東京連絡事務所を務める公益財団法人ジョイセフのウェブサイトに掲載されたものを、許可をいただいて転載しています。元の記事はこちらです。 2016年8月19日 2016年8月上旬、国際家族計画連盟(IPPF)のエチオピア加盟協会「IPPFエチオピア」の本部と併設のクリニックを、ジョイセフ職員が訪ねました。 IPPFエチオピアは、現地ではFamily Guidance Association of Ethiopia(FGAE)の名で広く知られています。 IPPFエチオピアは、IPPFが取り組むセクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR、性と生殖に関する健康と権利)を推進するNGOです。アフリカの非常に多くの国にあるIPPFの加盟協会の中でも、大きな組織の一つです。 日本の約3倍の国土に支部が8つあり、クリニックは55あります。若者への包括的性教育、医療従事者の研修、クリニックでの避妊や妊娠・出産へのアドバイスや子宮頸がん検診など、事業は実にさまざまです。常勤スタッフは700人、一線で活躍するボランティアは1700人にも上ります。また、分娩台など多くの設備が日本政府の資金協力で設置されています。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 医師ナドゥ・メコネン(Nadew Mekonnen)さんの話を紹介します。 Q:医師になったきっかけは何ですか。 A:母は7人子どもを産みましたが、生き残ったのは2人だけで、その一人が私です。当時、特に地方では予防接種ができなかったり、衛生状態が悪かったり、近くに病院がなかったりして、多くの子どもが命を落としていました。そんな状況を変えたいと思って医師を志しました。 Q:なぜこのクリニックで働いているのですか。 A:母はもちろん、すべての女性を尊敬しており、女性たちのために働きたいからです。女性たちは家事や育児に忙しく、お金も節約し、自分のためには病院に行きません。そんな女性たちのためにサービスを提供できるこの病院で働けることに大きなやりがいを感じています。また、多くの病院では一度に一つのサービスしか受けられないのですが、ここではそれぞれのニーズに応じて、一度に三つ以上のサービスを提供しています。また、多くのサービスが無料であることから、患者さんの満足度が高いことがうれしいです。 Q:課題は何でしょうか。 A:スタッフはよく訓練されていますが、人数が足りず、部屋も不十分です。家族計画や性暴力被害者へのカウンセリングなど、長期的支援が必要なサービスも多いので、長期的に質の高いサービスを持続できるような資金確保が課題です。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: エチオピアでは今も18歳未満の女児の「児童婚」や、女性性器切除(FGM)の慣習が一部で残り、IPPFエチオピアはジェンダー平等や女性のエンパワーメントの観点でも、政府と連携して活動しています。セックス・ワーカーと呼ばれる性産業従事者に特化したサービスも提供しています。 最近は特に若者を対象にした事業を重視しています。気軽に相談に来られる「ユース・センター」の設置や、児童・生徒対象に卓球や演劇などのクラブをつくって活動し、男女ともに楽しみながら、自分の権利と健康を守ることを促しています。 (アドボカシーグループ 宮地佳那子)

Girls Decide landing image
30 June 2016

決断する少女たち

このプログラムでは、若い女性が直面しているセクシュアル・ヘルスやセクシュアリティに関わる重大な課題に取り組んでいます。調査、意識向上、アドボカシー(政策提言)、サービス・デリバリーなどを行う、急成長している国際的プログラムです。   決断する少女たち)」は少女や若い女性のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関するプログラムです。世界中の、妊娠や出産に伴う病気の患者のうち、10~19歳の少女が23%を占めます。毎年250万人が安全でない人工妊娠中絶に至ると推定されています。HIVやエイズとともに生きている若者は世界中で550万人に上り、そのうち60%が若い女性です。 (決断する少女たち)」ではさまざまな提言、教育、情報を提供し、少女や若い女性のセクシュアル・ヘルス/ライツの向上のための支援活動を行っています。その一つに、国籍の異なる6人の若い女性がセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスについて決意を固める姿を描いたフィルムがあります。このフィルムは名誉ある国際映像・コミュニケーション賞 を受賞しました。 少女や若い女性が、命を救うための重要なサービスや情報にアクセスする場合、また、自分の人生について意義のある選択ができる場合、彼女たちは権利を与えられます。彼女たちの家族やコミュニティの幸福な生活が向上するのと同じように、彼女たち自身の生活の質が向上します。国際的に同意を得た開発目標を達成するための、彼女たちの集団的能力が強まります。 ほぼすべてのIPPF加盟協会は青少年に対しサービスを提供しており、サービス受給者の3人に1人は25歳未満の若者です。少女と若い女性は皆、権利保有者であり、セクシュアル/リプロダクティブ・ライツを得ることができます。 IPPF事務局および加盟協会は、原則として、少女の権利を尊重し、質の高いサービス提供を実現することで少女たちを援助します。少女たちがセクシュアリティや妊娠について自ら決断できるよう、彼女たちを支援します。また、地域・国・国際的なレベルで、少女や若い女性が直面する課題に取り組み、彼女たちのセクシュアル/リプロダクティブ・ライツを支持します。

At a glance 2015- front page
22 June 2016

2015年 活動一覧

国際家族計画連盟(IPPF) 2015年の主要実績です。 このページからダウンロードしていただけます。          

mobile clinic in Colombia

IPPFの呼びかけ:ジカ熱への国際的な対応として、誰でも避妊具を入手できるようにすることが重要

性交渉によるジカウイルスの感染例が米国で報告されたのを受け、国際家族計画連盟(IPPF)のテウォドロス・メレッセ事務局長は、ジカウイルス感染症(ジカ熱)の感染を止める最前線で、確実に避妊具が入手できるよう、各方面からのさらなる努力を呼びかけました。 メレッセ事務局長は、アイルランドと米国におけるジカ熱感染例の報告を受けて発表した声明文の中で、次のように述べました。「世界保健機関(WHO)は2月1日に、ジカ熱に関して『国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態』を宣言しました。ガイドラインを拡充し、包括的な努力によって、これ以上の感染の拡大を防がなければなりません。ジカ熱の対応において、第一に女性の権利が考慮されるよう、WHOのさらなる指導が必要です。性交渉による感染の可能性が出てきたいま、人々のリスクを減らすためにはこまめな情報更新が必須です」 性交渉によるジカ熱の感染を確認するには、事例や調査がまだ不十分です。性交渉によるジカウイルスの感染が証明されれば、感染拡大の防止策に性感染症(STI)対策も包含することが重要になるでしょう。 米国の疾病管理予防センター(CDC)の報告によると、米国の感染例は性的な接触によるものだった可能性があります。IPPFは状況の監視を続けます。性交渉による感染の可能性が否定できない中、誰もがコンドームを入手できるようにすることと、コンドーム以外の避妊法と併用することが必要です。男性用、女性用のコンドームは、意図しない妊娠を防ぐだけでなく、HIVその他の性感染症(STI)の感染予防にも効果があります。 ジカ熱が流行する地域で、女性に妊娠の延期を呼びかける国があることを受け、メレッセ事務局長は次のようにコメントしました。「子どもを産むか産まないか、そしてそのタイミングの判断を含む女性の生殖については、女性の権利であることへの理解が不可欠ですが、貧困率が高い地域や性とジェンダーに基づく暴力が多い地域では、それが守られるとは限りません」 「中には妊娠を先延ばしにできない人もいるでしょう。だからこそ、ジカ熱対策は一人ひとりに合わせたものでなければなりません。妊娠し、不安を感じ、検査を必要とする女性に対しては、十分に配慮した対応をする一方、すべての人が避妊法を入手できるように徹底しなければなりません。各国の政府は、医療サービスを提供する際に、必要な人すべてに必需品が行き渡るようにしなければなりません。家族計画プログラムを強化し、法律上、許される地域では、安全な中絶を必要とする女性に提供することも、政府や自治体がジカ熱の感染拡大を防止するための戦略として考えていくよう、IPPFは呼びかけます」 国際家族計画連盟(IPPF)は、170カ国のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利)に関する組織をつなげる国際的ネットワークです。各組織(加盟協会、略称MA)は、情報やサービス、避妊法や中絶へのアクセスを求めるいなかる人々の状況をも注視し、対応できるよう備えて、他機関へのリファラルも行うことができます。。 詳細や取材については、IPPF本部(英国)の窓口までお問い合わせください。TEL: +44 (20) 7939 8227 *この記事は、IPPFウェブサイトの記事を翻訳したものです。元の記事(英語)はこちらです。