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母子保健

毎日、830人の女性が妊娠や出産に関連する原因によって命を落としています。さらに多くの女性は、妊娠出産の結果、深刻な疾病や長引く病気を抱えています。 IPPFは、クリニックや辺境地域へのサービスを通じて、またヘルスワーカーの訓練、必要不可欠な医薬品の手配や保健システムの強化によって、世界中で妊産婦の健康を推進するために活動しています。  

Articles by 母子保健

カットされる資金援助があれば、IPPFは、27.5万人のHIV陽性の妊婦のケアができたことでしょう。
08 March 2017

女性の健康は グローバル・ギャグ・ルールでどうなるのか?

米国が再導入を予定するグローバル・ギャグ・ルールによって、世界中で発生する健康への損失を試算しました。再導入により、特に貧困や周縁化されたコミュニティの女性が大きな影響を受けます。    あなたにできること メールアドレスを登録してIPPFの最新情報を入手しよう あなたの寄附でIPPFの活動を支えよう

Attendees at the closing ceremony in Lebanon

IPPFレバノンは日本政府の支援によるHIVとリプロダクティブ・ヘルスのプロジェクトを終了しました

2021年12月13日、IPPF日本信託基金(JTF)が支援し、IPPFレバノン(SALAMA)が実施する「レバノンのベッカー県でシリア難民とホストコミュニティの妊産婦の死亡と疾病を減らすリプロダクティブ・ヘルス・プロジェクト」の終了セレモニーがベイルート内のホテルで開催されました。日本大使館、レバノン社会問題省、レバノン助産師会、国際団体、市民社会組織の代表が出席しました。 セレモニーでは、プロジェクトで6,115人に提供した10万2,000件以上のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービスなど多くの成果について、関係者の講演、発表、動画で紹介しました。レバノンが直面した政治と経済の危機、コロナ禍、ベイルート港爆発事故(2020年8月)により、プロジェクトも様々な課題と向き合わなければなりませんでした。国内のSRHニーズが、特に人道危機下で依然として多いことを、出席者の多くが指摘しました。 日本政府は2017年よりベッカー県におけるSALAMAの活動を支援しており、今回が2回目のプロジェクトでした。 SALAMAの会長、Dr ジョセフ・チャリータと事務局長リナ・サブラはそれぞれのスピーチで日本政府への深い謝意を表明しました。日本大使館の代表はプロジェクトの有用性と成果を評価しました。 SALAMAの会長、Dr ジョセフ・チャリータのスピーチから抜粋します。 「今日こうして皆さんと集まってプロジェクトの成功を祝うことができてうれしく思います。これからも、私たちの声が指導者と意思決定の力を持つ人々に届き、すべての女性と少女が平等に避妊法と家族計画サービスを受けられる環境を作り出していけるよう、共に尽力していきましょう」 SALAMAの事務局長、リナ・サブラの発言です。 「SALAMAは、サービスを必要とし、すべての周縁化されたグループの多様な文化を尊重しながらエンパワーメントに注力するという、日本の政府開発援助(ODA)の優先順位に従って活動 してきました。(中略)SALAMAは主に持続可能な開発目標(SDGs)のうち3、5、13の達成に貢献しています」  在レバノン日本国大使の代理、山口真紀 書記官が述べました。 「レバノンが直面するいくつもの危機の中で、現地コミュニティとシリア人難民が必要とする医療サービスにつながるのが困難になっています。だからこそ、このようなプロジェクトが成功することに意味があります」  プロジェクト関連動画(英語字幕付き) JTF end of project report プロジェクト終了に寄せて HIV success story HIVプロジェクトの成果 Family planning success story 家族計画プロジェクトの成果 Pregnant women program (Mama & Baby Kits) ママ&ベビー・キット(妊産婦向けプログラム) Dignity kits ディグニティー・キット(人道危機下の女性支援)

30 October 2019

IPPFテクニカル・ブリーフ:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利:SRHR)の新定義

この文書は、グットマッハー・ランセット コミッションが2018年5月に発表した報告書に基づいて、人権の観点からエビデンスに基づいた、包括的なセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利:SRHR)の新しい定義と、推奨される必須SRHR関連事業の包括的なパッケージについて、1ページにまとめました。

サイドイベントの登壇者たち

WHO事務局長 ジェンダー平等と女性の健康の大切さを訴える~UHCフォーラムサイドイベント 100人超が来場~

国際家族計画連盟(IPPF)は、国連人口基金(UNFPA)と、IPPF東京連絡事務所であるジョイセフ(JOICFP)とともに、2017年12月15日、「UHCフォーラム2017」公式サイドイベント「UHCとユニバーサル・リプロダクティブ・ヘルス・カバレッジ~女性・若者が直面する課題に挑む~」を東京都内で開きました。 約40ある公式サイドイベントのなかでも、セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)の視点はユニークで、WHO(世界保健機関)事務局長、国際保健を推進する日本の国会議員などがスピーカーとなり、約100人が参加する大規模なサイドイベントとなりました。 第1部では、大局的な観点から、UHC達成に必要なリーダーシップ、各国の実情に合わせた施策、そしてその時に女性の視点を取り込む大切さが述べられました。 基調講演をしたWHO事務局長テドロス・アダノム氏は、「誰一人取り残さない」ために、ジェンダー平等とSRHRは中心課題として取り組まないといけないことを強調しました。参議院議員の武見敬三氏は、日本のUHCの課題からみえる今後の問題点を説明し、高齢化社会のなか、非感染性疾患の増加、高齢女性の貧困、介護人材不足への対応の必要性を指摘しました。外務省国際協力局参事官の塚田玉樹氏は、世界の女性の地位向上とともに、SRHの大切さ、それに向けた日本の貢献を訴えました。 IPPF次期事務局長Dr アルバロ・ベルメホは、世界中の多くの人々、特に若者や貧困層は、SRHサービスを自己資金で利用することが多いため、自己負担を減らすよう、UHCを国の保健財政だけの問題とせず、「誰一人取り残さない」サービス供給の観点から考える必要があるとしました。 このほか、UNFPAテクニカル・スペシャリストのハワード・フリードマン氏、「女性と子どもの健康の実現に向けたグローバル戦略(Every Woman Every Child)」国連事務局アカウンタビリティー確保のための独立パネル代表のエリザベス・メーソン氏も登壇し、若者に特化したサービスやデータ収集の大切さなどを述べました。   第2部では、コミュニティの視点にテーマを移し、各地で抱える問題や若者の立場を考慮しながら、住民主体のサービスによる、UHC達成を議論しました。匿名で質問を投稿できるウェブサイトも利用し、若者を含めて活発な意見交換が展開されました。 IPPF アフリカ地域事務局長ルシアン・クアク氏は、米国のメキシコシティ政策によって若者の避妊具へのアクセスの障害が出たことを問題視するとともに、人工妊娠中絶に対して厳しい国があること、政情不安によって学校に行けない若者もいるなどアフリカが抱える課題を挙げ、政治の力、計画、活動、人材、実績が求められることを訴えました。 スーダン家族計画協会(SFPA)会長バシル・エリマム氏は、スーダンでは国内避難民のSRHの問題が深刻で、さらに各地で治安不安、貧困、地方部でヘルスサービス利用しにくいなどの問題を指摘。UHC達成のためには、国内避難民を含めたSRHサービス拡大が大切であると強調しました。また保守的な考えがあるため、SFPAは保健省や教員に早い段階で説明して協働で取り組んでいるという活動の工夫も説明しました。 ファミリー・ヘルス・オプションズ・ケニア(FHOK)事務局長エドワード・マリエンガ氏は、FHOKは、米国などドナー協力を得て、若者へのサービス、妊産婦死亡率削減、施設での分娩や避妊実行率を上げる取り組みに成果を上げてきたものの、資金が減らされている現状を説明。若者のためには避妊具の提供や、妊娠・出産した学生が偏見を受けないよう啓発を含めたユースフレンドリーサービスが大切だと訴えました。 最後に日本の若者を代表し、Japan Youth Platform for Sustainability代表・唐木まりも氏は、日本で女性が考える「美」には、社会の美の意識の刷り込みがあることから、既存のジェンダー意識にとらわれない女性の健康と、避妊を含めて女性の主体的な選択、女性がNOと言いやすい環境を社会全体で作っていく必要性があることを訴えました。 ※こちらの記事は、ジョイセフのウェブサイトに掲載されたものを、許可を得て転載しています。  

A young female client helped by a project via IPPF

グローバル・ギャグ・ルールの適用拡大が及ぼす世代を超えた悪影響

米国による グローバル・ギャグ・ルール(GGR)の適用範囲の拡大( https://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2017/05/270866.htm)により、世界でもっとも貧困に苦しむ女性と少女たちの何百万という命が脅かされると、テウォドロス・メレッセIPPF事務局長は訴えています。 グローバル・ギャグ・ルール(GGR、メキシコシティ政策とも言われている)の適用範囲が拡大されれば、地球上で貧困に苦しむ多くの女性たちが、命にかかわる医療ケアを受けることができなくなります。それにより、意図しない妊娠、安全でない中絶が増え、何千人もの女性が命を落とすことになるでしょう。 このままでは、適正な価格で受けられた、質の高い、包括的なリプロダクティブ・ヘルスケアが、世界中で提供できなくなります。提供できなくなるサービスは、避妊指導や避妊法、ジカウイルス感染症に関する保健情報、母子保健サービス、出産後の母子のケア、生殖器のがん治療、HIV感染の予防や治療など、多岐にわたります。 GGRの影響をもっとも受ける、周辺化された社会に暮らす女性たちは、もっとも貧困で、医療サービスを受けにくい僻地に住む、25歳未満の女性たちです。人々が必要とする保健医療サービスが提供できなくなるために、何百万という人々が取り残され、意図しない妊娠や疾病、SRHに関連する死に追いやられるでしょう。 テウォドロス・メレッセIPPF事務局長のコメントです。 「グローバル・ギャグ・ルールの適用範囲は前代未聞の規模で拡大されます。社会の片隅に追いやられ、医療サービスへのアクセスが非常に限られる人々、貧しい女性やコミュニティが取り残される状況を作ることは、考えられる限りで最悪の事態です」 「GGRに基づいて米国が行動すれば、IPPFが加盟協会(MA)を通じて各国で提供し、女性たちが本当に必要とするサポート、カウンセリング、家族計画サービスなど、その国ではまったく合法な活動が不可能になります。IPPFの活動はやめるわけにはいきません。一度、活動を止めてしまえば多くの命が失われ、その影響は何世代にもわたって続くでしょう」 「女性であればだれでも、妊娠や出産など、自分の身体に起こることを、安全で合法に決めることができるべきだとIPPFは強く信じています。今回の要求は、強いられた妊娠の増加や、場合によってはもっとひどい結末などを招くだけであり、IPPFはこれを受け入れることはできません」   IPPFの試算では、GGRの実施によってIPPFへの資金援助が停止されることによって、妊産婦死亡が2万人、意図しない妊娠が480万件、安全でない中絶が170万件、世界中でさらに増加することになります。   GGRの適用範囲が拡大されると、IPPFが途上国で作り上げてきた保健医療分野のパートナーシップが壊される可能性があります。MAが現地の医療機関等と緊密に連携し、築いてきたリファラル(照会)や患者に対するサポートなどのサービスができなくなるからです。保健医療を提供する側と受ける側が持っていた選択肢が狭まり、双方にとって不利益が生じることになります。 米国国際開発庁(USAID)は、何十年も家族計画と公衆衛生プログラムを強く支持し、援助してきました。例え限られた期間だったとしても、USAIDがGGRの実施に従うことで、USAIDがもっとも得意としてきた活動の中で、多くの命を救うことができなくなります。莫大な活動予算が無になり、USAIDにとっても大きな損失になることでしょう。 今回の政策決定により、IPPFはその活動の中核を担う資金のうち、1億ドルを失います。MAを代表し、IPPFは1月に「IPPFがグローバル・ギャグ・ルールに署名しない理由」という緊急声明も発表しました。そちらもご参照ください。

フィジーでIPPFとUNFPAがサイクロン被害に遭った住民たちを支援する様子

IPPF事務局長の声明:米国政府のUNFPAへの資金援助停止に対するIPPFの見解

米国政府による国連人口基金(UNFPA)向け拠出金の停止に関する発表を受け、「(この決定は)世界中の女性や少女たちにとって絶望的な結果をもたらすだろう」と、国際家族計画連盟(IPPF)事務局長であるテウォドロス・メレッセは述べました。 メレッセ事務局長の発言は以下の通りです。 「米国政府が援助打ち切ろうとしている資金は、世界でもっとも貧困で、もっとも脆弱な立場にある女性や少女たちのヘルスケアのために使われるはずでした」 「それは避妊、妊産婦ケア、安全な出産をサポートするためだけではなく、ジェンダーに基づく暴力を防ぐためのプログラムにも使われるはずの資金でした」 「IPPFはUNFPAと緊密に連携して、世界中でこうしたケアを提供するのがもっとも困難な状況の中で活動してきました。特に、世界でもっとも貧困な国における、もっとも貧しい地域で活動をしてきました。このような環境に生きる女性や少女たちは特に脆弱な状況にあるため、この資金の打ち切りは、彼女たちに悲惨な 結果をもたらすでしょう」 メレッセ事務局長はさらに、「新しく発足した米国政権による、世界中の女性や少女たちのヘルスケアに対する、今年2回目の打撃です」と加えました。 「グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)の再導入により、既にIPPFや他の保健医療機関向けの米国の資金援助が打ち切りとなり、避妊サービス、HIVプログラム、ジカ熱の集団感染対策などの活動ができなくなってしまいました」 「(今回の政策によって)IPPFが失う見込みの1億米ドルの資金があれば、2万件の妊産婦死亡を防止できるはずです。また、この資金カットにより480万件の意図しない妊娠、170万件の安全でない中絶が起きる可能性があります」 「一つ、明確にしたいことがあります。米国政府によって打ち切られつつある拠出金は、いずれも中絶の実施や、強制的な生殖に関する政策の助長に費やされるものではありません。これは、(リプロダクティブ・ヘルスにかこつけた理由付けは)資金カットのための隠れみのでしかありません」 「権利に基づいて行動する組織として、IPPFはUNPFAをはじめとする保健医療機関や人権団体と協力し、何千万という女性と少女たちに対し、避妊法をいつ、どのように使うかを選ぶ権利を守り、命に関わるヘルスサービスへのアクセスを保障します」 「UNFPAは各国政府に働きかけ、持続可能な開発目標(SDGs)など、世界共通で合意した政策において協力するように求めています。グローバルな目標の達成は、すべての人々のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスを守るためにも絶対に必要なことです」 「米国で政権が発足してから3カ月のうちに、重要な保健サービスを、もっとも必要としている人々に届けるための努力が2度も否定されたこときわめて遺憾に思います。この政治的決断によって、何万人もの命が失われることでしょう」

Yemen mobile clinic IPPF

日本政府による拠出に関する発表を受けたIPPFからの発表

日本政府による拠出に関する発表(2017年3月28日付)*を受け、テウォドロス・メレッセIPPF事務局長から以下のコメントを発表します。 日本政府によるIPPFとUNFPAを通じた性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ:SRHR)への支援の継続に感謝します。米政府資金の大幅減など、世界のSRHRが苦境にある中、日本政府によるこの分野への継続的コミットメントの意思表明を特に歓迎します。 IPPFは、日本政府による長年にわたるIPPFへの支援に感謝します。また、IPPFが目前に差し迫った活動資金の危機を乗り越え、多くの人々(特に女性と少女)の健康と命を守るために、さらなる支援を期待します。 「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の実現のためには,性と生殖に関する健康と権利に関するサービスの提供が必須であることをここに再度強調します。さらに、そのことがG7伊勢志摩サミット最終成果文書のみならず、国際女性会議WAW!(WAW!2016)最終成果文書、第3回国連防災会議成果文書、第6回アフリカ開発会議(TICADVI)成果文書でも明示されています。これらを可能とした日本政府による世界のUHC実現に向けたリーダーシップに敬意を表し、今後とも日本政府と緊密に連携し、世界の女性の健康と命を守り、持続可能な開発目標(SDGs)という共通の目標を達成するための努力を重ねることを約束します。 * 「国連人口基金及び国際家族計画連盟に対する拠出」(2017年3月28日付プレスリリース)はこちらをご参照ください。

UMATI LOGO

タンザニア家族計画協会(UMATI) 新聞記事で紹介

タンザニアのIPPF加盟協会であるNGO「タンザニア家族計画協会(UMATI)」の活動が2016年11月と12月、日本の複数の新聞記事に掲載されました。ムスリムが多数を占めるペンバ島で、望まない妊娠・出産の防止や、女性の健康の向上のための工夫が紹介されました。 【掲載記事はこちら】 日本経済新聞(2016年12月18日) 中日・東京新聞(2016年11月14日)  

超音波検査を受ける妊婦

グローバル・ギャグ・ルールでどれほどの人命が犠牲になるか

国際家族計画連盟(IPPF)は、米国のグローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)によって世界中でどれほどの人々の健康に影響があるのか、データをまとめました。 IPPFのグローバルなネットワークを通じで、草の根のパートナーたちが1分当たり300以上の家族計画・保健医療サービスを日々、提供しています。米国のトランプ大統領の任期中、これまで提供されてきた約1億ドルの海外援助が受けられなくなります。この援助によって、保健医療ケアを必要とする女性たちのための家族計画とHIVプログラムが実施されるはずでした。 もっとも影響を受けるのがサハラ以南のアフリカ、南アジア、南米とカリブ海地域です。   1億ドルの援助があれば、次のようなことを防ぐことができます。 2万件の妊産婦死亡 480万件の意図しない妊娠 170万件の安全でない中絶   さらに、次のようなこともなし得たでしょう。 27万5000人のHIVと共に生きる妊婦の健康を守り、生まれてくる赤ちゃんへのHIV母子感染を防ぐ 7000万個のコンドームを配布し、意図しない妊娠を減らし、HIVその他の性感染症を防ぐ 72万5000件のHIV検査を実施し、自分の健康状態を知らない人々を助ける 52万5000件の性感染症の治療 世界中の女性、男性、子どもたちの命を守り、健康を増進しようと考える組織として、IPPFと171カ国のパートナーは、人権を否定し、女性の命を危険にさらす政策に署名することはありません。 各国政府その他の機関と連携し、失われた援助の代わりになる資金を調達し、世界中の家族計画クリニックを運営し続けるため、IPPFは尽力しています。 メールアドレスを登録して、世界中の人々の健康を守る運動に参加しよう(英語) THUNDERCLAPに参加して、メッセージを広めよう 寄付をして活動を支えよう

Rym Fayala

Interview 「住民がスタッフ 紛争地でも活動継続」

IPPF(国際家族計画連盟) アラブワールド地域事務局 渉外部長 リーム・ファヤラさん チュニジア出身で、医師でもあるリーム・ファヤラさんに、中東地域のセクシュアル/リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)について聞きました。 ― アラブ地域のSRHR の現状を教えてください。 アラブ世界地域には14カ国にIPPFの加盟協会があり、現在、そのうち5カ国が紛争国です。これらの国では、紛争発生以後SRHRの状況が悪化しています。シリアには400 万人の難民がおり、国内避難民は700 万人にも及びます。国内避難民の75%が女性と子どもと推定されています。難民や国内避難民の女性たちは、医療施設の破壊や医師の不在などにより、SRHR関連サービスを含む通常の保健医療サービスが受けられないだけでなく、性暴力に遭って精神的なトラウマも抱えるなど、紛争のSRHRへの影響は、非常に深刻です。 シリア以外でも、性暴力の経験者はヨルダンやエジプトで3 人に1 人、チュニジアでは47%にも上るなど、課題が多くあります。 ― 性暴力のほかに、女性の健康に関する課題は特に何がありますか。 まず高い妊産婦死亡率が挙げられます。ソマリアでは、出生10 万あたり約800 人(2013 年データ)と非常に高い状態です。また、紛争地では妊産婦死亡率が悪化しました。シリア危機では、2010 年に出生10 万あたり56 人だった妊産婦死亡率が、2013には65 人になってしまいました。 またアラブ地域では、18 歳になる前に結婚する女性も数多くいます。これは親が性犯罪や性暴力から「娘を守るために」早く結婚させるという現実を反映しています。女性性器切除(FGM)もモーリタリア、スーダンなどでいまだに深刻です。 ― IPPF の加盟協会はどのような活動をしていますか 移動クリニックと診療所を通して、SRHRを中心とした保健サービスとカウンセリングによる精神的ケアを提供しています。シリアでは、2013 年と2014 年に大幅にサービス提供件数を増やすなど、ニーズに応じて活動を拡大しました。実際に現場で活動しているスタッフは、地元住民でもあり、地域に根付いていますから、IS(イスラム国)に支配されるようになった地域でも、活動を継続しています。 このように非常に混乱した紛争地で人々のSRHRニーズに応える活動ができている団体はIPPFのほかに類を見ません。 また、スーダンやモーリタニア等では、IPPF・日本信託基金(JTF)の支援によるプロジェクトを実施しており、日本政府に感謝しています。サービス提供数は増やしていますが、すべてのニーズには応えられていません。今後もさらなるご支援を心よりお願いいたします。   <プロフィール> アドボカシーや資金調達などを担当。チュニジア保健省「人口とリプロダクティブヘルス・研修・研究センター」所長、国連人口基金(UNFPA)チュニジア事務所でのリビア人難民に対するリプロダクティブヘルス関連支援のコーディネーターなどを経て現職。   *この記事は、公益財団法人ジョイセフが発行するリプロダクティブ・ヘルスに関するオピニオンマガジン、アールエイチ・プラス(RH+)に掲載されたインタビュー記事を、許可を得て転載しています。

カットされる資金援助があれば、IPPFは、27.5万人のHIV陽性の妊婦のケアができたことでしょう。
08 March 2017

女性の健康は グローバル・ギャグ・ルールでどうなるのか?

米国が再導入を予定するグローバル・ギャグ・ルールによって、世界中で発生する健康への損失を試算しました。再導入により、特に貧困や周縁化されたコミュニティの女性が大きな影響を受けます。    あなたにできること メールアドレスを登録してIPPFの最新情報を入手しよう あなたの寄附でIPPFの活動を支えよう

Attendees at the closing ceremony in Lebanon

IPPFレバノンは日本政府の支援によるHIVとリプロダクティブ・ヘルスのプロジェクトを終了しました

2021年12月13日、IPPF日本信託基金(JTF)が支援し、IPPFレバノン(SALAMA)が実施する「レバノンのベッカー県でシリア難民とホストコミュニティの妊産婦の死亡と疾病を減らすリプロダクティブ・ヘルス・プロジェクト」の終了セレモニーがベイルート内のホテルで開催されました。日本大使館、レバノン社会問題省、レバノン助産師会、国際団体、市民社会組織の代表が出席しました。 セレモニーでは、プロジェクトで6,115人に提供した10万2,000件以上のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービスなど多くの成果について、関係者の講演、発表、動画で紹介しました。レバノンが直面した政治と経済の危機、コロナ禍、ベイルート港爆発事故(2020年8月)により、プロジェクトも様々な課題と向き合わなければなりませんでした。国内のSRHニーズが、特に人道危機下で依然として多いことを、出席者の多くが指摘しました。 日本政府は2017年よりベッカー県におけるSALAMAの活動を支援しており、今回が2回目のプロジェクトでした。 SALAMAの会長、Dr ジョセフ・チャリータと事務局長リナ・サブラはそれぞれのスピーチで日本政府への深い謝意を表明しました。日本大使館の代表はプロジェクトの有用性と成果を評価しました。 SALAMAの会長、Dr ジョセフ・チャリータのスピーチから抜粋します。 「今日こうして皆さんと集まってプロジェクトの成功を祝うことができてうれしく思います。これからも、私たちの声が指導者と意思決定の力を持つ人々に届き、すべての女性と少女が平等に避妊法と家族計画サービスを受けられる環境を作り出していけるよう、共に尽力していきましょう」 SALAMAの事務局長、リナ・サブラの発言です。 「SALAMAは、サービスを必要とし、すべての周縁化されたグループの多様な文化を尊重しながらエンパワーメントに注力するという、日本の政府開発援助(ODA)の優先順位に従って活動 してきました。(中略)SALAMAは主に持続可能な開発目標(SDGs)のうち3、5、13の達成に貢献しています」  在レバノン日本国大使の代理、山口真紀 書記官が述べました。 「レバノンが直面するいくつもの危機の中で、現地コミュニティとシリア人難民が必要とする医療サービスにつながるのが困難になっています。だからこそ、このようなプロジェクトが成功することに意味があります」  プロジェクト関連動画(英語字幕付き) JTF end of project report プロジェクト終了に寄せて HIV success story HIVプロジェクトの成果 Family planning success story 家族計画プロジェクトの成果 Pregnant women program (Mama & Baby Kits) ママ&ベビー・キット(妊産婦向けプログラム) Dignity kits ディグニティー・キット(人道危機下の女性支援)

30 October 2019

IPPFテクニカル・ブリーフ:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利:SRHR)の新定義

この文書は、グットマッハー・ランセット コミッションが2018年5月に発表した報告書に基づいて、人権の観点からエビデンスに基づいた、包括的なセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利:SRHR)の新しい定義と、推奨される必須SRHR関連事業の包括的なパッケージについて、1ページにまとめました。

サイドイベントの登壇者たち

WHO事務局長 ジェンダー平等と女性の健康の大切さを訴える~UHCフォーラムサイドイベント 100人超が来場~

国際家族計画連盟(IPPF)は、国連人口基金(UNFPA)と、IPPF東京連絡事務所であるジョイセフ(JOICFP)とともに、2017年12月15日、「UHCフォーラム2017」公式サイドイベント「UHCとユニバーサル・リプロダクティブ・ヘルス・カバレッジ~女性・若者が直面する課題に挑む~」を東京都内で開きました。 約40ある公式サイドイベントのなかでも、セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)の視点はユニークで、WHO(世界保健機関)事務局長、国際保健を推進する日本の国会議員などがスピーカーとなり、約100人が参加する大規模なサイドイベントとなりました。 第1部では、大局的な観点から、UHC達成に必要なリーダーシップ、各国の実情に合わせた施策、そしてその時に女性の視点を取り込む大切さが述べられました。 基調講演をしたWHO事務局長テドロス・アダノム氏は、「誰一人取り残さない」ために、ジェンダー平等とSRHRは中心課題として取り組まないといけないことを強調しました。参議院議員の武見敬三氏は、日本のUHCの課題からみえる今後の問題点を説明し、高齢化社会のなか、非感染性疾患の増加、高齢女性の貧困、介護人材不足への対応の必要性を指摘しました。外務省国際協力局参事官の塚田玉樹氏は、世界の女性の地位向上とともに、SRHの大切さ、それに向けた日本の貢献を訴えました。 IPPF次期事務局長Dr アルバロ・ベルメホは、世界中の多くの人々、特に若者や貧困層は、SRHサービスを自己資金で利用することが多いため、自己負担を減らすよう、UHCを国の保健財政だけの問題とせず、「誰一人取り残さない」サービス供給の観点から考える必要があるとしました。 このほか、UNFPAテクニカル・スペシャリストのハワード・フリードマン氏、「女性と子どもの健康の実現に向けたグローバル戦略(Every Woman Every Child)」国連事務局アカウンタビリティー確保のための独立パネル代表のエリザベス・メーソン氏も登壇し、若者に特化したサービスやデータ収集の大切さなどを述べました。   第2部では、コミュニティの視点にテーマを移し、各地で抱える問題や若者の立場を考慮しながら、住民主体のサービスによる、UHC達成を議論しました。匿名で質問を投稿できるウェブサイトも利用し、若者を含めて活発な意見交換が展開されました。 IPPF アフリカ地域事務局長ルシアン・クアク氏は、米国のメキシコシティ政策によって若者の避妊具へのアクセスの障害が出たことを問題視するとともに、人工妊娠中絶に対して厳しい国があること、政情不安によって学校に行けない若者もいるなどアフリカが抱える課題を挙げ、政治の力、計画、活動、人材、実績が求められることを訴えました。 スーダン家族計画協会(SFPA)会長バシル・エリマム氏は、スーダンでは国内避難民のSRHの問題が深刻で、さらに各地で治安不安、貧困、地方部でヘルスサービス利用しにくいなどの問題を指摘。UHC達成のためには、国内避難民を含めたSRHサービス拡大が大切であると強調しました。また保守的な考えがあるため、SFPAは保健省や教員に早い段階で説明して協働で取り組んでいるという活動の工夫も説明しました。 ファミリー・ヘルス・オプションズ・ケニア(FHOK)事務局長エドワード・マリエンガ氏は、FHOKは、米国などドナー協力を得て、若者へのサービス、妊産婦死亡率削減、施設での分娩や避妊実行率を上げる取り組みに成果を上げてきたものの、資金が減らされている現状を説明。若者のためには避妊具の提供や、妊娠・出産した学生が偏見を受けないよう啓発を含めたユースフレンドリーサービスが大切だと訴えました。 最後に日本の若者を代表し、Japan Youth Platform for Sustainability代表・唐木まりも氏は、日本で女性が考える「美」には、社会の美の意識の刷り込みがあることから、既存のジェンダー意識にとらわれない女性の健康と、避妊を含めて女性の主体的な選択、女性がNOと言いやすい環境を社会全体で作っていく必要性があることを訴えました。 ※こちらの記事は、ジョイセフのウェブサイトに掲載されたものを、許可を得て転載しています。  

A young female client helped by a project via IPPF

グローバル・ギャグ・ルールの適用拡大が及ぼす世代を超えた悪影響

米国による グローバル・ギャグ・ルール(GGR)の適用範囲の拡大( https://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2017/05/270866.htm)により、世界でもっとも貧困に苦しむ女性と少女たちの何百万という命が脅かされると、テウォドロス・メレッセIPPF事務局長は訴えています。 グローバル・ギャグ・ルール(GGR、メキシコシティ政策とも言われている)の適用範囲が拡大されれば、地球上で貧困に苦しむ多くの女性たちが、命にかかわる医療ケアを受けることができなくなります。それにより、意図しない妊娠、安全でない中絶が増え、何千人もの女性が命を落とすことになるでしょう。 このままでは、適正な価格で受けられた、質の高い、包括的なリプロダクティブ・ヘルスケアが、世界中で提供できなくなります。提供できなくなるサービスは、避妊指導や避妊法、ジカウイルス感染症に関する保健情報、母子保健サービス、出産後の母子のケア、生殖器のがん治療、HIV感染の予防や治療など、多岐にわたります。 GGRの影響をもっとも受ける、周辺化された社会に暮らす女性たちは、もっとも貧困で、医療サービスを受けにくい僻地に住む、25歳未満の女性たちです。人々が必要とする保健医療サービスが提供できなくなるために、何百万という人々が取り残され、意図しない妊娠や疾病、SRHに関連する死に追いやられるでしょう。 テウォドロス・メレッセIPPF事務局長のコメントです。 「グローバル・ギャグ・ルールの適用範囲は前代未聞の規模で拡大されます。社会の片隅に追いやられ、医療サービスへのアクセスが非常に限られる人々、貧しい女性やコミュニティが取り残される状況を作ることは、考えられる限りで最悪の事態です」 「GGRに基づいて米国が行動すれば、IPPFが加盟協会(MA)を通じて各国で提供し、女性たちが本当に必要とするサポート、カウンセリング、家族計画サービスなど、その国ではまったく合法な活動が不可能になります。IPPFの活動はやめるわけにはいきません。一度、活動を止めてしまえば多くの命が失われ、その影響は何世代にもわたって続くでしょう」 「女性であればだれでも、妊娠や出産など、自分の身体に起こることを、安全で合法に決めることができるべきだとIPPFは強く信じています。今回の要求は、強いられた妊娠の増加や、場合によってはもっとひどい結末などを招くだけであり、IPPFはこれを受け入れることはできません」   IPPFの試算では、GGRの実施によってIPPFへの資金援助が停止されることによって、妊産婦死亡が2万人、意図しない妊娠が480万件、安全でない中絶が170万件、世界中でさらに増加することになります。   GGRの適用範囲が拡大されると、IPPFが途上国で作り上げてきた保健医療分野のパートナーシップが壊される可能性があります。MAが現地の医療機関等と緊密に連携し、築いてきたリファラル(照会)や患者に対するサポートなどのサービスができなくなるからです。保健医療を提供する側と受ける側が持っていた選択肢が狭まり、双方にとって不利益が生じることになります。 米国国際開発庁(USAID)は、何十年も家族計画と公衆衛生プログラムを強く支持し、援助してきました。例え限られた期間だったとしても、USAIDがGGRの実施に従うことで、USAIDがもっとも得意としてきた活動の中で、多くの命を救うことができなくなります。莫大な活動予算が無になり、USAIDにとっても大きな損失になることでしょう。 今回の政策決定により、IPPFはその活動の中核を担う資金のうち、1億ドルを失います。MAを代表し、IPPFは1月に「IPPFがグローバル・ギャグ・ルールに署名しない理由」という緊急声明も発表しました。そちらもご参照ください。

フィジーでIPPFとUNFPAがサイクロン被害に遭った住民たちを支援する様子

IPPF事務局長の声明:米国政府のUNFPAへの資金援助停止に対するIPPFの見解

米国政府による国連人口基金(UNFPA)向け拠出金の停止に関する発表を受け、「(この決定は)世界中の女性や少女たちにとって絶望的な結果をもたらすだろう」と、国際家族計画連盟(IPPF)事務局長であるテウォドロス・メレッセは述べました。 メレッセ事務局長の発言は以下の通りです。 「米国政府が援助打ち切ろうとしている資金は、世界でもっとも貧困で、もっとも脆弱な立場にある女性や少女たちのヘルスケアのために使われるはずでした」 「それは避妊、妊産婦ケア、安全な出産をサポートするためだけではなく、ジェンダーに基づく暴力を防ぐためのプログラムにも使われるはずの資金でした」 「IPPFはUNFPAと緊密に連携して、世界中でこうしたケアを提供するのがもっとも困難な状況の中で活動してきました。特に、世界でもっとも貧困な国における、もっとも貧しい地域で活動をしてきました。このような環境に生きる女性や少女たちは特に脆弱な状況にあるため、この資金の打ち切りは、彼女たちに悲惨な 結果をもたらすでしょう」 メレッセ事務局長はさらに、「新しく発足した米国政権による、世界中の女性や少女たちのヘルスケアに対する、今年2回目の打撃です」と加えました。 「グローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)の再導入により、既にIPPFや他の保健医療機関向けの米国の資金援助が打ち切りとなり、避妊サービス、HIVプログラム、ジカ熱の集団感染対策などの活動ができなくなってしまいました」 「(今回の政策によって)IPPFが失う見込みの1億米ドルの資金があれば、2万件の妊産婦死亡を防止できるはずです。また、この資金カットにより480万件の意図しない妊娠、170万件の安全でない中絶が起きる可能性があります」 「一つ、明確にしたいことがあります。米国政府によって打ち切られつつある拠出金は、いずれも中絶の実施や、強制的な生殖に関する政策の助長に費やされるものではありません。これは、(リプロダクティブ・ヘルスにかこつけた理由付けは)資金カットのための隠れみのでしかありません」 「権利に基づいて行動する組織として、IPPFはUNPFAをはじめとする保健医療機関や人権団体と協力し、何千万という女性と少女たちに対し、避妊法をいつ、どのように使うかを選ぶ権利を守り、命に関わるヘルスサービスへのアクセスを保障します」 「UNFPAは各国政府に働きかけ、持続可能な開発目標(SDGs)など、世界共通で合意した政策において協力するように求めています。グローバルな目標の達成は、すべての人々のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスを守るためにも絶対に必要なことです」 「米国で政権が発足してから3カ月のうちに、重要な保健サービスを、もっとも必要としている人々に届けるための努力が2度も否定されたこときわめて遺憾に思います。この政治的決断によって、何万人もの命が失われることでしょう」

Yemen mobile clinic IPPF

日本政府による拠出に関する発表を受けたIPPFからの発表

日本政府による拠出に関する発表(2017年3月28日付)*を受け、テウォドロス・メレッセIPPF事務局長から以下のコメントを発表します。 日本政府によるIPPFとUNFPAを通じた性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ:SRHR)への支援の継続に感謝します。米政府資金の大幅減など、世界のSRHRが苦境にある中、日本政府によるこの分野への継続的コミットメントの意思表明を特に歓迎します。 IPPFは、日本政府による長年にわたるIPPFへの支援に感謝します。また、IPPFが目前に差し迫った活動資金の危機を乗り越え、多くの人々(特に女性と少女)の健康と命を守るために、さらなる支援を期待します。 「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の実現のためには,性と生殖に関する健康と権利に関するサービスの提供が必須であることをここに再度強調します。さらに、そのことがG7伊勢志摩サミット最終成果文書のみならず、国際女性会議WAW!(WAW!2016)最終成果文書、第3回国連防災会議成果文書、第6回アフリカ開発会議(TICADVI)成果文書でも明示されています。これらを可能とした日本政府による世界のUHC実現に向けたリーダーシップに敬意を表し、今後とも日本政府と緊密に連携し、世界の女性の健康と命を守り、持続可能な開発目標(SDGs)という共通の目標を達成するための努力を重ねることを約束します。 * 「国連人口基金及び国際家族計画連盟に対する拠出」(2017年3月28日付プレスリリース)はこちらをご参照ください。

UMATI LOGO

タンザニア家族計画協会(UMATI) 新聞記事で紹介

タンザニアのIPPF加盟協会であるNGO「タンザニア家族計画協会(UMATI)」の活動が2016年11月と12月、日本の複数の新聞記事に掲載されました。ムスリムが多数を占めるペンバ島で、望まない妊娠・出産の防止や、女性の健康の向上のための工夫が紹介されました。 【掲載記事はこちら】 日本経済新聞(2016年12月18日) 中日・東京新聞(2016年11月14日)  

超音波検査を受ける妊婦

グローバル・ギャグ・ルールでどれほどの人命が犠牲になるか

国際家族計画連盟(IPPF)は、米国のグローバル・ギャグ・ルール(メキシコシティ政策)によって世界中でどれほどの人々の健康に影響があるのか、データをまとめました。 IPPFのグローバルなネットワークを通じで、草の根のパートナーたちが1分当たり300以上の家族計画・保健医療サービスを日々、提供しています。米国のトランプ大統領の任期中、これまで提供されてきた約1億ドルの海外援助が受けられなくなります。この援助によって、保健医療ケアを必要とする女性たちのための家族計画とHIVプログラムが実施されるはずでした。 もっとも影響を受けるのがサハラ以南のアフリカ、南アジア、南米とカリブ海地域です。   1億ドルの援助があれば、次のようなことを防ぐことができます。 2万件の妊産婦死亡 480万件の意図しない妊娠 170万件の安全でない中絶   さらに、次のようなこともなし得たでしょう。 27万5000人のHIVと共に生きる妊婦の健康を守り、生まれてくる赤ちゃんへのHIV母子感染を防ぐ 7000万個のコンドームを配布し、意図しない妊娠を減らし、HIVその他の性感染症を防ぐ 72万5000件のHIV検査を実施し、自分の健康状態を知らない人々を助ける 52万5000件の性感染症の治療 世界中の女性、男性、子どもたちの命を守り、健康を増進しようと考える組織として、IPPFと171カ国のパートナーは、人権を否定し、女性の命を危険にさらす政策に署名することはありません。 各国政府その他の機関と連携し、失われた援助の代わりになる資金を調達し、世界中の家族計画クリニックを運営し続けるため、IPPFは尽力しています。 メールアドレスを登録して、世界中の人々の健康を守る運動に参加しよう(英語) THUNDERCLAPに参加して、メッセージを広めよう 寄付をして活動を支えよう

Rym Fayala

Interview 「住民がスタッフ 紛争地でも活動継続」

IPPF(国際家族計画連盟) アラブワールド地域事務局 渉外部長 リーム・ファヤラさん チュニジア出身で、医師でもあるリーム・ファヤラさんに、中東地域のセクシュアル/リプロダクティブヘルス/ライツ(SRHR)について聞きました。 ― アラブ地域のSRHR の現状を教えてください。 アラブ世界地域には14カ国にIPPFの加盟協会があり、現在、そのうち5カ国が紛争国です。これらの国では、紛争発生以後SRHRの状況が悪化しています。シリアには400 万人の難民がおり、国内避難民は700 万人にも及びます。国内避難民の75%が女性と子どもと推定されています。難民や国内避難民の女性たちは、医療施設の破壊や医師の不在などにより、SRHR関連サービスを含む通常の保健医療サービスが受けられないだけでなく、性暴力に遭って精神的なトラウマも抱えるなど、紛争のSRHRへの影響は、非常に深刻です。 シリア以外でも、性暴力の経験者はヨルダンやエジプトで3 人に1 人、チュニジアでは47%にも上るなど、課題が多くあります。 ― 性暴力のほかに、女性の健康に関する課題は特に何がありますか。 まず高い妊産婦死亡率が挙げられます。ソマリアでは、出生10 万あたり約800 人(2013 年データ)と非常に高い状態です。また、紛争地では妊産婦死亡率が悪化しました。シリア危機では、2010 年に出生10 万あたり56 人だった妊産婦死亡率が、2013には65 人になってしまいました。 またアラブ地域では、18 歳になる前に結婚する女性も数多くいます。これは親が性犯罪や性暴力から「娘を守るために」早く結婚させるという現実を反映しています。女性性器切除(FGM)もモーリタリア、スーダンなどでいまだに深刻です。 ― IPPF の加盟協会はどのような活動をしていますか 移動クリニックと診療所を通して、SRHRを中心とした保健サービスとカウンセリングによる精神的ケアを提供しています。シリアでは、2013 年と2014 年に大幅にサービス提供件数を増やすなど、ニーズに応じて活動を拡大しました。実際に現場で活動しているスタッフは、地元住民でもあり、地域に根付いていますから、IS(イスラム国)に支配されるようになった地域でも、活動を継続しています。 このように非常に混乱した紛争地で人々のSRHRニーズに応える活動ができている団体はIPPFのほかに類を見ません。 また、スーダンやモーリタニア等では、IPPF・日本信託基金(JTF)の支援によるプロジェクトを実施しており、日本政府に感謝しています。サービス提供数は増やしていますが、すべてのニーズには応えられていません。今後もさらなるご支援を心よりお願いいたします。   <プロフィール> アドボカシーや資金調達などを担当。チュニジア保健省「人口とリプロダクティブヘルス・研修・研究センター」所長、国連人口基金(UNFPA)チュニジア事務所でのリビア人難民に対するリプロダクティブヘルス関連支援のコーディネーターなどを経て現職。   *この記事は、公益財団法人ジョイセフが発行するリプロダクティブ・ヘルスに関するオピニオンマガジン、アールエイチ・プラス(RH+)に掲載されたインタビュー記事を、許可を得て転載しています。